Crieta. of The Institute

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Crieta. is the creative dep. of The Institute. All rights and charges are reserved to the director of The Institute. More info: insti.jp/

最近の記事

不思議な光景~映画『ジョジョラビット』

**大きなネタバレも含めて書いたが、肝心なところはぼかしたつもりです。気になった方はどうぞご覧ください。** とても不思議な映画だった。 タイトルからだけだとまったく何の映画7日分からなかった。ジョジョという単語は日本のマンガ「ジョジョの奇妙な冒険」を思い起こさせたが、この呼称はヨーロッパの国の一部では時々ニックネームとして使われているし。 どこかの紹介で見聞きしたのだと想う。名前の愛らしさとそのメディアで紹介されていたあらすじとはつながりそうでつながらない感じがした。

    • ぼくたちはあの子たちに追いつけているのだろうか?

      古い映画を観ました。1980年ころでしょうか?これから映画産業も花開こうとしていた頃のものです。 ストリーは単純で、野球が盛んな郊外の小さな街の少年野球チームに、元プロ野球選手の男が監督に来た、というだけの話。特別なドラマはないんです。弱小で野球が下手な子どもたちが、ただ楽しくすごしたくて参加してる。一応、みなご近所さん同士だけど、性格も人種もバラバラ、共通点は貧しいところとでたらめさというだけの集まり。監督は、町会議員のオーナーにてきとうなことを言われ、雇われたけど、マイ

      • コロナウィルスOverview #2:世界中の人に共通していること1

        コロナウィルスへのワクチンがようやく実用化されましたね。いくつかの懸念は残りますが。これから先のことを考える前に、それらを一つ一つ見ることから始めたいと思います。 まずは何より、周囲の人の話を聞いて気になっていたのですが、多くの人がワクチンと治療薬・対処薬の区別がついていないようだということです。これを読んで「そんなことが!?」と思う人がいるかもしれません。私もそう思っていました。ですが、私がワクチンのことについて話をしたり聞いたりした人の多くが、ワクチンを他の薬と混同して

        • Good grief…(やれやれ…)

          私には好きな言葉がある。こう書くと、ほんとはたくさんありすぎて選べないことが分かるが、ちょっと日常の苦労で疲れた中で思い出したものについて触れてみたい。 タイトルのGood grief.は英語だ。私はこれを「やれやれ…」と覚えている。それはPeanutsの主人公チャーリー・ブラウンたちが時々口にする決り文句で、谷川俊太郎氏があてた名和訳の一つだ。 子供の頃、アルファベットと少しの単語を覚えた頃だから11~2歳だったと思う。スヌーピーのコミックがたまたま家にたくさんあり(別

        不思議な光景~映画『ジョジョラビット』

          あの時「それ」はいたのだろうか?

          この記事にとって本当はタイトルを示すだけで十分だと思う。私はこの映画を偶然にも映画館で観れた。 上映時のパンフレットもちょっと古いながらもとてもすっきりして美しかった。そして、実際に観るまで私は頭の中でこの映画のタイトルを何度も反復して思い浮かべた。日本語でも英語でも。 この1センテンスになっているタイトルはは一体何を言っているのだろう?作品の中で、それは幻影のような体験として描かれるのだろうか?少しSFじみて、タイトルに含まれる「それ」がちょっと出てきたり?それとも、本

          あの時「それ」はいたのだろうか?

          「しろたえ」のレアチーズケーキ 260円

          赤坂見附の小さなケーキ屋「しろたえ」はいつも人でいっぱい。 こじんまりとしたその佇まいは、背の高いビルが多く並ぶビジネス街のイメージにはそぐわない気もするが、聞けば創業は1976年。変わったのはお店ではなく、街の方なのだろう。 こげ茶色の木製のドアを開けると、思った以上の人の多さに驚く。左手にテイクアウトの列、右手に喫茶を待つ人の列、それらの注文をくるくるとさばく店員たち。立地のせいか5個10個と買っていくお客さんも多く、端からキレイになくなっていくケーキに喫茶待ちは不安を

          「しろたえ」のレアチーズケーキ 260円

          近所の猫について

           私はネコが好きでも嫌いでもない。それは、たまたま実家の商売の関係で、住居区域とお客の区域の境を認識できないネコを飼ったことがないからかもしれない。家族は生き物たちをどちらかといえば好いてたし、ミジンコから犬、果てはヘビやらモモンガまでさまざまなペットを飼っていたこともある。  そういえば、子供のころこっそり子猫をひろって物置小屋にかくまい、鳴き声やうんちの匂いで見つかって怒られたこともあったなあ。よそで飼っているのがいると、それもかわいがったりしていた。だが、彼らがそれほ

          近所の猫について

          90分の夢

          久しぶりに心が浮き立つような時間を過ごしましたので、年末のお話にはなりますが、皆様にもおすそ分けしたいのです。 それが決まったのは確か11月の中旬ごろのことでした。いつものメンバーで、年末にどこか食事にでも行きたいねという話になって。 『それなら、去年も行ったあそこにしない?』 と言ったのは、私だった気がします。だって、去年もとても楽しかったから。今年もそんな素敵な時間が過ごせたら良いと思っての提案でした。 日程はクリスマス直前の週末に決まりました。予約は行動派のAさんが

          憧れが叶った日

          小さなころからずっと、俺は彼に憧れている。 この時期になると必ず注目の的になる彼に、その存在の真偽すら疑わず、俺は紛れもない尊敬の念を抱いていた。 その彼とは―――そう、クリスマスになると子供たちにプレゼントを届けに来る、いわゆる「サンタクロース」だ。 だって、考えても見ろ。一晩だぞ。たった一晩で世界中の子供たちにプレゼントを配るんだぞ。すごいとは思わないか?!一体どうやってるんだ……? とまあ、俺はこんな具合に、ガキの時からサンタという存在に憧れていた。誰から聞いたわけで

          憧れが叶った日

          エルメスの顧客は誰か?-「彼女と。」を振り返って

          美術館へと足が急ぐ。 予約した19時までまだ余裕があるとわかっていても何となく落ち着かない。 同じ時刻の人たちが並ぶ列の後ろにつくと、ようやく雑談をする余裕ができた。 他ブランドが回顧展と称して(あるいは暗に匂わせて)昔作った製品やセレブリティーの所持品を展示する中、 エルメスが企画した展覧会は「今」に焦点を当てたものだった。 その内容はエルメスからのアナウンスを見ても皆目見当がつかず、 内覧会の体験記事を見ても概要がつかめず、 私はただ「エルメス」というネームバリューと「

          エルメスの顧客は誰か?-「彼女と。」を振り返って