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【クレモナ通信】第4号 2020年4月12日月曜日

やっぱり聴いてほしいのはこの動画。

1.今週の一言


 おはようございます。
 新型コロナの懸念が世界中に巡っている現在、多くのコンクールや世界大会が中止となっています。致し方ないことですが、そんな状況でタイではトランスジェンダーの美人コンテストの世界大会が開催されました。




 この時期に開催するんやと驚いたと同時に、過度にウィルスの恐怖ばかり報じているマスメディアに対して不満が募ってしまいます。この時期にイベントやコンサートを開催するにしても、中止(延期も含む)の判断するにしても、非常に困難な中での判断だと思います。もちろん、開催する人に対して批判的な立場はとる人も多くおられると思いますが、私はその勇気に敬意を表したいと思っています。
 残念ながら、クレモナにはコンサートを開催する勇気はなかったし、11月までただただ嵐が過ぎるのを待つように耐えしのぐことしかできません。
 では、どうあるべきが正しいのか(または正しかったのか)を、これからじっくりと考えていければと思います。このメルマガでも度々お伝えしていきたいと考えております。


2.注目の世界のニュース

 このコーナーでは、1週間に得たニュースを独自の感覚でセレクトしランキングにしました。

(5)BCGワクチンの効果を検証する動きが広がっている
 新型コロナでさまざまな可能性が検証されることは良いことです。結核菌に対応したワクチンが免疫の汎用性があるという話みたいですが、これが本当なのであればラッキーです。
 そんな、虫のいい話があるのだろうかと思ってしまいますが・・・
 

(4)延期となったカンヌ映画祭、ホームレス受け入れ
 ロックダウンの影響で行き場のなくなったホームレスを映画祭の会場で受け入れをすることになったみたいです。避難所には食事場所やシャワーも設置されているみたいです。
 日本でロックダウンになった時もこのように対応されるのかは不安がありますが、ホームレスの人々に外出禁止といったやり方を当てはめるのも不思議なものです。

(3)オンライン診察、厚生労働省の壁が崩れた
 これをきっかけにやらないと永遠にできないような気がしていました。新型コロナは患者から医療従事者に感染すことが多いみたいです。二次感染して医療崩壊してしまったケースがヨーロッパで出てきているのに、厚労省はオンライン診察には消極的でした。
 これ、まさに今やるべきことだと思っていたのですが、13日から一部で開始されることになりました。しかし、今回はコロナが収束するまでの期間限定の処置みたいです。ちゃんと定着させてほしいなぁ~。

(2)ドローン活用、操縦免許を創設、機体認証も!
 これ、いつの間にか利権めいた話になっていると思います。機体認証や免許制度なんかを作ると、それを利権化して商売につなげる人がどんどんと出てきます。
 免許制度にするなら、利権や天下りとならないような仕組みと組織を作ってするべきではと思うのですが、本当にライセンスが必要なのか、検証のプロセスが不透明としかいえない。全く官僚の言いなりの政治だと強く思いました。

(1)緊急事態宣言が発令されました。
 多くの人がいっているので、文化に与える影響はここでは差し控えます。
 まず、首相が唱えた108兆円の緊急経済対策ですが、真水は16兆円、22兆円は予算内のやりくり?108兆円から財政支出を除いた68兆円って…、どういうことでしょうか?謎が多いというか、こんなの見せかけでしかないと思います。
 さらに、緊急事態宣言を出したのだから、法に基づいて政治的な要請をおこなってほしいです。これが、この法律を使用する最大の効果だし、曖昧な政治行政しかできない、決断力のないリーダーと言われても仕方がありません。特に大阪は地域の事情に合わせて、知事の権限と責任をもって進めてほしいし、それを霞が関や国会議員があれこれという筋違いを修正してもらいたいと私は思います。


3.注目の音楽ニュース

 私が得た音楽ニュースの中で関心のあるものをセレクトしランキングしました。

(5)サーカス劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」破産か??
 まさに、グローバル化の象徴のような同社です。音楽はもちろん、ありとあらゆるエンタメを集合させて世界中で興行している同社ですが、まさにグローバル化の逆回転の犠牲となってしまっています。
 本当に素晴らしいビジネスモデルなのに残念です。何とかして復活してもらえたらよいのですが、エクイティが紙切れになってしまうのは間違いないと思います。

