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120年間変わらない歯ブラシの形状…なぜ?大阪生まれの回転式歯ブラシ「クルン」2代目の挑戦

大阪で一つひとつ職人が植毛してつくる、音波振動式歯周ケアロールブラシ「クルンソニック 」シリーズ。
昨年Makuake初登場で大成功を収めたプロジェクトの第2弾では、非接触充電とブラシスタンドが追加された上位機種「クルンソニック プレミアムプラス」。そしてリクエストの多かった持ち運び用の「クルンソニック ポータブル」が発売され人気を博しています。

歯ブラシ20本分の極細毛をひとつひとつ手作業で

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「クルンソニック」シリーズは、一般的な歯ブラシの20本分ともいわれる15,000本のブラシを、一つひとつ手作業でロール状にしています。

0.076mmという髪の毛より細い極細毛は、通常の歯ブラシのおおよそ4分の1の細さ。そのため歯茎を傷づけることなく歯の表面をツルツルに磨いてくれるのです。

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開発当初ブラシの植毛技術は7,000本まででしたが、改良を重ねに重ね今では最大で17,600本までの植毛に成功。

歯ブラシというと、機械で大量生産されているように思われるかもしれません。しかしクルンの特徴的なブラシは、すべて人の手で作られているのです。

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例えば毛の長さ。歯へやさしく当てるため、わずかに毛先の長短をつくる作業。これは現状、人の手でなければ出来ない作業です。目で見ながら、手で一つ一つカットしています。

こうした絶え間ない技術開発のおかげで、特許を取得(第5783435号)。回転式歯ブラシは、発売から累計で450万本の売上を突破しました。

発明のヒントはピカピカの床

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一つひとつ丹念に手作りされている「クルンソニック プレミアム」の歴史は、天下の台所とも呼ばれた商人のまち、大阪。
1997年に回転歯ブラシの発明を申請したところにさかのぼります。

回転歯ブラシを発明したのは大阪にあるクルン株式会社の林さん。先代の社長が業務用の床磨きブラシを見て「鏡のようにツルツルになるのなら、歯もきれいになるのでは?」というひらめきからブラシづくりが始まりました。


「うちでは真似できない」大手メーカーも唸る独自の技術

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この独特な形のブラシをつくるため、機械から自分たちで開発。大手メーカーの技術者として働いていた方も、この機械を見て「うちでは真似できない」と驚いたのだそう。


「磨きのこし」を根絶し、健康寿命を伸ばす

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歯垢の多くは歯茎のつけ根と隙間にできるといわれていますが、いまの歯ブラシはそれ用に作られていないと考えています。

人生100年時代といわれている現代で、歯周病から歯の健康を守ることが健康寿命を伸ばし、日本の将来にいい影響を与えること。これがクルンの願いなのです。


スウェーデンからのUターン。2代目後継の挑戦

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(写真左:クルン代表・林伸彦さん)

「20年間やってきて、1番むずかしいのは“ゴシゴシ感の固定観念”を払拭することでした。」そう話すのは、2代目社長の林伸彦さん。

10年近く北欧スウェーデンで暮らしていましたが、家業を継ぐために日本に戻ってきました。

歯の健康が、自分自身の健康ひいては日本人の健康寿命に大きく関わることを知った林伸彦さんは、新しい回転歯ブラシを日本に広めるため全国各地のバラエティショップを周り、自ら実演販売なども行っています。

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メイドインジャパンの回転式歯ブラシは、もちろんスウェーデンでの販路も拡大しています。海外でも台湾、中国などでも好評とのこと。中国、アメリカ、ヨーロッパなど世界各国で特許を取得し、日本発の歯ブラシが世界に広がっていきます。

120年間変わらない歯ブラシの形状…なぜ?

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回転式の歯ブラシは、過去にフランスで開発されたことがあるとの記録が残っています。
しかし歯ブラシの形状が120年間変わっていないのは「つくりやすい」からというのが大きな理由の一つ。

だからこそ中小企業である「クルン」が、回転式歯ブラシのパイオニアとして技術の向上と、回転式歯ブラシの認知拡大にむけて日々努力を続けているのです。

一般的に歯茎を刺激すると唾液が分泌されると言われています。クルンシリーズは極細毛により唾液腺を刺激し、唾液の効果で口腔ケア。

唾液には歯周病予防はもちろんのこと免疫力をアップさせることが知られています。衛生が気になる昨今の状況、健康面で気にされている方にもぜひ手にとっていただきたい歯ブラシです。

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毎日の歯磨きは小さな積み重ね。でも確実に将来に影響を及ぼすことは間違いないですよね。

「回転式歯ブラシが日本の将来のためになる」と、日本へUターン帰国し家業をついだ林さん。120年間変わらない歯ブラシの形に、新たなスタンダードとして「回転式歯ブラシ」が浸透するのも時間の問題かもしれません。



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