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不耕起とフィンランド症候群

なるほど、まさにって思ったのだけれども、まずは不耕起について。

ゲイブ・ブラウンが著した“土を育てる: 自然をよみがえらせる土壌革命”という本にいろいろ書かれているけれど、つまり自然任せ。人の手によって余計なことをしないことこそが不耕起だと言える。
まあ、アメリカ人が言うまでもなく、そのずいぶん前に日本で言えば木村秋則の“奇跡のリンゴ”がそれにあたるのかなと思う。
農薬頼みのリンゴ栽培からの転換は豊かな森に寝そべってみた時にその木々は誰の手も借りていないのに豊かである、ということに気づいたことにある。
長い年月を掛け“不耕起”を実践することで美味なリンゴが収穫できるようになった。

対して・・と言うわけでもないけど、フィンランド症候群。
これは1974年にフィンランド保険局が実施した15年くらいの長い時間をかけた実験で、内容は40-45歳の上級職員600人を対象に定期健診・栄養学的チェック・運動・タバコ・アルコール・砂糖・塩分摂取の抑制指示に従うように依頼し、つまり健康的な生活を押し付けたグループと同時に、同じ年頃で同じ職種の600人の別グループをつくり、こちらには何の指示も与えず、調査票の記入だけを依頼した。まあ、気ままな生活にまかせたから、あまり健康的でない生活になってしまうのも仕方ないと考えていたが、両グル ープの観察を常識的に考えると、前者の方が健康で長生きしそうに思えたが・・15年後に調査すると、後者グループのほうが心臓血管系の病気・高血圧・ガン・各種の死亡、自殺、いずれについても前者グループより数が少なかったそうだ。健康に気をつかっていないほうが、病気もしないし、死亡率も低かったのだ。それは、心の問題が身体に 影響を及ぼした結果なのだろう。タバコを吸いたいのに規制され、アルコー ルや砂糖も欲しいのに制限されることによって、精神的には大きなストレスが加わる。心が健康でいられなくなったわけで、それが身体に影響し、病気 になったり死を招いたりしたのである。ガチガチの健康管理が、かえって健康を損ねると言うことだった。

不耕起、フィンランド症候群のいずれも、つまりは過度な管理が良くない諸々を引き起こすきっかけにもなりかねないと言うことで、自然に則したやり方、あり方こそ“自然の一部である人”にとって大切であって、それに勝るものはないということなのだと思う。

与えたり、管理したりそれらを過度にやりたい大人が多過ぎる。そしてそれを取り巻く法律をはじめとした縛りを設けたがり過ぎる。それによって何らかの問題に目配せしていると言いたいのだろうが、それが解決に導かれたことなどあったろうか?むしろその逆なのでは?と思うわけです。
ここのところずっと、ジタバタ無駄な動きは危険だと思っていて、それはこちらが何をしても意味がないと言っていると批判されることもあるのだけど、そうではなく、こちらがどんなに変わって欲しいと懇願しても、社会に気運や機運が上がってこない限り無駄だと言っているわけです。で、それがいつ来るかは残念ながらどんなに予測しようとしたってまず無理でありますから、それが自分の人生の中で来るならばそれがいつ来ても良いように準備はし続けておくということでしかなく、残念なことに自分の人生の中でそう言うタイミングが訪れなければ“無念”と言うことでしかない、と思っています。
ただ、歯痒いのは社会にある風潮はどこまでも手っ取り早くとかもっと儲かるとか手間暇を惜しみ尽くした言説が大半を占め、過去大切だった多くを切り捨てたり、そっち側の都合ばかりを当たり前の常識と言わんばかりに押し付けてくることでしょうか。
我々が最近使う“多様性”みたいな言葉に同じく、もともとが我々の想像を超えた多様性しかないこの地球に、改めてくだらぬ多様性を言ってみたりといったことがまさにそれらに通ずるものではないかと・・

Fast Grow Conference 2023を眺めながら苫米地英人のYouTubeを眺めながら、朧げに考えつつ、<0と1の間にあるアート> 養老孟司×布施英利と言う17年の横浜トリエンナーレで実施された記録映像に聞き入ってしまい、気づけば14時に・・

それにしても彼の思考は、本当に面白くまた深くてまさになるほど!と思うことが多々ありますが、アートが“現代社会との狭間における解毒剤”的役割を通り越しデジタルに浸潤していく様子がここのところ加速しているように僕には見え、またそれが故に随分チープになっているなと思っている。
“アートがデジタル”なのか“アートにデジタル”がなのかはわからないけれど、浸潤に“資本”が強力に寄与していたり、また時代の流れでもあろうと思うけれど、何れにせよそういったことが見る側に浸透し過ぎ、また制作側にも浸透し過ぎた結果としてのアートにはあまり面白味がないと言うふうに見えて仕方ない・・

毎度、あっちこっちに話が飛散してしまって何を言ってるか伝わりづらいのではないかと思いますが・・ご容赦を😂
写真は鈴懸の道明寺。これはTHE SAKURAMOCHIです。機会があったらご賞味あれ。

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