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AIが選んだGLAY入門用5曲をファン歴23年が考察&反論!
最近、私のSNS友達からこんな質問を受けた。
「GLAYって、私ほとんど知らないんだけど、何から聴けばいいかな?」
そこでファン歴23年の私は今や300曲を越えるGLAY楽曲の中からの5曲を、参考までにまずChat GPTに尋ねることにした。
Chat GPTが選ぶGLAY5曲
「HOWEVER」
「Winter, again」
「誘惑」
「BELOVED」
「I'm in Love」
AI選曲の考察
まず、AIは何を重視して選曲しているのだろうか?
尋ねてみると・・・
バンドを代表するヒット曲
バンドの多様性を示す曲
アルバムのキーとなる曲
ライブでの定番曲
メッセージ性の強い曲
初心者にも聴きやすい曲
ファンの間で評価の高い曲
と返ってきた。
ではそれぞれ考察してみよう。
「HOWEVER」
人気を不動にした名バラード。みんなのランキングで1位。シングルの売り上げは4位だが、「バンドの多様性を示す曲」以外すべてに該当しそうだ。ライブでの演奏頻度も高い。
「Winter, again」
シングルの売り上げNo.1。見事な情景描写と難解でリリシズム溢れる歌詞という意味でもGLAYの創作面の真骨頂にして、看板曲と言って差し支えない。因みに「アルバムのキーとなる曲」としては下の部類。
「誘惑」
シングルの売り上げNo.2。ハード系では最もポピュラーだろう。ライブでの盛り上がりも特筆点で、演奏頻度トップの定番曲。メッセージ性は数段落ちるが、最初の一行ほど強烈な歌詞も中々ない。
「BELOVED」
現在でもカラオケでよく歌われる人気曲で、ねとらぼでも人気1位を獲得。個人的に最高傑作だと思う『BELOVED』において「アルバムのキー」を担っている点でも心憎い選出だ。
「I'm in Love」
明らかに「バンドの多様性を示す」枠として選曲されている。GLAYの楽曲に通底する「愛」というテーマを最も普遍的に追求した意味でも妥当なチョイスか。
さて、楽曲のポピュラリティにしても組み合わせにしても、上記の①~⑦を満たしたAIの選出は一見手堅いように見える。
AIに反論してみる
・年代が偏り過ぎている
AI選曲は1996~99年の高セールス期に完全に的を絞っている。今や30年に及ぶ彼らのキャリアに対して3〜4年では短過ぎる。
・バンドの多様性は十分に示せているか?
AI選曲は「誘惑」にロック枠を、「I'm in Love」に実験枠を担わせ過ぎている。セールス重視だとテンポや曲調は良くも悪くも近似してきてしまう。
・「初心者でも聴きやすい」は当時と現在とで同じとは限らない
「Winter, again」は確かに売れたが、私は玄人向けな曲だと思う。選曲の相性次第では上記の多様性の問題と同様、平坦に聴こえてきてしまう。
・GLAYにとって「メッセージ性の強い曲」は"愛"だけなのか?
確かにGLAYは常に「愛」について唄っているが、メッセージ性が力強くなるのがラブソングとは限らない。GLAYの「愛」はもっと広義的だからこそ偉大なのだ。この点は年代を絞った影響だろう。
自分がGLAY5曲を選ぶなら
「SOUL LOVE」
ヒット曲枠として。ロックでもポップスでもない"グレイ"を象徴するような曲。アップテンポであるにもかかわらずバラードベストにも収録されている。
「嫉妬」
埋もれた名曲No.1と言っても過言ではない。これが非シングル曲なことに驚いたリスナーは少なくない。GLAY特有のドライブ感と熱量のバランスが素晴らしい。流麗なディレイフレーズを非凡にするデジタルチックなアレンジも野心的だ。
「つづれ織り ~So Far And Yet So Close~」
GLAYなら冬の曲は一つ入れたい。ライブでは終盤に登場。「自分らしさなんて言葉は嫌いだった 生き方が上手な人の台詞だって」━そんな等身大の苦悩と切ない愛でリスナーの共感を呼び起こすのもまたGLAY。美しくも儚い曲調もマッチしている。
「coyote, colored darkness」
"GLAYはこんなこともやる"アピールならHISASHI曲が良い。この曲のサイバー系のギターサウンドもそうだが、彼は常にGLAYのアーティスティックな部分を担ってきた。実験性と普遍的なカッコよさのバランスでチョイス。
「Bible」
ドライブ感もグルーヴ感も進化するGLAYが生んだ2010年代の名曲。歌詞には具体的な時事ネタまで取り入れ、同時代人の苦しみや悲しみに寄り添うGLAYの広義的な"愛"を体感できる。
私はキャッチネスはなるべくそのままに、ヒット曲・定番曲の枠を「SOUL LOVE」一曲に抑え、曲の多様性とメッセージ性と年代幅をより重視してみた。
相手が自分と感性が全く異なる前提で考えているのが、私とAIとの決定的な違い。5曲全てを気に入ってもらうより、どれかで引っ掛かればいいという戦略だ。
総括
選ぶのに悩んできたら何時間も経っていた。それくらいGLAYは大きかった。私にとってGLAYとは、彼らなりの"愛"と"グレイ"の概念を追求し柔軟に刷新し続ける現在進行形のバンドである。
音楽を血管に入れたように育っても、振り返る度に思いもよらない別の魅力が現れてきたりする。それでも変わりゆく自分をそばで微笑んで見守ってくれる親友とか兄貴みたいな…そんな存在かな。
因みに例のSNS友達はそのままGLAYを聴き続け、『THE GREAT VACATION VOL.2』よりも『REVIEW II』が気に入ったらしい。逆に私が影響されて聴いた安室奈美恵は、初期よりも中期の方が気に入った。統計は暫くすると単なる数字になるが、真価はそこから発揮されるのかもしれない。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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