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自分自身が気持ちよく生きなきゃ、想いは伝わらない。Omoinotakeが大切にするポリシーたち

「踊れて泣ける」をコンセプトに、日常にある身近な感情を繊細な言葉と音で描きつづけているピアノトリオバンド・Omoinotake

今こそ人気アニメや映画などのタイアップに抜擢されるなど、各方面で人気を博している彼らですが、もともとは音楽の方向性に悩み、渋谷を中心にストリートをはじめとするライヴを重ねていくなかで「自分たちの色」を見つけていったのだそう。

今回はそんなOmoinotakeに、これまでの音楽活動と環境のことをテーマにお話を聞いてみました。

Omoinotake(オモイノタケ)
福島智朗(Ba)、藤井怜央(Vo&Key)、冨田洋之進(Dr)の島根県出身ピアノトリオバンド。中学生の同級生だった彼らが2012年に結成。渋谷を中心にストリートをはじめとするライヴを重ね人気を獲得。繊細ながらも情感を揺さぶる藤井怜央の魅力的なボーカルが「踊れて泣ける」グルーヴを生み出し、今の時代のカルチャーと相まっている。

音楽を通じて、1年のなかの1日でも環境のことを考える日を

ーーOmoinotakeさんは、普段環境のために取り組まれていることはありますか?

冨田さん:
僕はもともと釣りが好きなんですけど、釣り人たちによるゴミ問題というのは度々ニュースとしても取り上げられることでもあって…それがすごい悔しいんですよ!

だから、釣り場に行ったときは、来たときよりも美しく、ずっとそこで釣りができるように願いを込めて、ゴミ拾いをするようにしていますね。プラマイゼロを通り越してマイナスになるように。

福島さん:
僕は単純にゴミが増えるのが嫌なので、ペットボトルを買わないで、お茶を作ったりしています。

ーーおふたりとも、ゴミを出さないように工夫されているのですね。

藤井さん:
僕たちは駆け出しでテンヤワンヤだった時期から、太陽光エネルギーのロックフェス『THE SOLAR BUDOKAN』に出させていただいているんですけど、出させていただくたびに、環境について想いを馳せていますね。

音楽という間口の広いものを通じて、1年のなかの1日でも環境のことを考えることって、すごく大事だと思うんですよ。

藤井さん:
『THE SOLAR BUDOKAN』は音楽の力によって、みんなの意識が少しでも地球や環境のほうへ向くことができる機会だと感じます。

佐藤タイジさんの熱い想いが込もっているフェスなので、いつか僕たちもこんなふうに、自分たちの意思を持った形でのフェスをやってみたいですね。

活動が、「誰かの生活のなかの楽しみのひとつ」になった瞬間

ーーOmoinotakeさんがつくる楽曲には、日常にある身近な感情が描かれていると感じるのですが、普段の活動のなかで大切にされていることはありますか?

福島さん:
僕は作詞をすることが多いのですが、「心にない言葉を使わない」という意識があります。絶対に歌詞で嘘を吐かないこと。

それは自分だけでなく、メンバーとも共有したいので、歌詞を書くときはメンバーとの擦り合わせを綿密にしています。

ーー歌詞のインスピレーションはどのようなところから受けているんですか?

福島さん:
もともと本を読むのが好きなので、日常的に作品からインスピレーションを受けることが多いですね。ストーリーをなぞるというよりも、本でも映画でも、作品に触れることで自分自身の想いに気付くと思っていて。

「自分はこんなことを感じていたんだ」というのを知るきっかけのひとつとして作品があると思っています。

藤井さん:
僕は「踊りながら泣ける」というコンセプトを大切にしています。言葉やメロディーで泣けて、サウンドで踊れるということ。

もともと踊れる音楽が好きだし、泣ける音楽も好きだったんですよ。そのうえで、どっちもやることができたら、俺らは唯一無二になれるかもしれないな、ってところから「踊りながら泣ける」ことを大切にするようになりました。


ーーもともとは違うコンセプトだったんですか?

