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クレイジータンク通信vol.209 『雇用が激減する時代を予見する』


クレイジータンク通信(通称:クレタン通信)は、2020年7月よりスタートし、現在まで毎週つづいている「クレタンの今」をお届けする2000-3000字程度の通信です。2021年10月までは、クレタン関係者やファンクラブの方、十数名の方に限定的にお送りしてきました。しかし購読者の皆さまからのフィードバックもあり、2021年10月下旬より、有料にてnote公開を行うことになりました。さらに、2023年10月からは、試験的に無料公開をスタートすることにいたしました。毎週、クレタンが何をしているか、また、何を考え行動しているのかについてお伝えしていく場です。クレタンは常に未来に向かって自分たちが「挑戦をつづける当事者」になることを大切にしています。変化する社会を生きるみなさまにとって、挑戦へのきっかけや原動力となれば幸いです。気になったときにふと立ち寄ってみてください。


クレイジータンク通信vol.209


週末には近畿・中国地方が梅雨明けをし、この後は猛烈な暑さが続くいよいよ本格的な夏が到来しました。関東でも今週は雨予報の日は1日もなく、猛烈な暑さが続いています。いよいよ来たか…という気持ちですね…。昨年よりもさらに猛暑が続くという今年の夏をなんとか元気に乗り切りたいものです。

さて、今週の通信は、現在転職や新卒採用マーケットは活況であるに対し、AIが爆発的な進化を遂げる中で「人間が働く」という状況は、今後大きく変化するという変化の狭間時期にあることを取り上げ、今後どのように雇用状況が変化していくのかについて考えていることを書いてみたいと思います。

ぜひご一読ください。

【雇用が激減する時代を予見する】

直近、クレイジータンクでは人材系企業様とディスカッションする機会がありまして、AI台頭時代には、労働者としての「人の採用」がどう変化していくのかという話題について、さまざま考察を進めています。

考察を進める中で、今、現在の「人の採用」をとりまく状況に大きな違和感を持つようになりました。

現在、「人の採用数」は過去最高とも言える求人数を更新中です。転職市場や新卒市場は完全なる売り手市場。

しかし、クレイジータンクでは、生成AIの進化が指数関数的に進む今後の数年で、「人」の働くポジションは大きく変化していくだろうと確信にも近い感覚があり、今後「人の採用数」は減っていくのは間違いないだろうと考えています。しかし、先述の通り、採用市場はまだその変化を予感するような状況になっていないため、多くの人が「AIが出てきても人の働くポジションは無くなっていないではないか」という感覚を持っているのではないでしょうか。

当社が持つ感覚値と現在の状況との間に存在する大きな乖離…。各方面から「採用を積極的に行なっています!」という声が聞くたびに、転職マーケットが活況だというニュースを聞くたびに、違和感は膨らんでいきました。



先日、この違和感について改めて社内で議論を深めました。そこで、出てきたのは、この違和感は「情報のヒエラルキー」と「時間経過」を併せて考えることで整理できるのではないかということでした。

「AIが習得する情報にはヒエラルキーが存在する」

「ヒエラルキーのステージが変わる瞬間は、大きな変化が突如やってくる」

「すでにそのステージの変化の兆しも見え始めている」

たとえば、生成AIは大量の情報を習得しながら成長していきますが、現段階では「まだ」誰にでもあてはまる一般的な情報をAIが習得している段階にあると捉えています。

この一般的な情報とは、情報のヒエラルキーとしては最下位に位置しており、固有性が低い情報のことです。

たとえば、

「日本人はよく米を食べる」というのは一般的な情報と言えますが、対して、

「○○さんは朝5時40分に必ず米を食べる」というのは「固有性が高い」情報です。

固有性が高い情報は、大量のパターンが存在しますし、再現なく細分化されていきます。そのため、それらをすべて習得するステージにAIはまだ到達していません。

しかし、一般的な情報を習得したのちには、AIはより固有性の高い情報を習得して行く段階へと入っていくでしょう。なぜなら、人間がじきに「自分に合ったAIを作る」ようになることは容易に予想がつくからです。(人間は、より、自分にとって都合の良い状況や環境を生み出そうと動きますし、利便性に適うものはないからです)

すでに自宅の家電製品にはAIが搭載されているものもあるでしょうし、今後PCにも自分に合わせたAIサービスをインストールしていくことになるでしょう。

そのステージに突入した瞬間に、AIは「固有性の高い」情報を爆発的なスピードで大量に習得していくことになります。そして、先述の通り、このタイミングは「急に」やってくるだろうと考えています。

すでに大手家電量販店で、「AI×PCの使い方を学びましょう!」といったセミナーイベントが開催されはじめています。これにより、ぐっとAIが搭載されたPCが一般家庭に落ちてくる状態、つまり、AIが各家庭・個人といった「固有性の高い情報」の習得段階へと入ってきていることが伺えます。

さて、違和感の議論に戻りますが…

AIが習得する「情報」にはヒエラルキーが存在していること、さらにそれは「時間経過」とともに段階が変化していくことを理解すると、現在の採用マーケットの加熱状態について、今後の展開が予想できます。

AIが、固有性の高い情報を習得し、固有の人間しか出来得なかったような仕事をこなすようになってきた瞬間には、採用マーケットは一気に冷却するフェーズが訪れるでしょう。そしてそれは、突如、急にやってくるだろうとも考えています。AIの進化と連動するからです。

私たちクレイジータンクでは、依頼をいただく企業さまがまだ十分にこの「AIの進化」がイメージできなくとも、こういった未来の大きな変化を予測して先に先に動いておくことをご提案しています。

突如やってくるだろうその瞬間には、採用数を減らす以前に、現在働いている社員の方々が「何をしたら良いのか」と路頭に迷ってしまう状態も考えられます。その時に、社員、AIではなく人間、の力を、新しい事業を生み出し展開する方向へシフトチェンジしていくことが会社として求められるだろうと考えます。

そうすることで、社員の方々が、AIと共存しながらも人間として生きる(働く)価値を実感し、その実感を通して社会にも還元していけるような会社や社員へと成長していくことが、これからのAI台頭時代を生き抜きながら、持続的に成長していく企業になるために必要なのではないかと私たちは考えています。

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