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「人がうごく コンテンツのつくり方 1DAY講座」イベント・レポートその1

 今回は8月6日に天狼院書店Esola池袋店さんでおこなわれたイベント「コンテンツのつくり方 1DAY講座」のレポートをお届けします。

 ゲストは、テレビ番組の『逃走中』や『ノイタミナ』、中田敦彦×企業研究『NEXT』などなど、数々の人気企画を手掛けてきたコンテンツプロデューサー・高瀬敦也さん。そして、弊社の代表で、数多くのベストセラーを生み出した編集者でもある小早川が対談相手を務めました。

<NEW!!!> その2「コンテンツのつくり方」編 記事公開しました。
高瀬 敦也 (たかせ・あつや)
コンテンツプロデューサー。株式会社ジェネレートワン代表取締役CEO。大学在学中、渋谷でレストランバーを開業。1998年フジテレビ入社、営業局にてスポットセールスプランニングに従事。その後、編成制作局にてバラエティーやアニメの企画・プロデュースを行う。自ら企画立案しプロデュースしていくことを信条とし、「逃走中」「ヌメロン」など企画性の高い番組を多数企画。「逃走中」「戦闘中」ではニンテンドー3DSのゲームもプロデュースし、シリーズ累計100万本を超えるセールスを達成。「ヌメロン」ではスマートフォンの普及を見越し、アプリ化を前提とした企画としてゲーム内容からデザイン。「ヌメロンアプリ」は350万ダウンロードを記録。また、深夜アニメブランド「ノイタミナ」の立ち上げに関わり、「ノイタミナ」を命名、他多数のアニメ番組をプロデュース。常にマネタイズを意識した企画立案と、独自の世界観を創りあげることを得意とし、ブランディングに強いこだわりをもって行うコンテンツプロデュースは、テレビ業界外で注目される。
小早川 幸一郎(こばやかわ・こういちろう)
クロスメディアグループ代表。1975年生まれ。書籍編集者を経て2005年にビジネス書の出版を手掛ける株式会社クロスメディア・パブリッシングを設立。2012年には企業のマーケティング、ブランディング支援事業、教育・研修事業等を行う株式会社クロスメディア・マーケティングを設立。また、2017年にはアクティブヘルス事業を行う株式会社ビジネスライフを設立。同社が運営する疲労回復専用ジムZERO GYMは「日経トレンディ」2018年ヒット予測第3位に選ばれるなど、メディアで話題を呼んでいる。

この本は細く長く売れる

コンテンツの作り方

小早川:前回ここでイベントをしたのは1年半くらい前ですかね?

高瀬:そうですね。なんか懐かしいですね。

小早川:この本(『人がうごく コンテンツのつくり方』)は2018年8月の発売で、ちょうど2年前に出ました。おかげさまで、いまだに売れ行きも好調で、ずっと書店様でも良い場所に置いていただいてます。

 いまは、やはり足が短い本が多いんです。打ち上げ花火的にパッと売れて、すぐ萎んじゃうみたいな感じが多いんですけど、この本はロングセラーで、けっこう異例なことですよ。

高瀬:この本を書いたときに、小早川さんが「うーん。いい本だね。この本は細く長く売れるね!」って言ってくれたんですよ。

小早川:そんなこと、言ってましたか?笑

高瀬:そのときは「あっ、そうなんだ」と思いながらも半信半疑だったんですが、本当に「細く長く」売れてますからね。さすがだな、と思いました。

小早川:この本には不思議と類書がないんですよね。

高瀬:ああ、たしかに。

小早川:内容がド真ん中じゃないですか。王道を行っていて、だから、かなわないと思われて、どこの版元も出したがらないんじゃないかな。

『コンテンツのつくり方』ができるまで

コンテンツの作り方バナー2

小早川:実は、高瀬さんと私は本を出す前から、友だちだったんです。

 普段から「高瀬くん」「小早川くん」と呼び合うような仲で、高瀬さんがフジテレビにいたときから知り合いで、家も近所で、しかも同い年で。

 その頃から、「いつか本を出したいね」って話はしていたんだけど、ある時、高瀬さんがフジテレビを退社して独立するという話を飲み屋で聞いて、じゃあ、名刺代わりに本を作ろうよって声を掛けて、それでこの本の企画がスタートしたんです。

高瀬:その時は「本なんて、すぐ出来ちゃうから」って言われてたんだけど、案の定、騙されました。全然できない、、超大変でした。笑

テレビ局時代は全然評価されなかった

小早川:高瀬さんは、もともとコンテンツも色々なものをプロデュースしていますよね。誰もが知っているような人気番組をプロデュースしたり、テレビにとどまらず、ゲームからスマホアプリのコンテンツまで作られていて、テレビ局の中でも、当時はやはり珍しい存在だったんですか?

高瀬:僕は、実はテレビ局では全然評価されてなかった方なんです。

 今でこそ、変わってきたのかもしれないけど、やっぱり当時のテレビ局は「(世帯)視聴率」を取ってナンボなんですよ。「視聴率」を取ることこそがすべて。もちろん、そのときはビジネス・スキームがそれで儲かっちゃう業界だったんで、当然といえば当然だったですが、

みんな、頑張って良い物を作って、世帯視聴率を上げるぞ!

