のっち♬

はじめまして、のっち♬です。 音楽と読書とユーモアをこよなく愛するミドサーの薬剤師です…

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はじめまして、のっち♬です。 音楽と読書とユーモアをこよなく愛するミドサーの薬剤師です。 過去7年間で読了した本は二千冊、聴き込んだアルバムは一万枚。 日常で感じたことや、少しばかり懐古志向だったりニッチだったりする趣味について書こうと思っています。 よろしくお願いします🍀

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クラシック音楽リスナー歴30年が独断と偏見で選ぶ"推し指揮者"7名

今回の選考基準は、同曲異演中のベスト演奏の多い順でも、所持音源数でもなく、直感的に"お世話になっている順"と思ってもらえればいい。かなり似たようなものなんだけれども・・・ 1. クラウス・テンシュテット 自分が指揮者という職業に興味を持つきっかけとなったのが、彼とシカゴ響とのマーラー『交響曲第1番』を発端とするバーンスタインとの聴き比べだった。バーンスタインの熟練した設計力・陶酔に感心しつつ、テンシュテットの"一瞬先すら何が起こるか予測がつかない"体当たりなライヴ音源は、

    • オランダ産ロックバンドThe Gathering全作品を徹底解説!!🇳🇱 〜ゴシックメタルからアートロックへ〜

      The Gatheringは、オランダ出身の音楽バンドであり、彼らのディスコグラフィーは初期のデスメタルから実験的なアートロックへの多様な進化を示している。バンドはそのスタイルを変遷させる中で、メンバーの変化やさまざまな音楽的影響を取り入れ、常に創造的な限界を押し広げようとする意識的な取り組みを行ってきた。本稿では、The Gatheringの音楽的変遷を辿り、その特異なアイデンティティ、課題、そして今後の展望について考察する。特に、彼らの音楽におけるボーカリストの役割の重要

      • 『私を忘れないで』— グラフィックノベルが描く愛、性、記憶、そして老い

        アリックス・ガランによる『私を忘れないで』は、ベルギーのバンド・デシネ作家が描いたグラフィックノベルで、デビュー作とは思えないほどのクオリティの高さに驚かされます。この作品は、認知症の祖母と孫である主人公が、祖母の幼少期に過ごした家を探しに旅に出るロードムービー的な物語。特に目を引くのは、その映画的な演出です。カット割りや視点の切り替えは非常に洗練されており、映像作品を見ているような感覚にさせられます。 視覚と感情の融合 この作品の表情描写は、日本の漫画と比較しても特に印

        • ペルー産プログレッシヴ・フォークEl Polenを全作品紹介🇵🇪 〜アンデスとフォークの融合〜

          初めて触れたペルーのミュージシャン。アンデスの伝統音楽とフォークロックの融合は、それだけでも異国の風景が広がるような体験だった。El Polenは、ペルーの音楽に新しい風を吹き込み、ロックやフォークの枠を超えた革新的な音楽世界を築き上げたバンドだ。今回は、彼らの代表作とともに、その魅力に迫ってみたい。 El PolenについてEl Polenは、1960年代後半にペルーで結成された、プログレッシブ・フォークと伝統的なアンデス音楽を融合した先駆的なバンドだ。彼らの音楽は、チャ

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          アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』〜新時代のドラッグ?脳科学が明かす“依存”のメカニズムと対策〜

          スマホは今や私たちの日常に深く根付いているツールだ。朝目覚めて、最初に手に取るものがスマホである人は少なくないだろう。SNSの通知、メールのチェック、ニュースのヘッドライン—この小さなデバイスが、私たちの生活を便利にしていることに異論はない。しかし、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンは、その便利さの裏に潜む大きな危険性に警鐘を鳴らしている。『スマホ脳』は、スマホが私たちの脳に及ぼす影響を、生物学や脳科学の観点から深掘りした一冊だ。 書籍の基本情報 • タイトル:

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          英国産エモThe Little Explorer①『The Little Explorer』

          The Little Explorer(以下、TLE)は、2000年代初頭に活動していたにもかかわらず、残念ながら広く知られることのなかったバンドだ。その音楽は、ポスト・ハードコア、ポスト・ロック、そしてマスロックを融合させた独自のスタイルを持っており、その独創性は現在においても色褪せることがない。TLEの音楽は、その時代の典型的な「エモ」や「スクリーモ」と一線を画す存在でありながらも、十分な評価を受けることができなかったことが、彼らの「失われた傑作」と言われる所以だ。今回は

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          地元に愛される町中華。安城の『東天紅』で東天ランチを堪能🍜

          今日は少し早めに仕事が終わったので、気になっていた安城の町中華『東天紅』へ初訪問。地元では評判のお店と聞いていたので、ワクワクしながら向かいました。 初めてならやはり店名を冠したメニューだろうと、「東天ランチ」をオーダー。セット内容は「東天飯」と「台湾麺」という、何ともボリューム満点なコンビ。店内は、これぞ”町中華”といった雰囲気。気取らないカジュアルさが心地よく、どこか懐かしい風景が広がっています。地元の人々が足繁く通う理由が、この時点でなんとなく分かった気がしました。

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          カリスマが遺した音楽:グランジ名曲3選とその衝撃

