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データサイエンティストのマネージャーに俺はなる!

最近の若者は、あまり出世したがらないといわれていますね。
(こう書くと、昔の若者は皆出世したかったのかと気になりますが、今日の主題はそこではないので、割愛!)

私自身、今はデータサイエンティストのマネージャーという職にいますが、元々はスペシャリスト志向で、あまり出世したいという気概はなかったです。(今でもそう)
ただ、今の企業に転職した際に、データサイエンスの組織がほぼゼロの中から創り上げてきました。その結果としてそれ以降のメンバーは私が面接をして採用しており、流れで(笑)私がマネージャー職をやらせていただいています。

では、データサイエンティストの様な専門職のマネージャーと、総合職(営業とか)のマネージャーで求められるスキルは違うのでしょうか。
データサイエンティストという職がまだまだ新しいため、「データサイエンティストのマネージャーとは」といった本が無かった(多分)ので、自身の経験と古典的名著であるこの本をベースに考えてみたいと思います。

マネジャーの仕事(ヘンリー・ミンツバーグ)

中間管理職について扱った本の中でも、古典的な名著です。
「マネージャー」ではなく、「マネジャー」のところがポイントですね。(嘘)

この本では、マネージャーの活動を次の3つの言葉で表しています。

マネジャーの活動は、短時間・多様性・断片的

確かに、私の場合も「この3つだ」と考えさせられます。
あるミーティングでAの案件話したら、次は全く別の部署とBの案件話して、、、と多様なものを、短時間で断片的に対応していく必要があります。

そして、マネージャーとして求められる役割を10個定義しています。

フィギュアヘッド(Figurehead) : 象徴・儀式的役割
リーダー(Leader) : 部下との対人関係(縦のつながり)
リエゾン(Liaison) : 外部ネットワーク(横のつながり)
モニター(Monitor) : 内外の情報を受信
周知伝達(Disseminator) : 部下への情報伝播
スポークスマン(Spokesperson) : 外部への情報発信
起業家(Entrepreneur) : 組織の計画変革の提案・設計
障害処理(Disturbance Handler) : 障害発生時の管理責任
資源配分者(Resource Allocator) : 組織の全資源の配分を監督
交渉者(Negotiator) : 別の組織との交渉

中々言葉が難しい役割もありますね。
リーダーリエゾン周知伝達交渉者辺りはデータサイエンスに関わらず、コミュニケーションの普遍的な能力の様に思います。
モニター障害処理資源配分者。この辺りは、マネージャー自身も部下であるデータサイエンスの業務を、ある程度分かっていないといけない役割ですね。
そして、フィギュアヘッドスポークスマン起業家。この3つは、スペシャリストとしてのマネージャー(言葉が変?)の仕事ですね。
セミナーで話したり、企業内起業をしたりと、この辺りはデータサイエンスを正しく理解して、その価値を自社に合わせて高めていくということが必要になってくるように思います。

これらの全ての能力を、1人のマネージャーが完璧に兼ね備えていくのは非常に難しいでしょう。また、組織構造上で必要でない役割も出てくるかもしれません。最近では、ティール組織という本も出て、少し流行りになっていますよね。

ティール組織になると、モニター障害処理資源配分者などの役割は、メンバーが自分たちでやってしまうので、マネージャーの役割ではなくなるかもしれません。

リーダーリエゾン周知伝達交渉者等のコミュニケーション能力は、もちろん必要となります。しかし、これもマネージャーだから必要という訳ではなくなって、すべての人が身に着けていくべき能力になるでしょう。

フィギュアヘッドスポークスマン起業家これらについては、どうでしょう。「専門領域の知識に基づいて、新しい事業を起こして、組織を作っていく」という役割は、まだマネージャーのものかもしれません。
いや、その逆で、そういう役割を担った人がマネージャーと呼ばれるようになってくるのではないでしょうか。

今回、私自身がデータサイエンティストのマネージャーですので、それを事例にまとめさせていただきました。
ただ、それ以外の専門職のマネージャー(もしかしたら総合職でも?)については、ある程度似たような状況かもしれません。

テクノロジーの進化や顧客ニーズの変化により、ビジネスが変わり・組織が変わっていく中で、マネージャーの役割も変化させていかないと、時代遅れになってしまいそうです。

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