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「水あめ」に息を吹き込んで、飲み物が入るグラス部分をつくる。ガラスに魅了されたお話

こんばんは、デザイナーの清水です。

みなさんが普段使っているグラス、「なんでこのカタチなんだろう」なんて考えてみたことありますか?

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そもそもガラスって、熱して加工するときはドロッとした「水あめ」みたいな状態。
「水あめ」でできる形って、自由なように思えて意外と限られているものなんです。

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たとえばワイングラスは「ガラスらしいカタチ」のひとつ。
「水あめ」に息を吹き込んで、飲み物が入るグラス部分をつくる。
クイーっと引き伸ばしてステム(持ち手)を、そして平らに伸ばして底部分ができる。
作り方はモノによるけど、これがワイングラスの原型です。

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他にパッと思い浮かぶガラス製品といえば、グラスや瓶みたいに同心円のものだったり、
ガラス窓みたいに板状に伸ばしたものだったりしませんか。
考えてみると確かに「水あめ」から作りやすいカタチなんです。

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反対に、角がキッチリ直角に立った立方体なんかは「水あめ」からは作りにくかったりするんです。
「作りにくい」ということはその分工程があり、お値段もかかってしまうということ。
ガラスだけならず鉄や木や陶土などなど、素材にそれぞれ得意不得意なカタチがあるんです。

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木村硝子店のタサキシリーズは、お値段が張る分その薄さやステムのつなぎなど「あぁ、いいな」と思える納得の質感。
その中でも「リキュール」は他にない、仰々しくて面白いカタチゆえに買ってしまいました。


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同じく木村硝子店の「ろーたすゴブレット」は僕も日常使いしているおすすめ。繊細な印象だけど、最高に使いやすい。語るとここに書き切れない魅力があります。


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ガラスで面白いカタチといえば菅原工芸硝子。職人さん自らデザインしているものも多く、のんびりした空気の千葉県九十九里で作っているのも個人的に好きなところ。現地には何回か遊びに行っちゃいました。

こうして身の回りのモノを見てみると、そのカタチの理由が必ず隠れているものです。
どうやって作っているかに思いを巡らすのも、また面白いものですよ。

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