MidjourneyとGen-2、Photoshopで「動く写真集 (Motion photography) 」を作成する方法 - Blog 2024/01/21
Midjourney Model V6 (alpha) が登場し、(全画像を生成し直すために)中断した「Midjourneyの上級テクニックで写真集のプロトタイプを作成する」シリーズの再開を準備しています。
V5.2 のプロンプトがV6 (alpha) で共有できないので、一から検証し直していましたが、ある程度まとまってきましたので今月中に再開できそうです。
Midjourney Chaosで創造力の限界を突破する
「写真集のプロトタイプを作成する」シリーズと並行して、動画生成AIの検証も進めていましたが、昨年の12月28日から開始した「Another Tokyo - GenAI Parallel universe」が軌道に乗ってきました。22日間ですでに12本作成しています。
以下は、11日に作成した9作目の生成ビデオですが、画像は「写真集のプロトタイプを作成する」で生成したものです。写真表現の検証作業で生成したイメージなので、動画というより「動く写真集 (Motion photography) 」を意識して制作しました。
再生時間:49秒
イメージはMidjourneyで生成し、Photoshopで補正とアップスケーリング、Runway Gen-2でビデオ生成しています。
検証用プロンプト
※Midjourney Model V6 (alpha) のAesthetic systemを検証するために「--chaos」パラメータを使用。
参考:Chaos
「--chaos」パラメータは、クリエイティビティの多様性に影響を与えます。自分の創造力に限界を感じた時、大変役立ちます。
Photoshopでクリエイトして出せるバリエーションは10案くらいでしょうか。すぐにアイデアが尽きてしまいますが、生成AIのカオスによって、脳に眠っている奇想天外なビジュアルを呼び起こしてくれます。
生成AIに完成作品を作らせるのではなく、自分の創造力を拡張するわけです。人間の強化ですね。
生成画像のアップスケールは、Photoshopのスーパーズーム(ニューラルフィルター)を使用しています。印刷目的ではないので概ね良好です。
Photoshopのスーパーズームで期待した結果を得られない場合は、Topaz Photo AIで試します。より詳細な設定が可能です。
コンセプトワーク
Another Tokyo vol.09 は、花の冠をモチーフにしたMotion photographyとしてストーリーを構築しています。
花の冠を纏った人々のポートレートは、華やかさとはかなさを同時に映し出し、各シーンは花の冠が持つ独特の色彩と形態を通して、その人物の感情や物語を表現します。
コンセプトワード:花冠幻想曲
Midjourneyの「Chaos」が提案してくるアイデア(イメージ)を瞬時にグルーピングしながら、組み合わせ可能な生成画像をまとめます。
アイデアの断片として集められた生成画像をPhotoahopでカタチにしていきます。創作意欲が上昇するプロセスです。
「これを動画生成AIでビデオ生成したら、どんな映像になるのだろう?」などと妄想しながら、湧き出てくる閃きを加えていきます。
映像化のプロセス
コンセプトアートによって作品の世界観が見えてきたところで、イメージを映像化する作業に移ります。
生成画像を一つひとつ、Runway Gen-2でビデオ生成していきます。必要に応じて、カメラ設定やモーションブラシなどのツールを活用します。
モーションの素材として最適化するため、生成画像をPhotoshopで画像処理します。
この場合は縦横比 1:2 で生成して、後処理で左右の領域を拡張することで、イメージの品質を向上させています( 16:9 に拡張)。
生成AIワークで習得すべきPhotoshopの機能
画像生成AIが苦手としている人間の手、関節、アクションポーズ、群衆などは、生成後にPhotoshopで修正しますが、覚える機能はそれほど多くはありません。
生成塗りつぶし/生成拡張(Firefly機能なので生成クレジットを消費します。現在は無料プランなど一部のプランに適用されています)
削除ツール/パッチツール
Camera Raw フィルター
ニューラルフィルター
生成レタッチ:
「生成塗りつぶし」で期待した結果を得られない場合は、削除ツールやパッチツールで不要な要素を除去したり、架空のオブジェクトを追加して、生成処理が成功するようにイメージを調整します。
「動く写真集 (Motion photography) 」の最終工程は、After Effectsによる生成ビデオの編集作業。このプロセスは「動画生成AIの可能性」マガジンにまとめていますのでご興味のある方はご覧ください。
生成AIが登場する前は、Adobe Stockなどのストックフォトサービスで写真のライセンスを取得して「紙芝居」に近いイメージ映像を作っていましたが、今は「映像を生成できる」ので、素材ビデオさえ不要になってしまいました。
PhotoshopとAfter Effectsの相性が抜群に良いので、画像処理とVFXによって、動画生成AIの限界も補うことが可能です。
「生成AIに作品を作らせる」という考え方だと、できないことが多すぎて、作品化できずに挫折してしまいます。既存の画像処理テクニックや映像演出などを組み合わせるハイブリッドな創作によって、生成AIによる新しいクリエイティブが実現します。
今月下旬に実施されるオンラインイベント「生成AIクリエイティブ - 写真表現の探求」では、「人間の創造性を高めるための生成AI」をテーマにお話しますので、興味のある方はぜひご参加ください。※定員になったようです。
また、画像生成AI (Adobe FireflyやMidjourney)とPhotoshopを密に連携させたハイブリッドワークの実演ライブも予定していますので、グラフィックデザイン等で生成AIがどのように活用できるのかを模索している方は、ご参加ください。詳細決まり次第、noteでお知らせします。
オンラインイベントのお知らせ:
生成AIクリエイティブ - 写真表現の探求
1月25日 (木) 19:00 - 20:00
画像生成AIの上級テクニックによる写真表現の可能性を探る
参加費:2,000円(案内メールに記載されている情報をご覧ください)
申し込み終了
追記:参加できなかった方へ。収録ビデオをnoteで販売できる場合はお知らせします(販売期間の予定:1月25日~31日)。CreativeEdge Vlogでお知らせします。
その他のお知らせ:
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更新日:2024年1月22日(月)/公開日:2024年1月21日(日)
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