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ダブリン方丈記

ずっと書こう書こうと思ってたテーマ。

唐突ではありますが、この記事は私のスペイン人パートナーがダブリン滞在中にFacebookに投稿していた「ダブリン体験記」のリメイク版です。

まず、ダブリンの住宅事情ですが、めちゃめちゃ悪いです。

あくまで当時(2013年頃)の情報にはなりますが、今もあまり変わってないんじゃないかな...。とにかく高くて(日本の東京と比べても高い)良い物件はほぼ空きがないので、現地の人も含めて多くの若者はシェアアパート(友人・他人とアパートをシェア。キッチン、トイレは共同)を利用します。

少し良さそうな物件となると、内覧のために長蛇の列ができ、入居希望者は収入面で厳しくジャッジされます。

つまり、高収入でその場で高額のデポジットを払える人しか良いアパートには住めません。

そんなラットレース?の様相を呈したダブリンで1年間学生サポートの仕事をすることになり、私は単身東京からダブリンへ引越しました。

働くといってもパートのようなものだったので、収入もパート+住宅手当ほど。

個人情報を扱う関係で会社からは「シェアアパートではなく一人暮らしの物件」という条件を出されていたので、結果ダブリンでも一番小さいんじゃないか?という極小物件に住むことに。

そこへ私を追う形でスペインからパートナーがやって来ました。

基本的に家が広い&狭いアパートに暮らすなんて非人間的だ、と考えられているスペインから来たパートナーにとって、このアパートはかなり衝撃的だったようです。

以下、当時の彼のFacebook投稿の日本語訳です。

困難な状況をユーモアで乗り切るラテン精神を感じていただければ。

みんな元気?これは「ダブリン体験記」の第4章(ロングバージョン)です!今週は超、超、超、超常的なテーマについてお話しします...それは、今住んでいるアパートについて!!!
僕達はダブリン南部にあるアパートに住んでいます。ベッド1つ、部屋1つ(バスルームは離れている)、キッチン1つ、火災警報器1つ、窓1つの快適な物件です。
スペインでは、30平米のアパートに住むというと「残念だね」とか「そんな環境で人間は暮らせない」などと言われるものです...そこで、僕達のアパートをメジャーで測ってみました。3.5 X 4m、つまり14平米でした。半分以下...!!!
キッチンとその友人、火災警報器についても触れておかなければいけません。キッチンには素晴らしいコンロがあるのですが、非常に奇妙な安全装置が備わっています...4口コンロなのですが、1口の火しか使用することができません。つまり、同時に複数の火を使うことはできません。これが一体何を意味するのか、実際にその状況になるまで分からないでしょう。
しかし、主な問題はオーブンにあります。オーブンから何かを取り出そうとするたびに、火災警報器が鳴るのです。そのため僕はエンジニアとしての知識を最大限に駆使して、解決策を思いつかなければなりませんでした...。つまり、オーブンから何かを取り出している間は窓を開け、ドアを継続的に開閉することによって風を送り、熱せられた空気を冷やし、火災警報器に「火事ではない」ことを認識させるのです。
このアパートの最後の超常現象はWM(Washing Machine...つまり洗濯機)です。洗濯機は隣人と共有で、毎回2ユーロを支払わなければなりません。ただし、これは上手くいった場合に限ります。なぜなら、WMは時々洗濯の途中で動きを止めるので、その場合「応援」のために2ユーロを追加で支払う必要があるからです(このWMは守銭奴に違いありません)。
最後に、このアパートがとても悪いと思われたくないので、良い点を挙げます:
- ダブリン中心部にあります。
- 安いです(ダブリンにしては)。
- ここに住んだ後は、素敵なアパートを見つけやすくなります。
今のところは以上です。来週はもっと「ダブリン体験記」のニュースをお届けします!

追記すると、このアパートにはホテルの客室にあるような超、超、小さな冷蔵庫が備わっていたのですが、夏の初め(一番冷蔵庫が必要な時期!)に故障し大家に連絡したところ「故障する訳がない」と一蹴された上、シャワーの水が止まらなくなったり、トイレタンクが水漏れするなど水周りのトラブルが日常的に発生していました。作りが甘いみたいで、修理してもらっても完全に直らないんですよね。

私も何度も精神的に追い詰められましたが、限られた期間の滞在だったし予算的にも引越しが難しかったので、ラテンの精神に救われながらなんとか1年間ここに住みました。

ダブリンの素敵生活をお届けできなくてなんだか残念ですが、ラテン精神を学べたこと、「戦友」のような感じで二人の絆が深まったこと、日本のアパートは狭いけど「水周りが素晴らしい!」とパートナーが気に入ってくれていることはこの経験を通じてだと思うので良かったかなと思います。

「人生ネタ」とはよく聞く言葉ですが、確かにネタだと思えばおいしい?ネタを仕入れることができたのかもしれません。

以上、私と彼の「ダブリン体験記」でした。


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