冨田さん:
そうですね。最初の5〜6年は何となくやってて…。

福島さん:
5〜6年は盛りすぎかな(笑)。3年ぐらいだと思います。2012年に結成してからしばらくは、特にコンセプトもなくて、何となくやっている感じでしたね。

冨田さん:
やっぱりストリートの影響は大きかったかな。

当時はストリートライブを22時ごろにやってたんですけど、(仕事で)家に帰れないサラリーマン2人組が、缶ビール片手にふらりと来るんですよ。

冨田さん:
ライブが終わると、「まだ仕事があるから」って会社に戻っていくんだけど(笑)。

その人たちはいつも遊びに来てくれたし、その人たちの生活のなかの楽しみのひとつになっている実感がありました。

福島さん:
当時はコロナ前だったので、外国人観光客の方が集まってきて踊ってくれたり、音楽には言葉を超えたパワーがあると感じましたね。

藤井さん:
そうやって活動を続けていくなかで、いつしか俺ら3人だけのものじゃなくなった瞬間がやってきたんですよ。

いろんな方が着いてくれて、一緒にやってくれて、それでも全然結果が出なくて…。そのぐらいからですね。「これは気合い入れていかなきゃな」とスイッチが入ったのは。

福島さん:
活動の原動力が、最初は「有名になりたい!」みたいな自分のためのものだったのが、“誰かのため”にどんどん変わっていく時間だったのかなって思いますね。

自分の「想い」を第三者に伝えていくためには?

ーーOmoinotakeさんは、これまでストリートライブで、「伝えることの難しさ」のようなものも感じられていると思うのですが、想いを伝えるうえで大切にしていることはありますか?

冨田さん:
僕はドラムをやっていて、自分自身が叩いている「ドラム」という楽器をどれだけ愛せるかはすごく大事だと思っています。

音に対して一つひとつプライドを持って、自分の大好きなドラムプレイでやれば、絶対にそれはお客さんに伝わると思ってますね。

…自分で言ってて恥ずかしくなっちゃった(笑)

一同:(笑)

福島さん:
僕はさっきも同じことを言ったけれど、嘘の言葉は絶対に届かないから、嘘だけは吐かないようにしています。

ただ、「本当のことを探す」ってすごく難しいことでもあるので、それがちゃんと出てくるまでは妥協しないようにしていますね。

福島さん:
僕は歌詞のなかで風景描写をよく使うのですが、最近では中津川や海沿いなどの自然のなかで演奏させてもらうことが増えてきて。

こんなにも綺麗な景色を、今は誰かが綺麗にしてくれてるけど、それを守っていかなきゃ続かない。今の子供たちが大人になったとき、ここで音楽ができないのは悲しいなと思うので、そういう想いを素直に曲にしていきたいですね。

藤井さん:
単純にまわりに流されて自分の思っていることを言わない、空気感に流されて「言わなくていっか」ということは絶対にないようにしていますね。

自分のなかで生まれた感情は出さないとおもしろくない、と思って最近は生きてます。自分の考えに自信をちゃんと持って、思ったことは発言しようと。

ーー最近ですか?

藤井さん:
もともとそういう感じで生きてきたけど、最近ではより一層感じますね。思ったときに言わないでストレスを溜めることが増えてきたので、それは健全じゃないと思った。

やっぱり自分自身が全力でやり切ったライブは本当に楽しくて、これがあるからOmoinotakeを続けられるなって思うんですよ。

だから、何よりも自分自身が気持ちよく生きることが、想いを伝えることに繋がるんだと思います。

(取材・執筆=いしかわゆき(@milkprincess17)/撮影=友海(@6stom__

Omoinotake ONE MAN TOUR 2022 “DECADE”開催!

Omoinotake結成10周年を記念して、全国8ヵ所9公演の『Omoinotake ONE MAN TOUR 2022』がスタートします。

藤井さんからのコメントはこちら!

 「今年はいろんな野外フェスに出させてもらって、いい景色を見させてもらって、さまざまなバンドのステージの立ち振る舞いにたくさんの刺激をもらいました。そのぶん、俺たちも全国ツアーでかっこいいところを見せたいと思うので楽しみにしていてください!」(藤井さん)

ツアータイトルの“DECADE”には、今年結成10周年という節目を迎えた彼らが、これまで応援してくれた方への感謝、そしてこれから先の10年に向けての一歩を踏み出す自身に対しての決意が込められているそう。ぜひ公式サイトからチェックしてみてください!

高めよう 脱炭素指数!

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