ミャンマーの麺料理 モヒンガー
話す人:(T)チョウチョウソーさん
ミャンマーのヤンゴン出身 日本に難民として来日、現在は高田馬場でミャンマーレストラン「ルビー」を経営。NHK海外放送キャスター、在日ミャンマー人支援、大学教授と一緒に学生の社会活動協力、など多方面で活動
聞き手:(Y)山下 crafts of myanmar noteの管理人
Y:今日はミャンマーの料理について伺いたいと思います。ミャンマーの代表的料理と言えばまず挙げられるのが麺料理のモヒンガーです。どういう料理か簡単に説明してもらえますか。
T:モヒンガーはミャンマーでは家庭でも、レストランでも、街の屋台でもいろいろなところで食べられているとてもポピュラーな麺料理です。一日中食べられる料理ですが、朝食が多い。
お米の麺にコクのある汁をかけて、色々な具材をトッピングして混ぜて食べます。
Y:ベトナムのフォーに比べると、もっと濃厚です。麺は柔らかくて汁がよくなじみますね。くせになる味です。
T:麺はお米で作ります。米の粉を水に浸して少し発酵させます。それを小さな穴の開いた容器に入れて穴から押し出して、そのまま茹でます。これが白くて柔らかい生麺です。汁はナマズで出汁をとり、そこにナンプラー、レモングラス、玉ねぎ、にんにく、ブラックペッパー、生姜を加えて味付けします。特にレモングラスとナンプラーは大切で、魚の臭みを除きます。これが無いとモヒンガーになりません。あとターメリック、これはミャンマー料理には何にでも入っています。
トッピングには茹で卵、唐辛子調味料、パクチー、天ぷらなどをお好みでのせます。
Y:麺は特に練ったりはしないんですね。食レポしますと(笑)麺にコシはほとんどなくてフワッとしてやさしい感じ。汁は出汁が効いているというか旨味が強くて濃厚かつ複雑な味、魚のくさみはありません。てんぷらや茹で卵のトッピングでよりボリューム感が加わって、パクチーと辛味調味料がアクセントになっています。ヤンゴンの暑い街中が目に浮かびます。とてもおいしい。
T:元々はミャンマーの南の地方で生まれた料理です。最初は出汁も海の魚で取っていました。それがだんだん北方に広がっていきました。ミャンマーの北側の内陸部では海の魚はとれないのでナマズを使うようになっていったんですね。
Y:日本で作るときは出汁は何でとるんですか。
T:ナマズは手に入りにくいのでサワラ(鰆)(または、サバ)を使います。日本に来てモヒンガーを食べたいと思っていろいろ探しました。そして見つけたのが鰆です。鰆の切り身はそれほど高くないし良い味が出ます。家庭でも作れます。
Y:あー、でも僕らにはこの味は出せません。これはお店に来て食べましょう。
T:そうしてください(笑)モヒンガーについては名前の由来とかいろいろな背景があります。また今度話しましょう。
注:7月13日 投稿に間違いがありましたので訂正しました。
「一日中食べられる料理ですが、朝食が多い。」を追加しました。
味付け材料に、玉ねぎ、にんにく、ブラックペッパー、を加えました。
トッピングから鶏肉を除き、天ぷらを加えました。
出汁のさわら(鰆)にサバを加えました。
(現地の写真は2019年11月に撮影)