夫の給料が10万だったことが私を強くした話。

大前提として、私は夫のことが好きだし、夫の人間性も好きなのですが、私の夫はとにかく行動力がありません。

大学で就職活動が上手くいかず、そこから定職にもつかず、結婚前は私が養っていたこともありました。

大学卒業後のバタバタとしてしまった数年間のことは端折りますが、当時20代半ばの私は、精神的な疲労で、出来ることなら仕事を辞めた方が良いと心療内科の先生から言われていました。

夫(当時は彼氏)は、その頃バイトをしていて、月に10万の給料を貰っていました。
深夜に仕事をしていたため、日中は家にいて、私には何もしていないように見えていたけれど、本人曰くいっぱい頑張っていたとのこと。

私は長時間労働をするとパニックを起こすようになっていたこともあり、短時間労働で2つの仕事を掛け持ちしていました。

どうして私がこんな状況になっても、夫は日中働いてくれなかったのか。
経緯や理由は省きますが、夫は面接が怖く、ネットで稼ぐ方法を模索していました。
それで稼げるようになって、私を養えるようになったら、結婚しようと言ってました。

それを信じていたかと言うと、一切信じていませんでした。
だって、日中そんなことをしている素振りなんてなかったし(ゲームをしてるように見えた)、そもそも、私が働き詰めで体調を壊しても、深夜の4時間仕事をするだけで、日中仕事を探そうとか、そういう行動を起こしてくれない人だったから。

一方で、私は結婚するなら夫だと決めていました。
実は大学時代につきあった私たちは、一時期夫がニートになったまま引きこもったことで破局していた時期がありました。
その間に私は何度か新しく恋愛をしたのですが、ことごとく嫌な思いばかりしたんです。
凄くお金のある人と付き合ったものの酷いモラハラだったり、ずっと人の悪口ばかり言ってる人だったり、居心地の良さは頭何百個分も飛び抜けて、夫が一番でした。
そんなこともあって、数年の時を経て、私たちはまた付き合う事になったんです。

人間性が好きと言うと、「働こうとしない時点でダメじゃない?」と言われることがありますし、ごもっともだとも思います。
ただ、もしも子供が出来たら、積極的に子育てをしてくれると思ったし、家事にも協力的な人だと思いました。
正義感も強く、人に優しく、与えられてる仕事も真面目にこなす人でした。
仕事を探そうとしないこと以外は、私にとって完璧に近い内面だったんです。

とはいえ、働けば働くほど体調不良になっていき、常にストレスは消えませんでした。
この先本当に結婚は出来るのか、子供は持てるのか、どうやって生活していくのか。
私の親は厳しかったこともあり、そういう生活であることも私は言えずにいました。

どうしても期待してしまいたくなる気持ち、分かっていただけますでしょうか。
もしかしたら、本当に日中はネットで稼ごうとしてくれてるのかもしれない。
どこかで見切りをつけて、仕事を探してくれるかもしれない。

ただ、急に思ったんです。
私が先にネットで結果を出したらどうなるんだろう?と。

当時はブログ全盛期だったこともあり、私はブログを立ち上げて、早速記事を書き始めました。
その時知ったのは、やっぱり夫は何もしてなかったということ。…やっぱりです。

私がブログを始めるうんと前からアドセンスの事をめちゃくちゃ説明されていたのですが、私がアドセンスの審査にとおって広告を貼れるようになった頃も、夫はアドセンスの審査さえしていませんでした。

その後私が少しづつ収益を出していっても、夫がアドセンスの審査をすることはありませんでした。
もうお気づきかと思いますが、今に至るまで、夫はアドセンスに申請はしてませんし、なんなら自分のブログも持っていません。

話は戻り、そんな中、私の親に夫を紹介するタイミングがやってきました。
(実は、この時大学卒業から6年経っていましたが、私は夫のことを紹介していませんでした)

親に何かを言われるのが嫌で、夫のことは「ネットで仕事をしながら、まだ収入が足りないから深夜バイトをしている」という事にして、親に紹介したんです。
今でも忘れられないのは、うちの両親は仕事の内容について何も質問しなかったのに、夫が突然「サイト…見せた方が良いかな?」と言い、まさかの私のブログを見せようとしたんです。
この時よく分かったのは、夫には仕事とか稼ぎに対してプライドが無いんだなということ。
分野を限定したのは、夫はプライドがそれなりに高いからです。

