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アニロックスロール

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アニロックスロールの管理の重要性

アニロックスロールの管理の重要性

本記事ではアニロックスロールの管理の重要性について説明します。

1.アニロックスロールの理想アニロックスロールはフレキソ印刷においてインキを刷版へ供給するためのロールです。

図1 CI型フレキソ印刷の模式図

そのアニロックスは一般的に、印刷ジョブとその役割に応じて、線数や容積を基準に選定され用意されています。図2はその一例です。

図2 8色機のアニロックスロールとその役割の一例

ここで、

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アニロックスロールのセル容積の測定

アニロックスロールのセル容積の測定

アニロックスロールのセルが保持できる単位面積あたりのインキ量すなわちセル容積を測定する方法にはいくつかあります。アニロックスロールの発展に伴い、その測定方法も発展してきました。ここではその代表的な測定方法を紹介します。

(アニロックスロールの代表的な彫刻方法については下記の記事(セクション4)を参照して下さい。)

1. 数式による計算かつて単純な機械彫刻が主流だったころは顕微鏡を用いて測定した

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アニロックスロールの選択(線数と容積)

アニロックスロールの選択(線数と容積)

アニロックスロールの線数や容積はどのようにして決めるのがよいでしょうか。ここではそのガイドラインを紹介します。

(適切なアニロックスロールはそれぞれの印刷条件毎に異なるため、ここで説明するものは飽くまで目安です。詳細については、個々の印刷条件をもとに必ずインキメーカーやアニロックスロールメーカーに相談して下さい。)

1.はじめにまずフレキソ印刷において常に考慮されることとして、

があります。

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コーティング用のアニロックス仕様を決める方法

コーティング用のアニロックス仕様を決める方法

1.はじめに

 サプライヤーが推奨したアニロックスロール(アニロックス)仕様を選択したものの、「ニスや白インキ、粘着剤のコーティングで、塗布量が多すぎるまたは少なすぎるといった不具合が原因で製品ロスが生じた」といような、期待していた結果が得られなかったというケースは珍しいことではないようです。実際、白色度の不足、隠蔽性の不足、滑り角の不足、光沢の不足、粘着強度(剥離試験)の不足等は頻繁に発生して

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正しいアニロックス仕様の選択

正しいアニロックス仕様の選択

アニロックスロールを購入する際、いいかげんな仕様で注文してしまうと後々のトラブルの元になります。アニロックスは、単にインキ転移セルの集まりではないのです。まず、アニロックスセルの特性とその特性によるインキ転移への影響を理解することが必要です。以下に、間違った仕様による不要なトラブルを避けるための情報を記します。

検討要素

セルの特性には主に3つの要素があります。

1.セルの角度

アニロッ

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アニロックスロールのご紹介

アニロックスロールのご紹介

(最終改訂:2023年4月27日)

今回は弊社で取り扱っていますアニロックスロールの特徴についてご紹介致します。

アニロックスロールには次のような特徴があります。

特徴① セラミック

弊社のセラミックロールは低い多孔率と高い硬度を実現しています。材料の粉末をプラズマ溶射して形成するアニロックス表面のセラミックには通常微細な空間が残ります。この空間が少なければ少ないほど多孔率が下がり耐久性も

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アニロックスロールとは何か

アニロックスロールとは何か


1.フレキソ印刷のインキ転移システムにおけるアニロックスロールアニロックスロールとはフレキソ印刷のインキ転移システムの一部を構成するロールのことです(図1)。

図1 アニロックスロール(シリンダータイプ)

フレキソ印刷の代表的なインキ転移システムを図示すると図2のようになります。

図2 フレキソ印刷の代表的なインキ転移システム

インキタンクからインキパン(①)に移されたインキは、まずゴム

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