(4)宝塚ベガ・コンクール、びわ湖コンクール相次ぐ中止(延期)
 ベガ・コンには、ぴかりん。びわ湖には、ゆきが出場予定していたのですが、新型コロナの影響で中止。もちろん仕方がないことですが、定期公演も、ヨーロッパのコンクールも中止になり、最後に国内のコンクールならと思っていたのですが、中止となりました。
 クラシック音楽のコンクールの場合、無観客にしてソロのコンクールなら感染などの心配もなく開催ができると思ったのですが、非常に残念です。次の何か目標を探して取り組まなければなりません。
 後補足ですが、ベガ・コンの審査料を振り込んだのですが、払い戻しのお報せがまだ届いていません。こういいうのって、素早く対応しないとダメだなぁ。

(3)「三月大歌舞伎」舞台映像、座談会など
 4月17日から、歌舞伎座新型コロナの影響で無観客で行われた公演の配信です。注目は、生き別れた親子のお話「沼津」など見逃せない作品が見ることができます。歌舞伎を見るといつも思うのですが、「ああ、いいもん見たなぁ」って感心させられます。残念だけど、今のクラシック音楽ではなかなか味わえない瞬間。同時代にできたものでも、まったく違うといつも思ってしまいます。
 また、ネットでの無料配信にしてもそうですが、ただ単に、ホールの天井からぶら下げてあるマイクで収音された音声で、定点カメラの映像を垂れ流すだけの、国内のオーケストラの配信とは違って、歌舞伎のこういった取り組みはクリエーションされているし、見習うことがたくさんありますね。

(2)ソニー1億ドルのファンド設立
 ソニーは、今回の新型コロナの影響を受けた人々を支援するためにファンドを設立しました。また、ソニーはWHOや国境なき医師団に1,000万ドルを寄付するとも表明しています。
 超大手のソニーなんで、クレモナに支援のチャンスがあるのかは不明ですが、この後しっかりとコンタクトして大金をゲットできればと思っています。このメルマガでもご報告いたしますね。

(1)ライブハウスの署名30万人
 正直、まじめに働いている人たちが、社会的な規制によって潰れたり、職を失ったりするとしたら、その損失の補填は政治がするべきだと思います。
 でも、何か違うような気がしてなりません。以前、大阪府が某オーケストラの助成金をカットすると言い出した時もそうでしたが、おそらく多くの人は、生のオーケストラの演奏を聴いたことがないかもしれません。あったとしても、学校の芸術鑑賞会などがせいぜいで、自分の大切なお金と時間をかけて聞きに行く人ってどれくらいいたのでしょうか?
 それと同じで、おそらく国民の多くの人がライブハウスで音楽を聴くという習慣はありません。そんな状況でライブハウスを救済することが正義なのか考えてしまいます。
 だって、もともとライブハウスが満員になるほどたくさんのお客さまが入ることなんて、殆どなかったんだし、もちろん国内のオーケストラにしてもそうです。たくさんのお客さまが入っている(いた)のなら、その文化は一定以上の需要があると思いますが、きっとライブハウスを救済しても、終息してたくさんのお客さまが入ることはないと私は思います。
 だったら何にお金を使うべきなのかもう少し透明性を持った議論の中から出てこれたらと私は思います。


4.クレモナの活動日記

 このコーナーはクレモナの活動についてお話をします。今週もステージはないクレモナですが、しっかりと活動は続けております。

1)コロナ影響でもう年末の仕込み?
 今年の阪急百貨店のクリスマスのテーマは『○○○○』になるとのことです。阪急阪神百貨店、企画部の情報を秘密裏に得たクレモナは早速企画会議。クレモナにとってまたとないチャンスかどうかは別として、どこよりも早く仕込んでお仕事をゲットできるように準備をしたいと考えております。
 阪急百貨店さんがコンペをするかは別として、企画書を送るということになっております。

2)19日のコンサートシリーズは中止といたします
 本拠地『ルーク・カフェ』にて、感染拡大の防止のために今月のコンサートシリーズは中止といたします。ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解の程、よろしくお願いいたします。
 5月のコンサートシリーズはできるようにがんばります。

