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どうしても、気分が冴えないときに(老子)

急に、気分が冴えずに落ち込んでしまう時ってないでしょうか?
それが今の私です。
今年の目標の1つが、「浮き沈みの少ない安定した精神」をつくることだったのですが、4月にして目標が達成できない危機です。

特に何かがあったわけでもなく、公私ともにトラブルもなく、お陰様で健康でいさせていただいているのですが、色々なことにやる気がおきない。

先日、偉そうに「今日から新生活をスタートされる方への、たった1つのアドバイス」として、生活を記録することの大事さを書かせていただきましたが、それさえも億劫になってしまいました。

そんな不健康な状態。いつもなら気分の低空飛行を続けて、自然治癒を待つのですが、今年は目標もあったので、備えをしていました。

1つ目は、「今何をやる」のリスト化をすること

これは、まさしくこれまでの自分を記録していたから分かった方法です。
気分が冴えなくなると、「今何をやる」が見えなくなって、日記も空白や殴り書きが続いていきます。
それを打開してきたのは、何の変哲もない「今何をやる」のリストでした。
(「noteを書く」もそのリストにありました)
リスト化したものを、やりたいものから順番にとりあえずかかって、終わったら打ち消し線でリストから消す。それだけですが、自分の中のスイッチが順番にオンになってきています。

2つ目は、心に入れるものを特別にすること

少し前に、明石家さんまさんが「好きな食べ物(メロン)は、これを食べたら元気になる。だから、普段は食べないで、風邪の時などに食べる」という趣旨のことを言ってました。

それを聴いて、「体の調子が悪くなった時=体に入れるものを特別にする」だったら「心の調子が悪くなった時=心に入れるものを特別にする」ということもあるのでは。と安易に思いました。

そこで、そんなときに心に入れるものとして、読み返そうとしていた1つが、これです。

老子・列子

道教の始祖とされ、儒教の始祖の孔子(論語)と比較されることも多いですね。論語もとても好きな本なので、今後所感を書いていければと思っています。

ちなみに、余談ですが、徳間文庫の「中国の思想」シリーズ、大好きです。
古典ですと、やはり岩波文庫が有名ですが、徳間文庫は私の様な古典初心者にも、分かりやすく、かつ面白く解説してくれています。
文庫で書籍化されているものは、一通り手に入れたのですが、途中から(?)電子書籍のみになってしまったようで、コレクションしたかった身としては少し残念です。。。

この老子ですが、「飾らず自分らしく自然体で生きる」ことを良しとしており、次のような言葉が胸をうちます。

内面を充実させて、外からの刺激を追い求めない
欲望を捨てて、「道」にのっとるのである

インターネットの発展等による世界のつながりによって、外から様々な刺激が入ってきます。そんな刺激を追い求めすぎて慣れてしまうと、急に刺激が弱まると、まるで自分が必要とされていないかのように思えてしまう。
そうならない様にするためにも、内面を充実させること。

新型コロナの影響による、週末の不要不急の外出自粛と言われる中で、なんとなく鬱蒼とした思い。そして、外部とのつながりが少し希薄化してしまって、急に気分が冴えなくなったのかもしれません。

そこで落ち込むのではなく、自分の内面を充実させる機会と捉えていきたい。以前ご紹介した、「生の短さについて(セネカ)でも、同じ様に言及されています。

幸福な人とは(中略)現在あるもので満ち足りている人、今あるみずからの所有物を愛している、みずからの所有物の友である人

そういえば、以前セネカについて書いたときは、「日々の仕事が忙しくて、時間が取れない」を止めたいということがテーマでした。
それからたった1ヶ月しかたっていないのに、外部からの刺激が強制的に弱まって、自分の時間を取れたら、急に落ち込んでしまう。面白い人間ですね、自分って。

最後に、もう1度老子に戻ると、次のようにも言っています。

物事の一面に執着せず、作為を排してただ自然に従う

外部からの刺激が多いときはそれに合わせて、少なくなったらまたそれに合わせて、コツコツと自然体でいきたいと思います。

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