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ドタバタ米国留学記 #4 英語で授業  

念願叶って24歳でロサンゼルスの語学学校へ留学するものの、出発したその日から「ろくに準備もせず出国してしまったことを大いに後悔する」っていう、先が思いやられる衝撃のはじまりからの、英語まみれの授業、寮での生活、クセのある人々など、たった16週間に起きたおもしろエピソードをたっぷりと綴ります。

貧しい英語力

レベル1のクラスで最初に受けた授業は「to 不定詞」で、それも中学レベルの簡単な内容でした。
でもそれが、全て英語となるとわけが違いまして、問題文がわからない、答え方 (言い方) がわからない、「わからない」の英語がわからない、っていう、わからないのオンパレードで初日からプチパニックでしてね。
とはいえ、教科書の問題は全問正解なので、それを見たクラスメイト (日本人以外) は「なぜこのクラスにいるんだ」って言うわけですよ。
たぶん「 to 不定詞 最後のまとめ問題を、来てすぐの君がなぜ解けるのか?」みたいなことだと思います。

逆に、これ出来ないの?って思うんですけどね、こっちからすると。

授業は基本、教科書があり、それとは別にプリントが配られてそこにある問題を解いていく、というものでした。
で、その答えを発表していくっていう、内容は日本のやり方とあまり変わりはありません。
机は、椅子と一体型のデスクチェア (椅子にちっこい机がくっついているデザイン) だったので、「テレビで見たことある!」とまぁまぁ興奮しましたね。
アメリカの授業、って感じで、これだけでだいぶテンションが上がりましたよ。

日本の英語の勉強では、インプット系「リーディング (読む) & リスニング (聞く) 」とアウトプット系「ライティング (書く) & スピーキング (話す) 」とで分けて行うのが良い方法といわれていますが、ここでは「リーディング&ライティング」「リスニング&スピーキング」の組み合わせでした。
経験してわかったことですが、こっちの方が断然やりやすいですね。
動きとして、こっちの方が理にかなっていて覚えやすい。
日本はどうしても「文法を重視する」傾向にあるので勉強のやり方がそうなるんだと思いますけど、会話では大して役に立ちません。
もちろん「日本人は文法がしっかりしている」と褒められるのは確かです。文法だけならワタシでもレベルはもっと上のクラスですから。
でも、初級レベルに必要な『英語を母国語とする人からの簡単な質問や指示が理解でき、簡単な日常会話ができる』が出来ないので、否応無いやおうなしに、レベル1クラスに決定したわけですね。

日本人は、文法が出来ても会話力ゼロ、発音もダメダメなので「何を言っているのかわからない」と言われてしまうんですよ。
だから、他の国の人から「文法が出来るのに、どうして話せないの?」と、ものすごく不思議がられます。

日本と文法が同じ韓国の人は、発音が上手な人が多かったですから、勉強の仕方が違うんでしょうね。
韓国語と英語の発音は類似点がいくつかある、っていうのも大きいんでしょうけど、日本語は音もリズムも全く違う上、口や舌の動かし方から違いますから、「発音を正しく学んで身につけないと通じない」っていうのをまず知っておかないと、いくら英語の成績が良くてもダメ。
これが、アメリカで強く感じたことでした。


(月)〜(金) の午前中の授業はこんな感じで ↓
①grammar (文法)
②writing & reading
③listening &speaking
それぞれ担当の先生は異なります。
午後はフリースタイル (応用) というか 、自分で授業を選ぶことができました。
イディオム(熟語や慣用句)クラスや TOEFL&TOEIC 対策のクラスなんかもあり、自分が受けたいクラスをチョイス出来る、っていうものでした。授業を受けたくてもレベルが追いついていないとダメですけどね。

ワタシの場合、授業は常に辞書を引きながらで、最初のうちはわからない単語が多すぎて辞書しか見ないで終わる、なんてのが普通でした。
教科書やプリントの内容とか以外の、先生が言う言葉だのをメモしておいて後でまとめて調べるとか、そういうのが多かった気がします。
reading の授業は長文読解で死にそうでしたし、speaking なんて口からなんにも出てこなくて地獄でしたから。

とにかくはじめのうちは毎日必死で、人の口ばっかり見てましたよ。
なんて言っているのか?
R なのか? L なのか?
特に授業中は、一番前の席に座って先生の口元をガン見しました。口の動きをよく見て、耳で音 (発音) を聞いて、声に出してマネをする。
こればっかりやってましたね。

こんなこと言ったらアレなんですけど、ワタシは文法も苦手だし、会話は映画とかを見て覚えるタイプなので、授業の内容が頭に入るとは思えないんです。
なんで語学留学した?
って言われそうですが、ワタシ、学校は好きなんですね。
昔から、勉強は好きじゃないけど、学校は好き。
何でしょうね、これ。
食べるの好きじゃないけど、料理は好き、みたいな?