3)YouTubeの新しい動画配信
 多くの演奏家もそうですが、クレモナでもYouTubeの配信を頑張っております。現在、174人の方にチャンネル登録をしてもらっています。先週より4名の方が増えました。自宅にいる時間が多くなった現在、YouTubeでクレモナを楽しんでいただけるようしっかりとクリエーションしていければと考えております。 


 ぜひ、チャンネル登録をお願いいたします。

4)TwitterとFacebookでの打ち出し
 11月に延期となった定期公演のチケットの販売状況と、【クレモナ通信】の読者数をSNSで公開しております。Facebookではそれらをイベントとして立ち上げて毎日イベントの投稿で更新しております。
 こういう地味で若干自虐的な活動を通して新しくクレモナを知ってくださる方々を増えていけるよう頑張りたいです。

5)来年度のフェニックスホール
 フェニックスホールでは、若手演奏家の支援として主催公演の助成企画『エボリューションシリーズ』をおこなっております。クレモナとしては地元大阪のホールですので、ここはフェニックスホールさんにあやかってオーディションに応募いたしました。
 どのように採択されるのかは不明ですが、もしクレモナが選ばれましたら、来年の夏ぐらいにフェニックスホールで演奏会をするようにしたいです。

□ クレモナからの耳寄りな情報

 私たちの定期公演の振替公演が決まりました。ぜひ、お越しください。
  11月14日(土) 19時開演
 第8回定期公演【Astor Piazzolla】
 豊中市 アクア文化ホール
 入場料:3000円

 さらに、
 コーヒー豆のセレクトショップ【BASE】も元気に活動しています。



 どうぞ、クレモナのコーヒー豆を毎日のコーヒーにしてみてください。



5.クレモナの楽器について

☆今回はホルンあやめちゃんが担当します☆

今日はホルンについてです。
ホルンは前回のファゴットに比べたら、少し有名かもしれません。(フルートには敵いませんが!)
だいたいの人は、かたつむりみたいやつです、というと伝わります。

ホルンをやってると聞かれることは、なんで音の出るところが後ろを向いてるの?右手は何やってるの?です。
クレモナYouTubeでは、ホルンの右手では猫を飼っていることになっていますが、今日は真面目にお答えしたいとおもいます。

ホルンは唯一ベル(音が出る朝顔の形をしたところ)が後ろを向いています。そのベルの中に右手を入れて楽器を演奏します。
これは昔、ホルンがヨーロッパで狩りの際に獲物がいたことを後ろの仲間に伝えるための信号ラッパとして使われていたからです。昔のホルンは今のホルンとは違って複雑な構造ではなかったので、肩にかけることができました。そのホルンを肩にかけて馬に乗り、獲物を探していたようです。その名残で今のホルンもベルが後ろを向いています。

昔のホルンは3.7mの管をぐるぐる巻いただけの簡単なものでした。この信号ラッパから演奏用として使われるようになったのですが、3.7mの管はドミソシ♭ド…しか鳴りません。そこでベートーベンやモーツァルトの時代から右手でベルを少し塞いだり、完全に塞いだりして抵抗を加えることで、ドレミファソラシドの音階を吹くことができました。

★天才か!神なのか!
バッハのブランデンブルグ協奏曲です。
この時のバルブの付いていないホルンをナチュラルホルンと言います。(現在のよく見るホルンはフレンチホルン)
動画で右手が素早く動いているのがわかると思います。


また、この3.7mに20cm足した3.9mで同じことをするとシド#レ#ミファ#ソ#ラ#シという半音低い調。さらに20cm足してシ♭ドレミ♭ファソラシ♭…これを繰り返していくと、全部の調の音階が吹けるようになります。昔は調ごとに管を変えないといけなかった(だから昔の楽譜は休みが多い!)のですが、今は全部の長さの管が1つの楽器に引っ付いたので、指でバルブを押さえるだけで管の長さを変えることができるようになりました。
じゃあ、もうバルブあるから右手いらないじゃん!という話なのですが、今でもわずかな音程を調節したり、奏法として全部塞いで金属的な音を出したり(クレモナではEl Viaje、Adios Noninoでもやっていてゲシュトップと言います)、音色を調節したりと右手は見えてない割に結構重要な役目を担っています。中学生のレッスンでは、まずは右手の入れ方から教えるくらい大切です。

