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【読書感想】蟹女

今日は不思議な本の世界へ📖
絵本の合間に読む、気になった本の感想を書きます。



はじめに

noterさんの読書記録で気になったタイトル。
著者も初見の方。私の母と同い年だったW(`0`)W


今日の本

『蟹女』

著者:村田喜代子
発行所 文藝春秋(1996年)


感じたこと

短編5作品どれも不思議なお話!
これが村田喜代子ワールドなのね。

この『蟹女』を知る前に知り得た『耳の叔母』というこれもセンセーショナルなタイトル作品も収録されていて、順番入れ替えて読みました^^
ネタバレになったらすみませんが、少し記録を。


『耳の叔母』
耳というのは古社の板戸に描かれた耳の化け物のこと。近所の耳がつく名字の工務店の看板から、幼少期夏休みになるとよく滞在していた田舎でみた耳の化け物のこと、叔父叔母のことを思い出した話。なかなかの不思議関連。

『ワニの微笑』
新聞社の社宅にある一家で深い夜に起こるファンタジー。この新聞記者の妻、結構スキ。

『春夜漂流』
新居に引越した夜、手伝いに来てくれた両親、弟夫婦総勢8人がひょんなことから住宅団地で迷子?遭難?!する一家。皆が同じあっけらかんなタイプだったって事かな笑ふしぎな喜劇のよう。

『ポアンカレの馬車』
天井に吊るされている自転車に乗りたがっている女の話を書きたい女性作家の話。ポアンカレは数学者だが緻密な文章家で、数学の創造性が小説の作り方のようだとし、馬車に乗るとは神の啓示を受けるということ。女作家は馬車に乗れたのか?!


どの作品も何ともいえない不思議さが漂っていました。『蟹女』は1994年の作品で紫式部文学賞受賞作。

タイトルがインパクトあり過ぎてどんな物語なんだろう??と想像するも、蟹は子をたくさん産むということから多産な女のお話に繋げています。
なかなかタイトル回収出来なくて何のお話なのかわからなくなりましたが、そういう不思議さもおもしろさなんでしょうね。

著者は私の母と同い年なのでか、物語に出てくる女系の話がかぶるところがあって笑 
母方の祖母は4人娘を産み、母の一番下の妹がその血を濃く継いで3人の娘を産みその娘(私の従妹)2人も2人ずつ娘を産んでいます。作中にあったように孫の名前を呼ぶとき、私の祖母も8人いる孫を年長者の私から順に読んでいたのも思い出しました。
父方の祖母も4人子供を産んでいる(1人は戦争時に病死)のでこの時代が皆そうだったのかもしれないけれど、70人みな親兄妹ってのは凄い…。その後の展開も不思議でした。主人公の作り話なのか本当の話なのか?そのあわいを感じ取るファンタジー。


いつも絵本ばかり読んでのほほんと過ごしているので、古さを感じるもののピリリとした刺激もあって、不思議村田ワールドおもしろかったです。

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