見出し画像

ミャンマーの屋台 ストリートライフ

話す人:(T)チョウチョウソーさん
ミャンマーのヤンゴン出身 日本に難民として来日、現在は高田馬場でミャンマーレストラン「ルビー」を経営。NHK海外放送キャスター、在日ミャンマー人支援、大学教授と一緒に学生の社会活動協力、など多方面で活動
聞き手:(Y)山下 crafts of myanmar noteの管理人

Y:今日は屋台について伺います。東南アジアと言えば屋台ですね。タイなんか屋台村があったりして。ミャンマーの屋台はどういうものなんでしょう。まずはこの写真から。朝、ホテルの窓から見下ろしたら屋台が道に出て通勤途中の人が何か食べていました。屋台というか即席の食堂みたいです。何を売っているんですか。

T:これはスープと和え物のお店です。御飯、麺、ビーフン、ソバに酸っぱい、しょっぱい、辛い和え物を混ぜて食べます。きな粉もいれます。朝ご飯を簡単にここで食べて仕事に向かいます。
Y:きな粉ですか。
T:きな粉はミャンマーでも良く食べます。旨味ですね。

Y:ではこちらは。住宅街で前を歩いていた人です。南国らしくていい感じでした。

T:ああこれはミャンマーの雰囲気。この人も和え物を売っています。トーフを切って、ターメリック、油、唐辛子、タマリンド、きゃべつ、玉葱のスライス、ナンプラーを加えて混ぜて食べます。ひよこ豆のきな粉も加えますね。トーフはひよこ豆を使ったものが一番人気です。
Y:ミャンマーではトーフを食べるんですか。
T:ビルマ語でトーフと言います。日本と同じ。
Y:そうか、トーフは中国で生まれたから日本もミャンマーも同じように中国から入ってきたんですね。(注:ミャンマーは中国と国境を接しています)。名前も同じというのも興味深い。
T:天秤棒の前の箱に乗せているのが調味料、後ろの箱がトーフ、良く見ると椅子も箱に入れて運んでいます。この箱を地面に下ろして真ん中に椅子を置いて座る、それで屋台の出来上がりです。よく出来ています。
Y:これから商売に向かうところですね。昔は日本でもトーフ屋さんが自転車で売り歩きました。だいぶ違う。
T:ラッパを吹いていたのは知っています(笑)

Y:さて、最後はこちら。国立病院の前に屋台が沢山出ていました。

T:手前の屋台、これはモヒンガー屋さんです。(注:モヒンガーについてはこちらhttps://note.com/crafts_myanmar/n/nd9d40354f822)
手前の白いものが麺です。それを容器に入れてトッピングでひよこ豆の天ぷら、玉葱の天ぷら、それらをハサミで切って入れます。そこにスープをかけます。この白いのを見るとモヒンガー屋さんだとすぐに分かる。
Y:麺は家で作ってくるんですか。
T:麺の工場があるのでそこで仕入れます。
Y:ではスープだけ家で作る。
T:それも売っています(笑)天ぷらもそう。簡単な屋台だけあれば商売ができる、そういう仕組みができています。

Y:ここは病院の前なんですが、たぶん入院患者の家族だったりするんだと思うのですが、病院の中では食べられないんでしょうか。
T:食堂はありません。古くてそこまで設備が充実していないので、なにか持ってくるか、外で食べるかです。
Y:雑貨を売る屋台仕様のトラックも沢山止まっていました。
T:病院のなかにはコンビニもありません。だから雑貨を売る車が沢山止まって商売をしています。
Y:通りが商売や生活の場になっているんですね。ストリートライフ。
T:そうです。日本との大きな違いはそこです。だから街を歩いていても楽しいですよ。

注1:屋台はいろいろなものを食べられますが、インフラが整っておらず同じバケツの水で食器を洗うなど衛生状態は良くありません。旅行者は避けたほうが良いとのことです。
注2:写真は2019年11月にミャンマーのヤンゴン市内で撮影