Plain Jay「Frozen 2」全曲解説
仙台のラッパーのPlain JayがリリースしたEP「Frozen 2」のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。
仙台を拠点に活動するラッパーのPlain Jayは11月9日(木)、新作EP「Frozen 2」をリリースした。
オーディション番組「ラップスタア誕生」への出場でも話題を集めたPlain Jayは、今年既にソロでのEP「Frozen」と¥OUNG ARM¥とのコラボレーションミックステープ「Slime 4 Life 2」をリリースしている多作なラッパーだ。シリアスな情景描写を得意としながらもラフな側面も覗かせるリリックと、バリエーション豊かな声色やフロウの引き出しを持った表現力の高いラップを特徴としている。
今回リリースするEPは、福島のプロデューサーのKaworuMFがエグゼクティヴ・プロデュースを担当した8曲入りの作品。哀愁漂うエモーショナルな路線やクラブバンガーなど、現行のアメリカのトラップを消化したスタイルを聴かせるものとなっている。これまでの作品で多彩な側面を見せてきたPlain Jayだが、今回の作品では堂々とした力強い発声を中心に芯の通ったラップを披露。Plain Jayはこのアプローチについて「来年3枚目のミックステープをリリースする予定なので、今後僕が表現していく音楽の方向性やスタイルをリスナーの皆に提示するような作品を目指した。今までのソロ作品よりもビートの雰囲気やフロウのまとまりなどを意識して作った」と話している。なお、「Frozen」というタイトルは「季節が春でも夏でも関係なく、置かれている環境のせいで常に寒さを感じながら過ごしている。この寒さ、冷たさを表現する時に『ICE』や『Cold』などの言葉ではなく、『Frozen』という言葉がピッタリとハマると思い名付けた」ものだという。
プロデュースにはエグゼクティヴ・プロデューサーのKaworuMFをはじめ、これまでにも共作経験のあるDJ EZEL、WooRook、初合体となるayokikomakeitflamesが参加。客演にはFreekoyaBoiii、Deech、Myskinteriyakiを迎えている。ミックスとマスタリングはKaworuMFが担当。アートワークは「Slime 4 Life」収録曲「YAKEDO」のMVでタイトルデザインを手掛けた龍ちゃんラーメンが制作した。
1. Frozen 2 (feat. FreekoyaBoiii) (Prod. by KaworuMF & WooRock)
2. IGINARI (feat. Deech) (Prod. by KaworuMF & WooRock)
3. Bithches Remix (feat. Myskinteriyaki) (Prod. by KaworuMF)
4. 最低 (Prod. by KaworuMF & DJ EZEL)
5. Game Over (Prod. by KaworuMF)
6. Hee Hee (feat. Myskinteriyaki) (Prod. by KaworuMF & ayokikomakeitflames)
7. OTSUKARE (Prod. by KaworuMF & ayokikomakeitflames)
8. 冷凍 (Prod. by KaworuMF & WooRock)
また、リリースページ用の紹介文も担当しました。
全曲解説します。
1. Frozen 2 (feat. FreekoyaBoiii)
ピアノをループした哀愁系トラップ。
寂しげなムードですが、細かく刻む808がしっかりとハードさを出しています。FreekoyaBoiiiとの歌心のあるラップの絡みも好相性。
メンフィスものっぽいバンガー。
ボコボコとした低音や早めのピアノが効いたビートで、Plain JayがFreewayあたりにも通じるパワフルなラップを聴かせる曲です。Deechの寸止め系ラップもばっちり。
3. Bitches (Remix) (feat. Myskinteriyaki)
既発曲にMyskinteriyakiが参加したリミックス。
2000年代アトランタヒップホップ的な匂いも漂う、スカスカの曲です。二人の脱力感のあるラップも馴染んでいます。
4. 最低
ちょっとRap-A-Lotものっぽいオルガンを使った曲。
基本的にはトラップですがテキサスG風味があります。オフビート気味のフロウでリリックがすんなりと入ってきます。
5. Game Over
ダークなストリングスが印象的なクランク。
この曲も現行メンフィスっぽいノリです。Plain Jayの張り上げる発声のラップが強烈。
6. Hee Hee (feat. Myskinteriyaki)
冷たいピアノやストリングスをループしたシリアスな曲。
「Game Over」から一転、ここでのPlain Jayはクールで力を抜いた発声を聴かせます。フックがキャッチー。
7. OTSUKARE
緊張感のあるピアノが光るトラップ。
フックでは早回しの声も使ってユーモラスな側面も出していますが、それでも全体としてはシリアスな印象です。フリーキーなフロウが際立っています。
8. 冷凍
WooRock得意のミニマルなループの曲。
そこに跳ねるような808を絡めたハードなトラップです。Plain Jayのルーズなラップの魅力とも見事な相性。
ここから先は
¥ 100
購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです