みんなで作ったみんなと一緒にできるプログラム
タイトルの件ですが、今週ようやく動画が3本仕上がりましたので、振り返っての投稿でございます。
是非最後までお付き合いください。
CENTERPOLE Training Program動画
まずは、3本の動画が何の動画か、ご覧になっていない方も多いかと思いますので先に動画をシェアいたします。
各動画が20分程度の尺なので、全部見きれない方は一部分でもいいのでご覧ください。
こちらの動画は、障害がある方もない方も一緒に楽しみながら運動ができるトレーニングプログラムです。
今日はこちらのプログラム完成までの経緯をお伝えしてまいります。
それぞれの立場の皆さんと共に同じ方向性を持って完成させることができた作品です。
関係してくださった皆さんのご紹介とリスペクト。そしてたくさんの方にこのプログラムが届くように綴ってまいります。
これじゃまずい!と思いスタートした企画
私たちセンターポールは今まで学校に訪問してパラスポーツを通じての交流授業を行っております。
コロナ前は年間100校近く選手と一緒に訪問し、パラスポーツの体験や選手との交流を通じて障害理解教育を行ってきました。が、しかし。その運営予算の財源はオリンピックパラリンピックの予算の一部です。そして東京都の学校はオリパラ予算というものが各校に設けられていたのですが、都外の学校になると予算がないところが殆どです。
この活動の必要性はすごく感じていたからこそ、僕らはオリパラ後も継続して行っていきたいと思っていたし、どうにか学校と一緒に取り組める方法を模索していました。
そこで、当初準備していたプランが学校にパラスポーツ部を作るということでした。
結論から言うとこれは失敗しました。
あまりここでは詳細には書きませんが、学校側との課題意識のギャップがありすぎました。
言葉を選ばずに言うと障害を持つ子供が学校でスポーツができないことを、課題として捉えることが出来ない、もしくは学校と言う仕組みの中で障害を持つ子供が不自由なくスポーツができる環境を作れないことが殆どでした。
これは5年近く学校授業で回って障害理解学習してきた身としては、自分の力不足と不甲斐なさを痛感。
学校という子供達にとっては多くの時間を過ごす環境で誰もがパラスポーツの環境を作りたかったですが、地域や自分たちでできるプログラムやコミュニティを作ることに方向転換。
方向転換といっても既にセンターポールでは毎週の定期運動クラスも行っている状況であったのでそれ以外の平日での運動できる環境やプログラムを提供していくことに注力です。
クラスに来たときは競技用の車いすも指導もできるけど、多くの子供はスポーツ用の車いすを持っていないし、持っていてもやれる環境がないので自宅でもできるトレーニングプログラムを作ることにしたのです。
心強いパートナー
2020年から本格的にNIKE JAPANさんとお付き合いさせていただいているのですが、当時NIKEの担当だった岡本さんがパラスポーツと普及を本当に熱心にバックアップしてくださってセンターポールの活動を後押ししてくれました。
そして2021年にはNIKEさんと共に、ナイキトレーニングアプリでも初となる障害の有無関係なしに参加できるワークアウトプログラム”INCLUSIVE TRAINING”の開発に携わらせていただきました。
(ナイキトレーニングアプリで、日本国内のセッション動画が配信されるにも初だったそうです。)
この時のプログラムを監修してくださったのが、NIKEマスタートレーナーの桑野(田中)東萌さん。
日本に二人しかいないNIKEマスタートレーナーの1人です。
トモさんに現状の課題と、プログラムをより多くの人へ届けたいので協力を仰いだところ即決OK。トモさんも同じように障害を持つユーザーの運動課題を感じていてくれていたのでした。どんなプログラムを世に届ければいいか沢山議論して、今回のテーマを3つに決定。
既に運動をしている方に向けた強度があるコアトレーニング
体のコンディショニング、マインドを整えるトレーニング
キッズ、ジュニアが日常生活で活かすことができるトレーニング
この方向性でプロジェクトがスタートとなりました。
自分の競技だけじゃなくて、世の中に価値を発信してくれるメンバー
今回のプログラムもモデルとなる選手、ジュニアもいたほうが良いねと考えて相談したのが、センターポール初期メンバーの二人。
2大会連続パラリンピックメダリスト車いすラグビー若山英史(わかやまひでふみ)選手、車いすバスケットボール篠田匡世(しのだまさつぐ)選手。
ジュニアプログラムにはセンターポールメンバーのひなたくん。
みんな出演を快諾してくれました。
多分、三人とも時代や環境は違えど同じ悩みを持っていたと思います。
今回、自分たちでその社会課題を解決しようとアクションを起こしてくれました。
BGMは北海道のレジェンドDJ TAMAさん
ワークアウトプログラムには音楽も欠かせません。
しかし、配信で多くの人に届けるには権利の問題もあるためオリジナルの音源が必要です。
そんな人周りにいない。。。とは一瞬も思わなかった。
何故ならセンターポールの社長はラッパー社長。お願いできる人は何人か思い浮かんだのですが、何度も一緒にお仕事をさせていただいている北海道のDJ TAMAさん。北海道のレジェンドです。
丁寧に何度もリクエストに合わせてビートを調整してくれました。
いざ撮影。がしかし、カメラマンがいない!
プログラムも完成、キャストも決まり。
撮影会場は去年から、東京ガスさんのサポートで新豊洲のユニバーサルクールスポットを使用させてもらえることになったので新たにリニューアルして準備万全!
、、、のはずでしたが、まさかのいつも依頼していたカメラマンが仕事実行できない事態に。マジか。
今回撮影に関する予算は、日本財団さんから助成してもらっている予算での実行でした。
新たに動画の撮影者、編集者を剪定する時間もないし予算もオーバーするのが目に見えていたので、選択肢は一つ。
いつものように自分たちでやろう。
一択でした。
僕らは素人ですし、今思い返すとマイクをピンマイクにしてトラック後から被せたら良かったとか、カメラ位置があっちがよかったとか改善点は沢山あります。
でも良い雰囲気で、今の状況の中でベストは尽くせました。
みんなで作ったみんなと一緒にできるプログラム
今回のタイトルでもありました、この言葉に尽きます。
僕らは生まれてきた姿も環境も違いますが、体を動かす喜びを得る権利は誰にだって平等に与えられているハズ。
しかし色んな理由で壁(障害)になっている人がいるのは事実です。
社会も変わって欲しいけど、自分たちでも体を動かす楽しさを見つけてほしい。このプログラムのようにみんなで一緒に考えればみんなで一緒に楽しめるという事も知ってほしい。
プログラムは完結されたものではなくて、これから生活を豊かにしていく為の第一歩やベースとなるプログラムだと思っています。
僕たちの生活はスポーツでもっと良くなるハズだし、幸せになれるハズ。
体に障害がある人だけではなく、沢山の人にこのプログラムを知ってもらえたら次に繋がります。
まぁまぁの長文でしたが、文章を打っていたら目頭が熱くなってきました。
最後に今回のプログラム出演してくださったみなさんのコメントを載せたいと思います。
このプログラムは無料で開放しているので是非、ご自宅、学校、職場、運動クラブ、福祉施設沢山使ってください!感想や様子も教えてくれると嬉しいです。