見出し画像

ミレニアルズの生きづらさ、どうやって解消する? - ミレニアル世代のデザイナーがアイディアを考えて検証してみた

こんにちは!FLAGS - ミレニアルズの生き方研究所 - です。

FLAGS - ミレニアルズの生き方研究所 - は、富士通株式会社デザインセンターに所属する20代後半~30代前半(ミレ二アルズ)のデザイナー6名が進めるプロジェクトです。

前回の投稿では、アイディア展開の前準備編と言うことで、問題点を「どうしてそうなっているのか?」というWhyの観点でさらに分析・整理し、課題仮説として深掘りしました。このプロセスを経たことで本質的な課題を捉えることができ、次のアクションとして、より課題を解決へと導けるアイディアを出すことが可能になったと思います。

今回は、私たちが課題解決に向けたアイディアを考え、実際の検証まで行った様子をお伝えしていきます!

アイディア出し ‐ あらゆる可能性を探る

画像1

前回の投稿で問題を深掘りして出された課題は以下がありました。

<問題>
1. 軸(ex. 価値観や信条、モノゴトの判断軸)は皆が潜在的に持っているが、
それを認識できていない
2. 軸を他者に共有しづらい
3. 自身の軸に沿って生きていくために、より確実なアクションを実行したいが、確実なアクションが何かわからないから動き出せない
<課題>
・自身の軸について考え、言語化する機会を創出する
・自身の軸を言語化・ビジュアル化する
・周囲の人に開示できるような情報の伝え方をする
・「やってみてダメだったらまた考えてもう一度やってみよう」という
マインドをつくる
・似た軸で生きている人を参照できる仕組みをつくる

ミレニアルズの生きづらさの要因と思われるこれらの課題にアプローチするアイディアを考えていきます。

アイディアイメージ

このアイディア出し、一般的に「ブレインストーミング」と呼ばれる段階では、課題解決に向けたあらゆる可能性を探るため、まずは「質より量」でアイディアを検討します。

上にある図は検討したアイディアをまとめたものです。一見アイディアの量が多いように見えますが、これらのアイディアには似通っている部分もあり、共通する観点があるようです。そこでHow(どのように解決するのか)の観点で以下の4つに分類しました。

1. 軸を診断したり、可視化することをサポートする
2. 軸を定めるための情報収集・発信を可能にする
3. 軸の良し悪しを判断するための知識を蓄える
4. 軸を定めること自体を体験を通じてサポートする

この分類を元に、今度は「量より質」で、仮にサービス名やテーマ、ターゲット、利用フローなど詳細を設定しながら、アイディアをブラッシュアップしていきます。すべては紹介できませんが、例えばこんなアイディアがありました。

1.軸を診断したり、可視化することをサポートする

自分備忘録

4. 軸を定めることを体験を通じてサポートする

じぶん探し旅

分類は出来たものの、まだ数は多いアイディア。さらに収束させていくため、FLAGSメンバー間で「単純にあったらやったみたい」「課題解決に有効そう」「独自性がある」「共感する」という観点で、直感的に良いを感じるアイディアへ投票を行いました。

アイディア時点で「直感的に良い」と感じないものは、具体化をしても他と差別化できるような良いサービスになり得ないためです。
この投票で、特に得票数の多い5つのアイディアに検討を絞りこみます。

UXフロー - サービスにおける体験の流れを描く

「曖昧になってしまいがちな軸を明確にしていくことで、ミレニアルズの生きづらさは解消できるのか?」

アイディアのサービス化を目指し、まずはサービスをプロトタイプ(体験できる程度に簡易に試作したもの)として検証するため、絞られた5つのアイディアを「UXブループリント」に落とし込んでいきます。

UXブループリントとは、「サービスがユーザーに提供されるまでのプロセス」を、サービスの受け手の感情や、サービス提供者・システムの動きと合わせて時系列で視覚化したものです。

サービスの現状を正しく把握・分析し、検証から上がってきている課題はどこか、改善の余地はないかを考える際、またそれらの情報を組織内で共有する際に特に有効に活用できます。

UXブループリント_2

UXブループリントを完成させることで、検討したアイディアのプロトタイピングを実施することができます。

プロトタイピングをせず、サービスの完成を目指して開発を進めてしまうと「何か使いにくい」「必要な機能を実現できない」など、プロジェクトが進んだ段階で修正困難な問題が発生してしまう可能性があります。アイディアを作り込みすぎずカタチにし、「短時間・低コスト」で素早く検証を回すことは、サービスの検討において非常に有意義です。