管の長さを変えて吹くのはホルンだけに限らず金管楽器(トランペットやトロンボーンなど)は基本的に全部がこの構造です。木管楽器(フルートやファゴット、サックスなど)との見比べはここではないかと私は思います。
ちなみにホルンは金管楽器の中でも1番歴史が古く、右手で抵抗を加えて演奏していたのはホルンだけです。

ホルンはもちろん金管楽器としても必要とされるし、木管楽器と一緒にアンサンブルを奏でたりと、ホルンはあっちでいい顔、こっちでいい顔しないといけないのでホルンをやっている人はちょっと八方美人な傾向があるかもしれません。(私の勝手な偏見です)


この説明でホルンについてちょっとでも興味を持って頂いて、詳しくなって頂けると嬉しいです。
もしここが聞きたい!等質問があればお答えしたいと思います!


6.アストル・ピアソラについて


 このコーナーでは、アストル・ピアソラというクレモナが取り組んでいる作曲家(アルゼンチン出身)について、詳しく紐解くコーナーです。


☆本日は「ドビュッシー」について☆

 近年の作曲家によく使われる和音に増4度があります。ドとファ#という感覚です。ご自宅にピアノのある方はぜひ弾いてみてください。もの凄く気味悪い音程です。

◆増4度がメインになっている曲を聞いてみましょう。
バーンスタイン:「ウエストサイド物語」より「cool」(1957)

「Boy,Boy, A crazy Boy」というこの動きはずっとこの増4度を行ったり来たりしています。どきどきしませんか?

 この増4度ですが、もう一度増4度して2つ重ねるとオクターブ(元に戻るだけ)になってしまいます。4つ上がると元に戻るような和音となると現実的には3つの調でしか存在できないので、属している調がはっきりしないです。(分かりにくくてすいません)

 不協和音についてよく言われるのは、ぶつかり合っている音に対しての「不安感」ですが、私が考えるに聴く人が不安なのは、ぶつかっているからではなく、和音が属している調性がはっきりしないからではないでしょうか?もっと詳しく言うと属している可能性のある調がたくさんあることが不安感になります。ドミソ、とか、コード進行という流れのない不安です。
 調が明らかにならないから、無調なのであって、ぶつかっているから無調なのではないのです。

 多くの人で音楽活動をする時に、響き(調性とは少し違う意味)がはっきりしないのは困ります。音楽の方向性がどうしても見えにくく、他人が表現すために作った曲なら、作曲者として表現しやすいように楽譜に書くことが大切ではないでしょうか?(もしかしたら、誰にも再現してほしくないのかもしれません)
 ピアソラの音楽も調性がはっきりとしない作品が多数ありますが、響きがしっかりしているので、属している調が分からなくても、響きの中に音楽を進めていけるので、現代の私たちはまったく困りません。私ぴかりん(ファゴット)が担当しているベースラインも決して迷子にならないのです。なんとなく次がわかってきます。

◆アストル・ピアソラ:「La Camorra 1」(1989)

 ピアソラ最晩年の楽曲です。
 わたしたちの大切なレパートリーですが、調性が非常にわかりにくい部分が多いです。わたしたちが演奏するときも、今自分がいる調性がどこかわからなくなる時があります。しかし、楽譜を見て演奏してみると、自分がどこに立つべきか(ベースラインなのか、副旋律なのか、内声のどこにいるのか)というのが理解できます。
 それはおそらくお客さま(聴き手)にも「腑に落ちる」部分になるのだと思います。


 かつて、フランスに印象派という作曲家の一派がありました。その代表にクロード・ドビュッシーという人がいます。
 しかし実際はフランスの画家のように光と影の一瞬の印象を描いていたのではなく、作曲家本人も自分は印象派の作曲家として名乗っては活躍していません。(後世の人が勝手に言っただけです)
 ドビュッシー自身は、日本の浮世絵が非常に大好きで、自宅の仕事場には浮世絵が飾ってあったり、楽譜の表紙に北斎の絵を採用して出版したりもしています。(当時もですが、著作物である楽譜は出版することによって利益を得ていて、版権についても現代と同じように保護されていましたが… 北斎の著作物に対しては無頓着でした)