学校に通うのが好きなんですよ、たぶん。
1日のタイムテーブルを全て終えると達成感が得られるから、だと思います。
達成感が好きなんです、ワタシ。
学校は時間割が決まっていてやることもわかってますから、その日やることを終えれば ミッションクリア ですからね。

ってな具合に、学校に通えているこの状態はとてもうれしいので、それは満喫出来ていました。
ただ、この乏しい英語力はなんとかしたいと思うわけですね。
授業がスタートして思ったんですけど、読む、書く、聞く、話す、を全部やろうとすると全てが薄っぺらいまんま帰国、になりそうなので、今のワタシのレベルなら「日常の基本表現を理解し、簡単なやり取りができる」ようになれば御の字じゃないか?と考えまして、留学中のこの短期間で達成すべき目標をこう定めてみましたよ。

『正しい発音を習得する』

会話や文章の組み立てよりも、単語の音を正しく出すことを学ぼうと思ったんです。
ワタシは進学するわけでも、ビジネスで使うわけでもないですからね。
「英語力の上達」を目指す前のレベルだし、「基本的な英語力を身につける」ことをまずしないと、と思いまして。
本当は、アメリカに来る前に基本的な英語力を身につけておくべき、だったんです。
「基本的な英語力があるのとないのとでは上達のスピードが全然違う」っていうのは来たからわかったこと、ではあるんですけどね。
行きゃ〜なんとかなるだろう、って思ってましたから。
でもそれじゃ、もったいないです、マジで。

授業が終わって部屋に戻ると、日常生活に関係するものや感情を表す言葉なんかの単語を調べ、会話のフレーズを書き出して覚える、というのを毎日やりました。
ほんと、ボキャブラリーがなさすぎて、準備不足の自分を懲らしめてやりたいと思いましたよ。

でもこれが、少しずつですけど、会話が理解出来るようになっていくんです。
「わからない時はわからないと言う」とか「知らない単語は意味を尋ねる」とか、色々やりながら、ちょっとずつ。
でも一番は、「こういう時なんて言ったらいいの?」っていうのを、日本人の友達に聞けたのが大きかったと思います。

例えば、「わからない」と答える場合
知らないことを相手に即答する時は 「I don't know.」
相手に尋ねられたことに対して「わからない、思いつかない」と答える時は「I have no idea.」
と教えてもらいました。
授業で「わかりません」と答える時は「I have no idea.」を使う、と知ったわけですね。

日本人の友達

異国生活がはじまってから、しばらく緊張状態で学校生活のリズムになかなか慣れない中、カフェテリアではまぁまぁリラックスして過ごせていたのは、日本人の友達の存在あってこそです。
授業では英語オンリーなので、そうじゃない時くらいは母国語を話したいですからね。
だから英語が上達しないのかもしれませんけど、ワタシにとってはこれがすごく大事だったので。

カフェテリアでは寮生活している人たちが食事をするんですけど、そうじゃない人も入れるので休憩所みたいになっていて、ランチタイムは特に賑やかになります。
最初のうちは、空港から相乗りで学校へ来た子と行動してカフェでの食事も一緒でしたが、友達の友達がどんどん増えていくのと同時に、カフェで顔見知りになる人が多くなるので、たった数日でいろんな人と「ハ〜イ」と挨拶を交わすようになり、テーブルを共にするメンツが入れ替わったりして、それはそれは楽しい空間でした。

そんな中、到着の日に出会った寮の階段に座っていた「どうみても東洋人の男性」が、同じ日本人留学生だったというのを知るわけですよ。
彼の名は、ナッシュ (あだ名) 。
バリバリの大阪弁をしゃべる、ナイスガイです。
彼は4月から来ていて、アメリカで大学に入学するためにここで勉強しているそうで、「日本語は使わないと決めている」という、芯が強くブレない男でしてね。
ワタシよりも6つ?も年下だというのに (この時たしか18歳) しっかりしてるのなんのって。
この他にも彼と同じタイミングでスタートしているメンバーが多々いまして、彼らは12月中旬までの32週間プランで来ている、ということでした。
ワタシは、このメンバーたち ↑ ととっても仲良くなるわけです。

帰国するまで共に過ごす色濃い日々を、これからタップリお話していきます。


つづく・・・


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