とはいえ、両親は仕事については本当のところをしらないため、夫の人間性を気に入ったこともあり、うちの母が急かすような形で、私たちの結婚は案外直ぐに決まりました。
仕事のことさえなければ、本当に人当たりも良く、人に好かれる人でもあるんです。

結婚後、これを機に変わってくれるかもしれないと、どこかで期待していました。
ただその反面、ことごとく期待を裏切られてきたので、もう変わることなんてないかもしれないと思っていました。

早く子供が欲しいと思っていた私も、もうとてもじゃないけど「早い」とは言えない時期に差し掛かってしまいました。

この頃、私は相変わらず体調は悪化していく中で、私はコツコツと出産にかかる費用を夫には内緒で地道に貯めて、子供を産み、半年は働かなくても大丈夫な状態に持っていきました。
育てる方がお金がかかるのに何を言ってんだと思われる方もいるとは思いますが、このままじゃ一生子供は授かれないと思ったんです。

私が子供が欲しいと言ったことで妊活が始まり、4ヶ月後に妊娠が発覚しました。
ここでも私は、さすがに今度こそ変わるんじゃないかと思いました。
なぜかと言うと、私は貯金していることを黙ってたので、このままじゃ、理論上お金が足りなくなることは計算すれば分かったからです。

だけど、日が経つだけで、彼は変わらなかった。

私は、出産の1ヶ月前に仕事をやめ、やっと時間が出来たため、ネットで稼ぐ方法を模索しました。
ブログも続けてはいたのですが、毎月数千円の収益だったため、他の方法を探す必要があったんです。

出産後、子供を見ても、夫はやっぱり仕事を探さなかった。
家賃だけで58,000円。給料は10万円。
私の稼ぎは出産直後なので無し。

私の貯金がなきゃ、どうしたって生活なんて出来ないのに。

夫は私の予想通り、娘を可愛がって、積極的にお世話をしてくれました。

だけど、夫は覚えてるんだろうか。
私は出来るなら、子育てにたっぷり時間を注ぎたかったこと。
別に私は仕事を沢山したかったわけじゃなくて、沢山子供と過ごしたかったこと。

妊娠と出産は、私にとって本当に幸せな時間でしか無かったんです。
悪阻は酷かったけれど、私の精神的な不調は、妊娠したことでかなり良くなり、妊娠と同時に服用していた薬も辞めて、出産の頃には、私は元気になっていました。

あぁ…このままじゃ、また私が外に働きに出なくちゃいけなくなる。
夫は外へは出てくれない。
私が過ごしたかった子供との時間を奪われて、なのにまた周りには、家で働きながら子供の面倒を見る良いパパと理解されるんだろう。

私が外に出るようになってしまったら、本当に終わると思いました。
夫の仕事の状況は永遠に変わることはないだろうし、私の体調もまた悪くなる、それが見え見えでした。

何がなんでも絶対に阻止したかったんです。
私は何がなんでも子供と家で過ごしたかった。
絶対に夫のぐうたらに負けて、私が外に出るなんてことは何がなんでもしたくなかった。
その思いが私を強くしました。

出産から3ヶ月後、私は動画編集の勉強を始めて、がむしゃらに案件に応募し、在宅での仕事を少しづつ始めました。
夫はそんな私をただ見ているだけでしたが、ついに私の稼ぎが10万を超えるタイミングが来ました。

驚くかもしれませんが、ここまで来ても夫婦仲は普通に良好です。
うんざりすること、腹が立つことも多いですし、私の中で諦めが入っていることも沢山あります。
でも嫌いではないし、話をしていて楽しかったり、価値観があったり、好きな部分もとても多いんです。
どうしたらこれ以上悲しまずに済むか、傷つかずに済むか、苛立たずに済むか、そう考えた時に、私が稼げるようになれば問題ない、と思いました。

そうやって私がパソコンに向かう中、夫は相変わらず深夜に仕事をしながら、子育てをする日々。
いかや子育てが大変かということを義両親に話す夫を見て、心底私は「私がやりたかった事の半分以上奪って」と苛立ち、「そんなことより仕事を探せよ」と思いました。