みなさまにも疑似体験いただけるよう、実際に私たちがプロトタイプとして検証したアイディアを映像化しました。
「課題仮説にアプローチできているのか?」という観点を持ちながら、ご覧ください。

5つのアイディアとそのサービスプロトタイプ

1. FRIENDS TALK

人生観、価値観についてのトークテーマに沿って友人との会話の機会を提供するトークアーカイブアプリ​です。
・普段は敬遠しがちな人生設計やお互いの価値観について、友人と話をする機会を提供します。
・関心のあるテーマについて語っている知らない友人同士の会話のアーカイブをPodcastの様にスキマ時間に聞くことで、似たような価値観で生きている人の生き様を参考にできます。

2. 花束を君に

■ 誕生日などのイベントで友人や家族、大切な人を祝う際、その人のイメージの花言葉を選んで花束を作り、贈ることができるサービスです。
・他の人が持っている自分のイメージが見えることで、内省(自分の価値観や軸を顧みる)のきっかけを作ります。
・オンラインでも対面でもない、花束を贈ることを通して、軸のヒントを与えあう機会を維持します。
・花束の贈り主へ届いた花束の共有を促し、お互いが持っているイメージ等について会話するきっかけを作ります。​

3. A CUP of COFFEE

■ 思考に適しているといわれる「散歩」と「カフェでお茶をする」という日常の行為に対して、見慣れた物事・風景を別の角度で捉える「問い」を投げかけることで、自身の内省を促すサービスです。​
・問いかけに答えるという、自身を振り返る機会を提供することで軸の明確化をサポートします。
・内省実践の結果を各種SNSで共有しやすいように、体験のまとめを画像で提供します。

4. 年輪

■ 価値観について考えを深める質問に定期的に回答することで、今の自分を構成している価値観や考えが年輪として可視化される​サービスです。
・自分の大切にしている価値観や考えは何か、それは変化していくのか変わらないのか、年輪の変化を見ていくことで自分を振り返る”きっかけ”や”気づき”を与えます。

5. "Ji"Syukusai

■ 価値観の言葉のリストから今の価値観に相当する選び、その価値観のイメージの花で構成された花束が送られてくるサービスです。
・花束を通して自分自身の価値観を肯定することを、自らの「祝祭」と捉え、ポジティブに価値観を考える機会を作ります​。
・花束や価値観についてSNS等でシェアし、反応もらうことで肯定感を高めたり、なかなか話題にしづらい価値観について話す​きっかけを作ります。

プロトタイピングで検証して分かること

サービスプロトタイプとなった5つのアイディア、いかがだったでしょうか?

「実際にあったらやってみたい!」「共感する」「これで解決出来ているんだっけ?」などなど、ご意見についてはコメントぜひお待ちしております。

プロトタイピングをすることで検証できるポイントは大きく4つあります。

・ユーザーの課題解決を図ることができているか?
・サービス供給者側が提供したい価値やベネフィットを実現できているか?
・技術的に実現可能か?
・サービスとユーザーの接点での体験(タイミングや量、快適さ等)が
適切か?

サービスの運営側となり、プロトタイプを体験してみることで、沢山の気づきがありました。「投げかけられる質問の数が多くて答えるのが大変」「そもそもシステムとして実現可能なんだっけ?」「考える時間が短くて、価値観深めらないかも…」など…

今すでにある位置情報サービスや、メッセージサービスを活用しながら、サービスのアウトプットの画像などを簡単に試作したのみで、ほとんど費用をかけず、有効性を検証することが出来ました。

「アイディアはある。でもそれを具体化するには…?」と悩んだ場合、サービスとしての体験の流れに落とし込み、簡単にプロトタイプをしてみると光明がさしてくるかもしれません。

さて、この5つのサービスプロトタイプの映像をもとに、ミレニアルズだけではなく、幅広い世代に印象アンケートを実施してみました。
次回はそのアンケート結果の考察と、私たちがどのようなネクストステップに進むことにしたのかをお伝えしていきます。


※掲載内容はFLAGSメンバーの見解であり、富士通グループを代表するものではありません。
※本記事に掲載したサービスアイディア、それを表現する動画の著作権など諸権利はすべて株式会社富士通に帰属します。

#ミレ二アルズ #若者 #生き方 #デザイナー #アイディア #UX #プロトタイプ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?