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生きづらさを解消するヒントを見つける - 仮説から始まるエトセトラ

こんにちは!FLAGS - ミレニアルズの生き方研究所 - です。

FLAGS - ミレニアルズの生き方研究所 - は、富士通株式会社デザインセンターに所属する20代後半~30代前半(ミレ二アルズ)のデザイナー6名が進めるプロジェクトです。

前回の投稿では、「私たちが自分自身で人生をより生きやすくするために、等身大の課題や価値観をオープンに、やわらかく、伝えあえる。」というテーマを選んだ理由とメンバーの思いについて書きました。
今回は生きづらさの原因について仮説を立てて、デプスインタビュー調査を行った結果をお話ししようと思います!
(今回は超大作です…お付き合いください)

生きづらさと上手く付き合いながら生きている人

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テーマも明確になったし、さぁ!活動を開始しよう!
…と意気込んだのは良かったのですが、テーマがあまりにも漠然としているので何をすべきか困ってしまいました。

困ったときは初心に返る。ということで、メンバーでプロジェクト企画をしているときの我々の思いを以下のようにまとめて振り返ってみました。

グローバル化も、少子化も、地球温暖化も、コロナの感染拡大も、私たちの予想は裏切られるばかりで大変だよね。
こんな変化が多いにもかかわらず、自分の日常や人生の筋書きを、自分でデザインしていかなければならない多様で複雑な社会だよね。
こんな状況だと、過去に答えが無い新しい課題にこれからどんどん直面していくはず。
その新しい課題に1人で立ち向かっていくのはぶっちゃけ大変。
ミレ二アルズは若い世代の先頭に立ってこれからを作る世代。
自身で人生をデザインして生きていくために、
新しい価値観を許容でき、仲間を見つけたり、多様な時代に選択肢を増やせるよう、共通の知を増やせるといいよね。

重要なのは「自身で人生をデザインする」ことです。誰かが決めてくれたレールなんてもうないし、何が正解かわからない。だからこそ自分でデザインする必要があるよね、と。
この前提で改めて周りを見回すと、生きづらさを感じているんだけど、その生きづらさと上手く付き合いながら生きている人がいることに気づきました。
きっと「人生のデザイン」がしっかりできているから、生きづらい世の中でもうまくやっていけるのではないか?
であれば、人生のデザインをうまくできている人とそうでない人の違いを明らかにすれば、生きづらさを解決するヒントを得られるかもしれない!と私たちは考えました。

何が彼らをそうさせるのか? - まずは分析してみよう

人生デザインをうまくできている人とそうでない人の違いを明らかにする。
まずは人生デザインをうまくできている人とそうでない人の違いをメンバーで思いつく限り列挙して分類してみました。

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人生デザインがうまくできている人は、人生の流れそのものを楽しんでいるのかもしれません。あえて詳細な目標を決めずに実績を振り返ってざっくりした目標を決めているという話を聞いたことがあります。
また、参考にできる人がいるのかもしれません。自分が悩んでいることを相談して、適切な解を得ることができれば人生デザインはうまくできそうな気がします。自分の境遇に近い人やメンターがいる可能性がありますよね。
これら以外には「学歴や金銭的な余裕など土台がある」や「選択肢や許容範囲が広い」などが挙がりました。

一方で人生デザインがうまくできていない人は、そもそもデザインする余力がない可能性が見えてきました。仕事や家事が忙しくて自分自身のことを考える余裕がない、というのはメンバー全員が共感したポイントでした。
また、得られる情報が多すぎるあまり判断できない可能性も考えられます。InstagramやTwitterをはじめとするSNSでは様々な意見や考えが日々大量に流れています。どれが正しくてどれが正しくないのか…多様性を考慮するあまり正解を決められないという意見や、「すべてはブームだ」という冷めた目で見てしまって長期的な視点で物事を考えられない、という意見もありました。
その他には「理想の軸が描けない」、「移り変わりが激しい時代を見通すことができない」、「共有・相談・発信ができない」などが挙がりました。

仮説: 人生デザインをうまくできる人とできていない人

先ほどの議論を踏まえ、人生デザインがうまくできている人とできていない人それぞれに対して以下のような仮説を立てました。

【できている人の仮説】
1. SNSや身近な存在に同じ価値観を持つ人がいて、そのコミュニティに所属しており、共通点が多い人を参考にできたり、相談することができるから。
2. 失敗を恐れない性格や時間的・金銭的余裕、成功体験、教育など自信の根拠となるモノを持っているから。
【できていない人の課題仮説】
1. 自分の人生を考える時間的・金銭的余裕がないから。
2. 相談できる人の不在や情報過多による取捨選択の難しさによって考えることが難しいから。

私たちの仮説ができたので、次はこの仮説を検証するフェーズです。
私たちはターゲットユーザーであるミレニアル世代とその前後の世代にデプスインタビューを行いました。

君と僕とは別の生き物だから - 仮説を立てたらインタビュー!

