稀代の名演、フリッチャイの『悲愴』(1959年、ベルリン放送響)を聴く
数多くある『悲愴交響曲』の録音の中でも特に気に入っている名演です。
音源の情報曲目: チャイコフスキー作曲『交響曲第6番ロ短調Op.74, TH30「悲愴」』
演奏者: フェレンツ・フリッチャイ(指揮)、ベルリン放送交響楽団
録音: 1959年9月、ステレオ
レビュー
第一楽章
序奏部の出だしは実に幽玄で、浮き上がるように奏でられる旋律に孤独感が漂っている。第一主題の相手に直に訴えかけるような話術は、他では聴けない説得性。第二主題第一句ではベルリン放送響の弦の温かみが、