ただ、もう夫は外に出るつもりはないと分かってました。
かと言って、私が動画編集でお金を貰うようになってしまった以上、夫が自分自身でネットの事業を進めてくなんて思えませんでした。
そもそもお金に関して、危機感がない人ですし。

だから私は、動画編集の仕事を一緒にやれるような促そうとしたんです。
正直これは、私なりの良心でした。
私がプレミアプロに触ってみるように夫に言うと、ちょっと嫌そうにされたことを今でも覚えています。

嫌そうにされるということは予想出来てたんです。
何故なら、私にはそうは見えていませんが、夫の中では日中、ネットで仕事をするために頑張っているからですw
それなのに私が動画編集なんて進めたもんだから、「俺が何してないってこと?」という気分になったのでしょう。

何もしてないでしょwと言いたかったですが。
昔なら言ったと思いますが、もう面倒なので言いません。

これは今でもそうですが、きっと私は色んなことを我慢していて、ストレスも貯めていて、本当は爆発しそうなほど色んなことを背負っているんだと思います。
けど、本当にお金に困らないくらい稼げるようになれば、その時きっと色んなことから解放されるでしょう。

結局、その時の私の冷めた目に気付いたのか、私の放った空気を察したのか、しばらくして、夫は1つ動画編集を担当することになりました。
そこから夫は熱心に動画編集の勉強をし始めました。(元々は普通に真面目な人なので)

いくら私が頼んでも、やっぱり案件の応募は1回もしてくれませんでしたが、私が沢山応募をし、1ヶ月に40万を超えることも出てきました。

夫は色々理由をつけ、深夜のバイトを辞め、個人事業主となった私のもとで、青色専従者として働くことになりました。

今は2人目の子供も生まれましたが、夫の行動力の無さは相変わらず。

収入としては、生活は出来ますが、決して裕福とは言えないので、また私は新たな事業を始めるつもりでいます。

常々夫には、もっと稼がなきゃねというようなことは言ってるんですが、こないだふとしたことがきっかけで、もう夫にそう言うのはやめることにしたんです。

上の子がもうすぐ3歳になるので、オンライン英会話でも始めようか、なんなら私達もファミリープランで英会話をしてみようかと提案したんです。
週に数回、1日30分ずつくらいなら時間を作れるだろうからと。

そしたら夫は「そうかな?もう時間キツキツじゃない?」と。

私の感覚では、実働週4〜5日の4〜6hといった感覚なので、子育てをしててももう少しは仕事に充てられると思っています。
厳しいことを言いますが、もうキツキツなら、動画編集なんてやめて外で働いた方が良いです。
そんなキツキツで働いていての収入だとしたら、それはあまりにも割が悪すぎます。
夫一人の労働力での収益を見たら、フルで外で就職してくれる方が稼げますから。

私と夫は本当に仕事とかお金に関しての価値観は著しく違うんです。
夫は周りにも、子育てもしてて時間がない、仕事も手が回らないと言いますが、私はまだ働ける時間があるから収入にも伸びしろがあると思ってるんです。
それだけ頑張ってるんだと周りに言いたいのか、それとも社会人経験がないから、忙しさというものを知らないだけなのか。

だけどこの価値観を理解してもらうのは多分無理だと思いました。
なのでもう「もっと稼ごう」は言わなくていいかなと。

新しく夫と一緒に何かを始めたくて、事業の内容をまとめて、夫も取り掛かりやすいようにと用意した資料は、Googleドライブにアップロードされたまま、1ヶ月読まれてません。
読んでね、と声を掛けても読まれていませんし、読まれることはないんでしょう。

なら、もう1人でやればいい。
いいんです、それで。
娘たちに割く時間が減ってしまうのは悲しいけれど、私がやらなきゃやる人は居ない。

私がやらなきゃこの家は終わるという重圧は、なかなか辛いものだけど、私が娘たちを幸せにする。
私が夫も幸せにする。

何度も言いますが、夫は子煩悩だし、育児家事に協力的で、話してても楽しいし、居心地も良い。
ただ、お金周りや仕事に関しての信頼や頼りがいはゼロ。

心底私が思い知らされたのは、人は本当に変わらないということ。
人を変えるのは本当に難しい。
でも、だからこそ、夫が変われないところがお金を稼ぐための行動力がないところで良かったのかもしれません。
お金を稼ぐことは頑張れば、きっと私にも出来ることだから。

そうやって、私は強くなりました。



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