          グランジと聞くと、多くの人が90年代のサウンドを思い浮かべるでしょう。その中でも特にカリスマ的な存在を放つバンドがいくつかあります。この記事では、Nirvana、Alice in Chains、Soundgardenというグランジの代表格と、その中でも心に響く3曲について語りたいと思います。 1. Alice in Chains - 「Would?」 まず、Alice in Chainsの「Would?」は、その深みと哀愁に満ちたメロディが特に印象的です。この曲は、レイン

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          文学界の"ナンセンス"の先駆け『ナンセンス絵本』

          基礎情報 • タイトル: The Book of Nonsense • 著者: エドワード・リア (Edward Lear) • 初版: 1846年 • ジャンル: 子供向け文学、ナンセンス詩 • 構成: 112のリメリック(戯れ歌)とイラスト • 特徴: • リメリックは風変わりなキャラクターやシュールな状況を描写。 • リズミカルで音楽的なアナペスト詩形を使用。 • オリジナルの造語(例: “ombliferous,” “scroobious”)が

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          メロデスへ回帰!?The Crown『Crown of Thorns』を全曲レビュー🇸🇪

          マグナス脱退と、マーカス復帰という大きな転機を経てかつてのバンド名を冠したアルバムをリリースしたスウェーデンのデスメタルバンドThe Crown。新メンバーのリズム隊二人も新たなエネルギーをもたらしている。この記事では全ての曲をレビューし、アルバムの作風を考察する。 音源の基礎情報 ・アーティスト: The Crown ・タイトル: Crown of Thorns ・リリース日: 2024年10月11日 ・ジャンル: Melodic Death Metal, Thrash

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          『死に急ぐ鯨たち』—時代を透視する安部公房の慧眼

          1992年に発刊された『死に急ぐ鯨たち』は、1980年代の安部公房のエッセイ、日記、インタビューを集めた一冊だ。時期的には『方舟さくら丸』の頃であり、彼の文学観や社会批評を掘り下げた内容となっている。この書は、ファシズム、国家の儀式化、個人と集団の対立、そして言語の役割など、安部の独特な視点を基軸にした鋭い考察が詰まっており、彼の思考の核となる部分を鮮明に映し出している。 ファシズムと儀式化――現代社会への批判 本書で安部は、現代の国家システムがいかにファシズムを再生産し

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          Soilwork全作品をオススメの曲と共に紹介🇸🇪

          1. In Dreams We Fall Into the Eternal Lake (1997年、EP) 既に音楽性はメロディック・デス・メタル。後に1st『Steelbath Suicide』に収録される曲も収録されている。ギターのクリーントーンの使い方が、後年とは全く違っていて面白い。また、ビョーン・ストリッドのヴォーカル・スタイルも後年とかなり異なり、この時点ではAt the Gatesのトーマス・リンドバーグを彷彿とさせる。 2. Steelbath Sui

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          「ChatGPTを徹底活用! ビジネスパーソンのためのプログラミング勉強法」レビュー

          この本は、プログラミングを学びたいビジネスパーソンや初心者に向けたガイドであり、特にChatGPTの活用法に焦点を当てています。私自身、この本をきっかけにプログラミングを勉強し始めました。しかし、意見がそれなりに分かれる内容で、すべての読者にとって効果的とは限りません。 基礎情報 タイトル: ChatGPTを徹底活用! ビジネスパーソンのためのプログラミング勉強法 著者: 堀内亮平 出版社: 翔泳社 出版日: 2024/6/12 内容の概要と特徴 本書では、プログラミ

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          DRAGON BALL DAIMA開幕に沸く世界中のファンの声

          ドラゴンボールDAIMAの第1話が放送され、世界中のファンから多くの反応が寄せられています。今回はAIを使って検索と翻訳をかけ、各地域やファン層ごとの反応をまとめてみました。 ドラゴンボールDAIMA第1話に対する世界の反応日本 日本のファンは特に熱狂的です。多くの人が感動し、最初の10秒で涙を流したという声もあります。アニメーションの質や懐かしい要素が高く評価され、ベテランのアニメーターやキャラクターデザイナーの復帰が喜ばれています。 「泣かずにはいられなかった。まるで

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          The Get Up Kidsをレビュー⑦『Guilt Show』(2004年3月、4thアルバム)

          前作『On a Wire』に続き、聴き直してみた。 アルバム情報 アルバム名: Guilt Show アーティスト: The Get Up Kids リリース日: 2004年3月2日 ジャンル: Power Pop, Indie Rock レーベル: Vagrant Records 背景 『Guilt Show』はThe Get Up Kidsの4枚目のスタジオアルバムで、2002年のアルバム『On a Wire』の反響を受けて制作された。このアルバムは、バンド内の個

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          ヘルマン・ヘッセ『知と愛』— 二元性との対峙と共存

          ヘルマン・ヘッセの『知と愛』は、理性と感情、精神と肉体、知と愛という対立する二つの世界の間で揺れ動く人間存在を描いた作品であり、ヘッセの内的葛藤や人生観が色濃く反映された傑作である。ヘッセ自身の生い立ちや経験が、知的探求と感覚的欲求という二つの軸を結びつける原動力となっており、これは彼の文学的世界においても、個人的な人生においても中心的なテーマとして現れている。 書籍の基礎情報 • タイトル: 『知と愛』 (原題: Narziss und Goldmund) • 著者:

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