おーっ!」みたいな。

 それさえやれば結果として儲かった。ある意味では美しい、幸せな業界ではあったんですが、、だんだんそれでは、うまくいかなくなってきて......

 そんな時に、このままではいけないなと考えて、何かテレビのスキーム外でも稼げる仕組みを前提とした番組(コンテンツ)が作りたいなと、自分はそう思ってやっていたんです。でも、それだとあんまり評価はされないんですね。

小早川:たとえばですが、テレビ番組のコンテンツを起点に、多メディアでの展開を考えるような「ビジネスや事業視点」を持った人は少なかったの?

高瀬:まあ、結論から言えば、少なかったんでしょうね。

 最近はそういう風にも言ってられないといって、だいぶ変わってきたとは聞いてます。しかし、結局は古き良きスキームの中で成功した人が出世する仕組みになっているので、そういう人が偉くなると、どうしても成功体験を引きずりがちになりますよね。

 それはテレビ局だけじゃないとは思うんですが。

コンテンツを多角的に広げて収益を上げる

小早川:私も創業した会社が「クロス・メディア」という名前で、本というパッケージだけじゃなくて、コンテンツを多角的に広げて収益を上げたり、ビジネスをしたいと思いがありました。創業のころから、ずっとそう思っていたんです。

高瀬:小早川さんは、早いですよね。今ならそういう考え方はわかりますが、普通は「本は本でしかない」と思うじゃないですか?

小早川:たしかに、早かったかもしれませんね。一緒に起業したパートナーは高校のころのサッカー部の友だちだったんですが、彼は映画会社でCGを作っていたんです。そこで、私がコンテンツのもとを作って、彼がデジタル化するという方針で会社を「クロス・メディア」と名付けました。

 そういう物は作れるんですが、なかなか収益化は難しくて、創業から8年くらいは本だけの出版ビジネスでしたが、今はグループで多角的なビジネスに取り組んでいます。

それぞれのコンテンツで作法が違う?

小早川:今まで自分が一緒に本を作ってきた方は、高瀬さんのようなテレビのプロデューサーだったり、広告代理店のクリエイターの方もいたり、色々な方々がいらっしゃったんですが、コンテンツを作る上ではお互い作法が違うなと感じるんです。打ち合わせをしている中で「そういう考え方、おもしろいですね」と自分も言いますし、相手からもよく言われます。

 その違いは何かというと「ターゲット」が違ってたり、「リーチするボリューム」が違うということもあるんですが、いちばんは「お金を払うか? 無料か?」で全然違うんじゃないかなと思います。

高瀬:たしかに、本を出してわかったんですが、お金を払って、しかも長い時間をかけて読んでもらう本はエンゲージメントがむちゃくちゃ高いコンテンツだなと感じました。

 最近は、みんな時間に対する考え方もシビアだし、めんどくさがりやだし、何でも安く早く、かんたんに済ませたいですよね。

 いままでの進化がそうなっているから、それは大きな流れで当たり前ですが、そんな中でもわざわざ、紙の本を本屋さんまで行って買って読んで、下手したら何時間もかかるし、そこまでしたら、やっぱり、本を読んだ自分を自己肯定したくなるんじゃないかなと思います。

 だから、本を読んだ感想をSNSやブログに書いてくれたり、結果として著者のことも肯定的に捉えやすいなと。

 テレビだと無料で見られている分、そこまではないというか。なんの労力もかけてない分、見ている側は批判的になりやすいんじゃないかなとも思います。

オフラインとオンラインのコンテンツの違い

小早川:最近はオンラインが主流ですが、オンラインでもコンテンツを作ってますか?

高瀬:僕はおそらく日本でいちばん早く「Zoom飲み番組」を作りました

小早川:「Zoom飲み」をテレビ番組にしたんですか?

高瀬:BSの番組だったんですが、収録後に放送作家の小山薫堂さんがオンライン・コンテンツの良さは「みんなが油断することだ」とおっしゃっていました。

 家の中でオンライン・コンテンツを見ていると、急にピンポン!ってインターホンが鳴ったり、子どもが向こうで走り回っていたりと色々な生活の中にいるからこそ、みんな油断しているんじゃないかと。

 これは「プライベート空間だからリラックスできる」って言葉と置き換える人が多いんですが、それよりも「油断」という言葉がとてもしっくりくるなと感じています。

 「油断するからこその面白さ」とか「油断するからこその親近感」とか、これはわざわざ人と会っていては生まれない人との距離感だなと。

 普段なら家にいきなり他人を招くことも少ないんですが、オンラインだといきなり土足で行ってる感じがあって、生身の人間的には、そこが本質的な違いじゃないかなと考えています。


<「コンテンツのつくり方 1DAY講座」イベント・レポート その1はここまで>

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 今回、紹介した書籍『人がうごく コンテンツのつくり方』に興味を持った方はぜひ本をお手に取ってみてください。

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