ということで仮説検証フェーズです。
仮説検証には様々な方法がありますが、今回はデプスインタビューで実際に話を聞いてみることにしました。

デプスインタビュー
インタビュアーと対象者が1対1で行う面談式のインタビュー。質問を通して深堀していくことで、本人さえも気がついていない深層意識の中にあるニーズや要望を抽出する方法です。

デプスインタビュー概要
- 対象者: ミレニアル世代を中心とした20~30代の男女
- 被験者数: 21名(男女比=8:13)
- 所要時間: 約60分
- 質問項目:
 - 対象者の属性
 - 仮説への共感度合い
    - 人生をデザインすることがてきている場合はその決め手や具体的な取り組み
    - できていない場合はその原因

インタビュー結果のサマリがこちら。簡単に見ていきましょう。

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まずは対象者を、
- 人生をデザインすることは重要だと思っている/思っていない
- 人生をデザインすることができている/できていない

の4象限に分類してみました。

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人生をデザインすることが重要だと思っている人が圧倒的に多く、全体の8割を超えます。
重要だと思う理由としては以下のようなコメントがありました。


- 目標やありたい姿が決まっていれば逆算して今なにをすべきかがわかるから
- 思い通りにならなくても、その度にどうなりたいかを考えることで変化に対応できる


など、人生をデザインすることで今もしくは少し先のアクションを決定できるからという観点が多いようでした。
しかし、「決めることは重要だが、かっちり決めすぎるのもよくない」などの変化に対応できる決め方が重要という意見もありました。

一方、重要だと思わない理由としては、


- この時代にガチガチに設計すると変化に適応できなくなるから
- 人によって、またその時々によって人生デザインが不要な場合もあるから

など、決めることが必ずしもポジティブな結果を導かないという観点が多いようでした。

次に人生をデザインすることができているかどうかに着目してみましょう。

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デザインすることができている人は全体の6割強でした。人生をデザインするうえで決め手になったこととして、

- 年齢や人間関係
- 堅実的かどうか
- 自分だからこその視点があるか
- 失敗してもいいマインドだから
- なんか面白そうと思える気持ち

が挙がりました。
年齢や人間関係という、外的な要因が挙がっているのは非常に興味深いですね。これは結婚や出産といったライフイベントが起因しており、特に女性に多い意見でした。
また興味深いのは「人生をデザインすることは重要だと思っていない」が「人生をデザインすることができている人」は、失敗してもよいからといった極めてポジティブかつリスクを顧みないマインドが起因しています。
これは人生をデザインすることが重要ではなく、変化に適応し続けることが大事だという先述の回答と相関しているように思います。

さらに人生をデザインすることができている人たちが取り組んだことを見てみましょう。

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デザインするうえで重要なのは自己分析や線表作成など、自身を振り返り可視化する内省的な部分と、周囲の人の話を聞いたり興味ある分野について調べるなど、参考となる情報を収集することの2つが重要そうですね。

では今度は「人生をデザインすることが重要だと思う」が「デザインすることができていない」人を見てみましょう。
この属性は全体の3割ほどです。彼らが人生をデザインするうえで問題になっているのは、

- 自分に自信がない
- 身近に参考になる良いモデルがいない
- スキル/経験が不足している
- 人脈がない

が挙げられています。
スキルや経験も含め自分に自信を持てず、それでいて何をすべきかの参考にするよいロールモデルを見つけられないことが大きな要因のようです。
価値観が多様化し細分化された現代において「自分とぴったりと価値観の合う人」を見つけてロールモデルにすることは非常に困難だと想像できます。

ほら結果を見てごらん、これが僕らのヒントかも。 - インタビューから見えてきたこと

デプスインタビューによっていろいろ見えてきたところで、結果をまとめてみましょう。

インタビューのまとめ
1. 人生をデザインすることは重要だと思っている人は全体の8割
2. 人生をデザインすることができている人は全体の6割
3. 人生をデザインすることができている人は自己分析を行い自分自身を客観的に把握し、周りの人たちの話を聞いて情報を収集している
4. 人生をデザインすることができない人たちは自分に自信がない
5. 人生をデザインするくことができない人たちは参考にすべきロールモデルを周囲に見つけることができない
6. 人生をデザインするくことができる/できないに、時間的・金銭的余裕はあまり関係なさそう

私たちが立てた仮説は概ね正しいことが分かった一方、自己分析などの「自分の内面を振り返って客観視すること」そしてそこから「自信をもつこと」も重要なファクターである可能性が出てきました。
これらの結果を踏まえて仮説をブラッシュアップする必要がありそうです。

今回はここまで!最後まで読んでいただきありがとうございます!
次回はインタビュー結果を踏まえて仮説をブラッシュアップしたお話です!
お楽しみに。

※掲載内容はFLAGSメンバーの見解であり、富士通グループを代表するものではありません。

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