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”できること”を結集したら未来はもっと明るくなりそうだ

所属や普段の活動等自己紹介
コロナ禍における取組みの紹介

 地域デザインセンター専任教員として地域連携コーディネートを行っている坂本文子です。専門は多文化共生論です。
 地域に根付いた学びを目指す、地域デザイン科学部3年次必修科目「地域プロジェクト演習」の運営や、自治体など地域からのご相談を共同研究や新たなプロジェクトにつなげる仕事をしています。


 コロナ禍における取組として、地域デザインセンターでは(1)【コラム「“君”とともに」】を立ち上げたり、(2)NPO法人フードバンクうつのみやと学生有志が主催する在学生へ向けた【食品配布サポート】を行ったり、(3)コロナ禍においても主体的に活動する学生たちとの【オンライン座談会】を企画・運営(デザイン研究会:コロナ禍における学生活動とこれからの地域連携)したりしました。


 個人的には、宇都宮コミュニティFMミヤラジ【あなたの隣の外国人】で同じコロナ禍にある外国人住民に、必要な情報や外国人住民の暮らしぶりを発信しています。写真はその仲間たちです。


新型コロナウイルスの影響により大きく変わったこと

良い変化

 【オンライン座談会】では、学生たちが自発的な活動の様子を紹介してくれました。オンライン勉強会を他大学の学生を誘って開催したり、感染症対策のための啓発ポスターをデザインして配布したり、新入生に向けたサークル紹介サイトを協賛金まで獲得して実行したり、地元飲食店のデリバリーを支援するSNSサイトを立ち上げたり、食品配布のために奔走してたり。学内外の学生や大人たちを強く勇気づける内容でした。

 学生たちが特定の人たちに向けて取り組んだ活動でしたが、協賛金の獲得や新たな物資の寄附など、かれらの取組が地域の大人たちを動かし始めています。

 【あなたの隣の外国人】では、飲食店を経営する外国人住民が、お客さんや地域の人々に助けられて過ごしている様子を語ってくれました。同じ住民同士として助け合える関係が地域のなかにあることが知れた嬉しいお話しでした。


良くない変化

 【食品配布サポート】として、NPO法人フードバンクうつのみやが実施した利用者アンケートの設計や分析もお手伝いさせていただきました(有効回答数133)。


 その結果、今回食品配布を利用した宇都宮大学の学生のうち、約95%が3月以降にアルバイトが減るなど状況が悪化しており、その内約54%の学生が1日の食事の回数を減らし、約66%が生活費に不安をもっていることが分かりました。主食を減らしている学生もいるようです。

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図1.現在不安に感じる事柄(複数回答,N=133)


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図2.今日までの過去1週間のうち、3日以上食べられていないもの(複数回答,N=133)


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図3.コロナウイルス流行前(2月以前)の1日当たりの食事回数(平均)(単数回答,N=133)


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図4.5月の、1日あたりの食事の回数(平均)(単数回答,N=133)


 休学や退学については92%が「考えていない」と回答しましたが、自由記述には「なんとか学費を払えている」「まだ大丈夫そう」「奨学金でなんとかしようと思っている」などの記述もありました。

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図5.現在、大学の休学や退学を考えていますか?(単数回答,N=133)


 しかし、こんな状況においても、食品配布を利用した学生の54%は、自らもこの取組にボランティアで参加してみたいと答えています。こういう一つ一つの“力”を結集していけたら、この難局も乗り越えられそうだと思えてくる結果でした。

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図6.NPOフードバンクうつのみやボランティア参加希望(単数回答,N=133)


宇都宮大学や地域デザインセンターと一緒に取組んでみたいこと

 一人一人が “できること” は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を前にすると、とてもちっぽけに思えてきます。しかし、学生たちが特定の人のためにやったことが周囲の大人たちを動かしたように、支援を受けた学生が誰かを支援したいと言っているように、外国人住民も含めて、一人一人が ”できること” を結集できたら、未来はもっと明るくなりそうです。

 現在、地域企業の取組に賛同すべく、地域デザインセンターでは寄附用のマスクを集める取り組みを新たに始めています。これからも ”できること” を探して一つ一つ実行してみたいと思います。

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