◆ドビュッシー: 『海』管弦楽のための3つの交響的素描(1905)

 デュトワ指揮、モントリオール交響楽団の演奏です。めちゃくちゃ美しいです。
 このスコアの表紙が北斎だったんです。わかるような、わからないような。

 このドビュッシーは、後世の多くの音楽家に影響を及ぼすのですが、出世作に『牧神の午後への前奏曲』というのがあります。(前奏曲として書かれたのですが、その続きになるのは書かれていません)フルートの怪しげな旋律から始まる曲ですが、何調で作られているのかさっぱりわからない作品です。

◆ドビュッシー:『牧神の午後への前奏曲』(1894)




 こちらもデュトワ指揮、モントリオール交響楽団の演奏でどうぞ。そう、ドビュッシー、ラヴェルの管弦楽を聴くのはこの組み合わせを聴くのが良いです。きちんとした語法で、きちんとした解釈で演奏されています。
 冒頭のフルートの一音目「C#」の音は構造上フルートが鳴らしにくい音だそうです。今度フルートゆきに吹いてもらいましょう。
 ちなみに日本でこの曲が初演されたのは1920年。指揮者は「赤とんぼ」「ペチカ」で有名な山田耕筰でした。


 先日もお話ししましたが、属する調性が分からないことが不安なのですが、ドビュッシーは伴奏の和音をどんどん変化させるので、どんな和音でも合う(これって、凄いことです)かのように思ってしまう楽曲になっています。これは、ドビュッシー独特の浮遊感であり、従来のヨーロッパにおけるクラッシク音楽では当たり前の、調性とメロディーの関係をぶっ壊す行為であったと想像できます。
 当然、世間からはかなり前衛的と評価され、破壊者というレッテルも張られた時期もあります。(あれ、聞いたことのある響きですね。そうです、我らがピアソラもタンゴの破壊者と呼ばれていました)


 ヨーロッパの伝統音楽の縦(和音・調性)と横(メロディ)のつながりを破壊したドビュッシーですが、初期の作品は甘ったるく、チャラい音楽でした。これは、マスネという当時のフランス社交界でモテモテだった偉大なる!?先輩の影響だったと思います。ピアノの曲に『月の光』という、へんてこな作品がありますが、この曲も社交界で女をだますために書かれた作品であったと想像します。(この曲好きな日本人が多いのですが… ゴメンさない)
 実際に、ドビュッシーはかなりスケベな人で多くの女の人を泣かしていたみたいで、違う時期ですが、自殺未遂をした女性が2人もいる極悪な作曲家です。(マスネを尊敬していたとうところが、人間形成には不幸に作用されたみたいです)

◆マスネ:「タイスの瞑想曲」




 葉加瀬太郎さんの演奏でお楽しみください。聴いたことありますよね。この曲ってもの凄く「ザ・クラシック」的な扱いを受けていますし、ありきたりなクラシック音楽の演奏家が、「お客さんにはこれ弾いたらウケるだろう」みたいな安直な考え方でよくレパートリーに入れたりするんですが、実際のところは史上ではなんの力もない曲です。これ演奏したらウケて下さりますか?みなさん?
 クラシックの演奏家としてわきまえてほしいと思うわけです。でも、売れてるからいいじゃん、という時代は終わっているのです。時代は新しいんです。「今」はもう過去になってしまうんですよ?
 漫才でもずっと同じネタばっかりやってたら笑えなくなってくるじゃないですか。(吉本新喜劇くらいになると予測して笑えるので、あそこまでエンタメとして到達できればもの凄いことです。)
 消費し尽くされているのに、未だこれがウケると思っている時代錯誤の演奏家たちは早く淘汰されてほしいです。
という話を19日に予定していたコンサートシリーズでやりたかったのですが中止となりました。(中止になったほうが良かったのかも知れません!)

