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OEDO[2-3] 日の丸の矜持

ある種「北風と太陽」のような話です。自衛隊が正義活動にシフトすることで、周辺国の独裁者たちを身ぐるみ剥ぎ(支持率を奪い)、丸裸にする(軍備を無効化する)策略です。姑息な手段、卑怯な変化球のようですが、実は王道。正々堂々と世界に胸を張れる法案になります。

それは緊急時の人命救助だけではなく、平時の国際貢献との二本柱で、真の積極的平和主義を推進するからです。その主たる活動として、まずは世界中の地雷撤去を掲げましたが、国際貢献はそれだけにとどまりません。仮に全ての地雷撤去を完遂したとしても「地球防衛隊」の活動は続きます。

例えば、世界中で広がる森林火災と炭鉱火災(炭層・ガス田火災)。両者ともに大量の温暖化ガスを放出しますが、特に世界中で1000ヶ所で燃え続けているとされる炭鉱火災。メタンガスや有毒ガス、水銀までをも撒き散らすも、消火技術と予算との問題とで鎮火の目処は立っていません。

加えて砂漠化や水源問題、海面上昇や森林破壊、さらには土壌汚染や海洋汚染など──世界には多くの課題が山積しています。温暖化により影響がさらに深刻化し、被害も広域に拡大していることから、’21年には国連人権理事会が「人権問題として取り扱う」旨の決議行なっています。47カ国のうち43カ国の賛成によって──。

47のうちの43。棄権したのはロシア、中国、インド、そして日本の四カ国でした。ある種の人たちからすれば、まさに同一視されたくない国家とも同列に並んでいるのではないでしょうか。民度が低いと罵っていたローグネイションたちと。しかし実際はそうではありません。日本は「棄権」しつつも行動しています。

奇しくも同じ’21年。日本は自衛隊を初めての国際緊急援助活動に派遣しているのです。温暖化により深刻化しているオーストラリアの大規模森林火災における出動。前年9月から1,000ヘクタール以上に延焼し、28名の方が亡くなった火災。豪政府からの要請を受けた上でのことですが──。

その際に、日本が海外から受けた賛辞を抜粋してみましょう。「Arigatou Gozaimasu Nihon!!! 助けが必要な時に駆けつけてくれた事を嬉しく思う!」「日本が私たちと一緒に災害と戦ってくれるなんて感動的!」「日本人は復旧のエキスパートだからね。日本からの支援は本当に助かる。」

「これは本当に嬉しい! やっぱり日本は最高だ!!!」「自衛隊の人たちは国に家族を残して、私たちを助けるためにオーストラリアに来てくれた。そのことを思うと感謝の気持ちでいっぱいです。」「日本は俺が最も信用してる国の1つ。政府は貿易面でも更に日本との結びつきを深めるべきだ。」

「日本で働いてた1年間は絶対に忘れられない……。ワンダフルな国、ワンダフルな人々……。自衛隊員がオーストラリアを気に入ってくれたら嬉しい。」「絶対に日本に行くべきだ。日本人は親切で礼儀正しい、素晴らしい国民だぞ。」「本当の友だち(Friends Indeed)」──。

いかがでしょう。心震えませんか。つい多めに抜き出してしまいましたが、僕が書くこんな散文より、よほど伝わるものがあるはずです。机上の空論をいくら唱えるより、現実における行動の方が人々の心を動かし、ひとつにします。現実の持つ力強さにこそ、世界を変える力は宿ります。

実際カンボジアでは、多くの自衛隊OBの方々が地雷撤去ボランティアに従事されてきました。その中には’92年の国際連合平和維持活動に動員された方々もいらっしゃいます。自衛隊初の海外派遣ということもあり、国会が紛糾したというPKO法案のことを知ると、複雑な想いにならざるを得ません。

あれから30年。あの白熱した議論は忘れられても、OBの方々は現地に戻り、JMASを筆頭に多数の方々が今も残る地雷の撤去に取り組んでいらっしゃる。当時現地で活動し、実際に地域の方々と触れ合った経験がその原動力だということですが、頭が下がります。これこそが本当の「平和維持活動」なのだと思います。

今でも自衛隊が紛争地域に出動するとなれば、国会は紛糾し、反対運動も起こります。「武力ではなく実力だ」などと言っても誤魔化せません。全ての軍事力を放棄し、平和活動に専念する組織となる必要があるのです。国内の救助活動であっても、本質が軍隊であることから嫌悪感が発せられることのある自衛隊です。国際的な救助活動ともなれば言わずもがな。人から感謝されるには、胸を張って活動できなければ意味がないのです。

日本、日の丸──その国名、国旗からして我が国のアイコンは「太陽」です。世界を暖かく照らす輝かしい国でなければいけません。軍拡による「北風」政策なんてもってのほか。そんな似非愛国者を斥け、世界中に愛される太陽の国にしてみせてこそ真の愛国者たり得ます。旭日旗だって掲げられます!

「地球防衛隊」も同じ。弱みにつけ入る懐柔策。卑怯で姑息な戦法に思えて実は王道。クロコダインも改心して「あいつはオレたちの心の闇に光を与えてくれた……太陽なのだ!! 生きとし生けるものにはすべて太陽が必要なのだ」と武士道を貫きます。胸を張って大々的な大冒険が出来るようになるのです。


※最後までお読み頂きありがとうございます。この「地球防衛隊」全体の構想は最初の投稿「OEDO[0-0]地球防衛隊法案──概論」にまとめています。それ以降の章は、この章も含めて、その詳細を小分けして説明する内容になっております。

第一部[1-1]〜[1-9]では「戦争観のアップデート」について。第二部[2-1]〜[2-9]では「地球防衛隊の活動と効用」について。第三部[3-1]〜[3-9]では「予想される反論への返答」について。第四部[4-1]〜[4-9]では「地球防衛隊に至る思想的背景」についてを綴って行く予定です。

敢えて辛辣に、挑発的に書いている箇所もありますが、真剣に日本の未来を危惧し、明るいものに変えて行きたいとの願いで執筆に励んでいます。「スキ♡」「フォロー」や拡散のほど、お願いいたします。

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