◆ドビュッシー:『ベルガマスク組曲』より「月の光」



 わたしたちが敬愛している香港出身のピアニスト「ティファニー・プーン」の演奏です。
 フルートゆき・みーこと同じ歳です。コロンビア大学/ジュリアード音楽院出身の演奏家で、もの凄い発信力です。クラシック業界のインフルエンサーとも言えると思います。


 以上のことより、印象派という作品よりも霧を立ち込めた音楽(象徴派)が実に多く、ドビュッシーのことを印象派とはいえません。(日本の音楽の教科書的には不正解かもしれませんが…)しかし、ドビュッシーほど20世紀の様々な音楽家に影響を与えた作曲家はいません。もちろんピアソラもその一人であり、ドビュッシーの浮遊感に影響を受けた作品はたくさんあります。さらに、ピアソラも多用していて、今のジャズでよく使われている9th(ナインス・9度音程)は、ドビュッシーそのものです。下からド・ミ・ソ・レと積み上げる和音です。

◆9度音程を使用した代表的なジャズ・ピアニスト
ビル・エヴァンス:「Some other time」




 よくよく聴いてみるとドビュッシーの影響を強く受けていると思いませんか。
 先日これを弾く機会があったのですが、これでもか!というくらい9度の和音を使っています。

◆最後に、私ぴかりんが一番好きなドビュッシーのピアノ曲をお聴きください。
ドビュッシー:前奏曲集第1集「沈める寺」




リヒテルの演奏でお聴きください。ひと晩で大洪水によって呑み込まれたいう、フランスのブルターニュ地方に伝わる「イス」という都市の伝説をもとに着想された曲です。見えてきますよね。水の中に沈んだ大聖堂が。


7.第8回定期公演について


 このコーナーでは、延期となった定期公演に向けて日々活動をしている内容をご紹介するコーナーです。
 
1)振替となった定期公演のチラシ作り
 今回は非常に限られた予算になりますが、新しいチラシを作ることになりました。デザインはわたしが担当するのですが、こういったご時世です。一日も早い終息と皆さまのご健康を祈念した内容でお届けすることにいたしました。
 最終デザインが決まりましたら、まずは読者の皆さまにお知らせいたしますね。

2)練習は継続
 先週もしっかりと練習をしました。クレモナの場合まずは、トリオの練習でしっかりと作り上げてからコンミスのみーこと一緒に合わせをする。この間、ステージがないぶん思いっきり練習ができているので、11月の定期公演では今までにないクオリティでのステージになりそうです。楽しみにしていてください。

3)プレスリリース作業開始
 延期となったクレモナの定期公演の振替公演について、各社にプレスリリースをすることにいたしました。なんだかかわいそうだと思ってもらえるよう内容を吟味してから送付したいと考えております。
 このメルマガでも途中経過もご報告いたしますね。 


8.みーこのおしゃべりクッキング

 このコーナーは自炊女子みーこによる簡単レシピをお伝えするコーナーです。

 【一昨日のカレーのおうどん】

一昨日のカレーうどん

 材料は、
 ・一昨日のカレー
 ・冷凍うどん
 ・うどん出汁

 冷凍うどんを熱湯で解凍させて、うどん出汁とカレーを1対1で割ったカレーうどん出汁の中に投入。
 以上。

 お一人さまみーこがカレーを作るといつもこんな感じになります。本当は、ネギを入れたりすると良いのでしょうが、お一人さまなんで仕方がありません。というか、これ以上どうすればよいのでしょうか???
 ぜひアイデアがございましたら、みーこまで!!!
 来週はしっかりと自炊いたします!

9.あやめちゃんの園芸日記


 このコーナーは新進園芸家としてデビュー予定のあやめちゃんの園芸日誌です。あやめちゃんの作るお野菜はメルマガの読者の皆さまにプレゼントするので、楽しみに待っていてください。
 
こんにちは、ホルンあやめちゃんです。
今日は前回のトマトに次いで
新しい仲間ができたことをここに報告いたします。

きゅうりです!

あやめ①


頑張って育てよう、と心に決めておりました。この時は……(詳しくは次のメルマガで)

さて、ちなみにトマトですが1日1回欠かさずに水やりをやっています。なるべく午前中に水やりをするのがいいみたいですね。仕事の関係でお昼過ぎにあげたりしてしまうことがありますが、それでもとてもよく育っています。おばあちゃんには「トマトと相性がいいんちゃう」と言われるくらズボラな私でも順調に育てられています!(今のところ…!)

本日(4/9現在)新しい葉っぱが出てきそうなので思わず写真を撮りました。

あやめ③

(わかりにくいですが真ん中あたり)

私は今のところ水を与えるだけですが、ちゃんと育っているのがだんだん可愛く思えてきて、なかなか野菜作りを楽しんでいます。


10.ゆきちゃんのダイエット奮闘記


 このコーナーはフルートゆきのダイエット奮闘記。本日は大好きな食レポとなっております。

よしや食堂にて

 本日ご紹介するのは『よしや食堂』さん。場所は本拠地『ルーク・カフェ』を左に出てまっすぐ。一つ目の信号を左にわたって200m右手にお店はあります。
 なんとこのお店は、今時”黒電話”が置いてあるお店で、非常にレトロです。お店のオーナーのママちゃま(80代女性)はずっとクレモナを応援してくださっていていつもチケットを買ってくださっているお得意様です。
 お店には一応、メニューなんかもあるのですが、基本お任せの定食になっております。ゆきが行った時も何も注文を聞いてくれずに食べ物が出てきます。いちいちメニューを見て、何を食べるのか、考えるのが面倒なゆきにとっては、非常にありがたいシステムです。また、このお店もほっておくとご飯が大盛りとなるので、「少なめで」と予め言っておいた方が良いかもしれません。

 何が出てくるのかわからないドキドキ感がこの『よしや食堂』の最大の魅力。この日はあやめちゃんと一緒に「一口カツ定食」を食べました。アツアツほくほくのママちゃまのカツは絶品です。
 ちなみに、日曜はお休みとなっており、平日のお昼ぐらいに行くと営業されています。15時を過ぎるとお店の営業が終わるみたいですので、昼食時間にお越しください。(注意:昼のみの営業です)
 また、近隣にたくさん駐車場がありますのでそちらはご利用になれますが、非常に狭いお店ですので、大人数のお客さまはご遠慮ください。

11.監督かじくん名言集


 毎日Twitterであげております【365日監督かじくん名言集】から気になる言葉を選んでコラムにいたしました。

「色んな考え方を取り入れるから」

 『色んな考え方を取り入れるからバカな演奏になるんだよ。結局、聞いてくださる人を低く見積もっているだけでしかないよ!』
 
 この言葉も実に監督らしい言葉だと思います。自分たちの演奏について多くの意見を皆さまから頂戴します。そんな意見を一つ一つ取り入れたり考えたりするということって、結局は聞いてくださる人のことを低く見積もっているだけのような気がします。
 特にネットのコメント欄なんかを気にして”良い人って思われたい”と、つい考えてしまいます。そうやって、クレームや意見を聞き過ぎると表現のテイストが似てきて当たり障りのない作品になってしまうと思う。
 それって、制作サイドがみんな、リスナーや視聴者を低く見積もっていると同じで、いろんな立場の人の意見を聞こうとしているうちに、結果的に観客をバカにしたようなのもが出来てしまうんだろうなぁ、って思います。

 クレモナでは基本的に、他の出演者と一緒にコンサートをする機会がありません。私個人的にはあの楽屋の雰囲気が、好きではないんです。特に無駄なおしゃべりをしたり、スマホでゲームをしていたりする空気感がたまりません。はっきり言って「本ぐらい読めよ!」と、言いたくなります。
 インターネットのおかげで、以前と比べてさまざまな文化にアクセスしやすくなりました。これって、経済格差や地域格差がなくなっているように思える時があります。小さい時からいろんなアートや音楽に触れられる環境の子どもでなくてもクラシック音楽を生業にできるような時代になってきています。
 生まれ育った環境にかかわらず、社会が抱えている文化資本にどこからでもアクセスできるのですから、”こんなヤツいたのかよ!?”って、思われるような才能を、20代で磨き上げたい。だからこそ、自分たちの目で確認できないアドバイスは受け入れる必要はないと思うんです。
 クレモナは聞いてくださる人をもっと高く見積もって作品を作り上げたいと考えております。

12.保護ネコ「こんぶちゃん♂」の奮闘記


 このコーナーは子猫を年間で8匹も保護し里親さんにお渡ししているクレモナの活動を紹介するコーナーです。
 本拠地『ルーク・カフェ』には、保護ネコの活動資金とするべく【ほっけちゃん・こんぶちゃんグッツ】を販売しております。皆さまの善意が保護ネコの活動に役立てております。

たすけてくれいと文句を言ってます


  
 保護ネコの「こんぶちゃん♂」について本日もお話いたします。現在のこんぶちゃんは3.5キログラムと大きくなってきております。この時期は毛の生え変えの次期なのでしょうか、抜け毛がたくさんあります。本拠地『ルーク・カフェ』は一応飲食店ですので、ブラッシングはマスト、毎日数回のブラッシングをしております。さらに、抜け毛がきになるこの頃は、コロコロを使って、不要な毛をとるようにもしています。そのおかげで毛艶もよくフサフサしております。
 ぜひ、モフモフしてください。

お風呂上がりです.


 そんなこんぶちゃんの最近のお気に入りは風呂上がりのタオル時間。ゴシゴシとタオルでしごかれているのですが、なぜか気持ちの良い時間みたいです。(やっぱり変わっているなぁ~)

逃げようとするので一仕事です.


 入浴タイムは午後8時前後です。お時間ございましたら、その時間に本拠地『ルーク・カフェ』にお越しください。

編集後記


 ほんと毎日、コロナの話題ばかりの日本です。(おそらく世界中でも同様かと…)本来は自粛の必要のない、2~3人での個室での会食までキャンセルになったり、必要以上に恐れているのって不思議な社会というか、この何とも言えない同調圧力に身悶えしております。
 そして、多くの演奏家は中止になった演奏会について嘆いているだけです。そこから新しく何かを始めたいと思っても、SNSでのコメントを気にしたりして前に進めなくなっているように感じる時があります。
 さらに、これからの演奏家は「引き受ける」仕事は激減すると思うんです。というより、旧来の常識や安定志向は通用しなくなりました。グローバル勢力が押し寄せた結果、音楽であっても仕事は「作るもの」へと主流が移りつつあります。
 誰もが「引き受け」てばかりで、自ら「作る」ことを軽視したり、疎んじてきた付けが昨今のクラシック音楽の閉塞感の遠因のように思えてなりません。だとしたら、今のままの状態で私たちは「人生を変える」ことができるのでしょうか?現状では難しいように思えてなりません。
 新型コロナを機にもう一度、演奏家としての仕事の在り方について、見つめ直していきたいと考えております。


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ぴかりん 26歳(女子でありたいです)
 私の祖母は女性ですが、あだ名は「菅原文太」です。以前まではパンチパーマだったのですが、最近角刈りにマイナーチェンジをしました。そんな文太にあやかって本日は、ポーランドのおばあさんのお話をします。




 この人はショパン研究所のZofii Chechlińskiej教授で、ドキュメンタリーの主役です。動画の内容はショパンの自筆譜を研究している学者の調査を迫った番組です。
 この動画で印象に残ったのは、19世紀後半は、即興を入れて演奏するのが当たり前だったこともあり、さまざまな楽譜がのこされているのは当たり前であり、最も正しい楽譜がどれなのかという発想すらなかったということらしいです。ということは、”間違い”とか、”真意”を見極めるのはとても難しいとも言えます。
 でも、私は多くの演奏者の意見として、「ショパンは自筆譜に当たれ」という意見を聞いたことがあります。いったいどういった背景で、このことをいわれたのかは不明ですが、この動画を見ると納得することが多いので、ぜひ多くの人に見てほしい動画です。
 また、この動画でながれているピアノはショパンの愛した「エラール」という古楽器による演奏です。これもぜひ、多くの人にきいてもらいたいなぁ。

『ルーク・カフェ』 ローストラボ クレモナ
【クレモナ】モダンタンゴ・ラボラトリ

〒563-0041 大阪府池田市満寿美町13-7
Phone:072-752-7188
cremona_luke@yahoo.co.jp

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