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PMS/PMDD(生理前不機嫌症候群)を克服した話

生理の前から、ズンと気分が落ち込み、自分の事が価値のない人間だと思う。周りの人の欠点にしか目がいかなくなる。人間関係が煩わしくなり、世界が暗くなる。しかし、生理が来るとウソのように気分が晴れ渡る。

PMS/PMDDは、女性ホルモンの変動で精神に変調が出るとされる症状で、会社を休むなど社会生活に影響あるものをPMDD、影響はないけどそれなりに辛いのがPMSと定義されます(程度の問題であって実態は同じなので、以後PMSとします)。

PMSに悩まされる女性は多い

20代女性の80%以上が、なんらかのPMSの症状に悩まされていると言われ、5%程度が社会生活に支障をきたすPMDDだと言われます。

証拠はないですが、ひどいPMSで自殺したくなる人って、いるのではないのですかね?

私は20歳前後の時、生理前には何度も自殺が頭をよぎりました。そんな私の症状は以下のようなものでした。

① ひどい精神症状:生理前に被害妄想がひどくなる。自分の人生が暗いものに感じる。自殺すら考えるが、生理がくると嘘のようにこの考えは消える。

② 生理初日に異様に眠くなる:徹夜明けの比ではない。起きていられないので、大学やアルバイトを休む。

③ 生理痛が重い:初日と2日目は痛み止めがないと辛い状態でした。

生理に関わる事は、周りに相談しにくく、母親にさえ「辛いのは当たり前なんだから我慢しないと」「痛み止めなんかに頼ったら薬がクセになる」と、根性論を解かれました。また、当時はネット情報も少なく、PMSを抑える効果のある低容量ピルもようやく承認を通ったばかり。心療内科と婦人科にもかかり、民間医療も試しました。

色々試して現在は、ほぼ治っています。

この記事では、PMSを克服した方法をまとめてみました。少しでも救われる人がいることを祈っています。

PMS克服STEP1:まず自分がPMSだと自覚する

「友達の▲▲さんの挨拶がそっけない、嫌われた。」「とにかく悲しい、辛い。」「●●さんの仕事ぶりが遅くてイライラする」

このように思う時は、次の生理がいつくるか確認しましょう。私の場合は「あぁ、生理前か。これは、思い過ごしかもしれない。」と考え直すことができました。

PMSによって生理前は攻撃的になりがちです。この攻撃の矛先が、家族や友人など他人に向く人と、自分に向く人がいます。他人に向いた場合、当然ですが、人間関係を悪化させます。自分に向いた場合、自分を価値のない人間だとみなすようになります。

間違っても、仕事の遅い同僚に当たったり、自分を不必要に責めてはいけません。感情のコントロールが難しければ、他人とうまく距離をとり、早く家に帰って休みましょう。自分が弱いと思ってもいけません

PMS克服STEP2:婦人科を受診する

PMSの背景には、子宮内膜症やホルモン異常などの病気が隠れていることもあります。これらは悪化させると、将来子どもの産めない体になる可能性があります。早めの治療をしましょう。子宮内膜症患者の約半分は、不妊症になると言われています。

婦人科にかかると、病院ごとに多少異なると思いますが、おおよそ以下のような検査が行われます。

①血液検査(赤血球や白血球など基礎的な値、女性ホルモン、貧血検査):貧血検査は、赤血球数や血色素量などの基礎的な値の他に、血清鉄とフェリチンをみる場合があります。

*血清鉄とフェリチンを測定しない医院や、測定して異常が認められても、赤血球の値が正常であれば、重要視しないお医者さんもいます。私も、「血清鉄」の項目が異常に低かったのに、赤血球の値が正常だったのでスルーされました。が、これをきっかけに次の項目に述べる鉄サプリにたどり着きました。

②エコー・内診:お医者さんが膣に指を入れて周囲の臓器との癒着などをみたり、エコーで子宮内膜の状態などを確認します。

特に目立った異常がみつからなければ、低用量ピル(と、場合によっては生理前に不安をやわらげる頓服薬や漢方薬)をすすめられるとともに、基礎体温をつけてくださいと言われるでしょう。

ちなみに、私の場合はピルを半年飲みました。すると、生理初日に眠くなる症状がなくなりましたが、残念ながら精神症状は改善しませんでした。私はピル(ルナベルとヤーズを試しました)との相性が悪く、吐き気の副作用に耐えられなくてやめてしまいました。

しかし、相性のいい人はPMSだけでなく、ニキビが出なくなるなどのいい作用もあるので、試す価値はあると思います。私の友人も人に勧めていました。

PMS克服STEP4:鉄サプリを飲む

正直、私にはこれが圧倒的に効きました。毎晩寝る前に以下の鉄サプリを飲んだだけで、PMSだけでなく、足先が冷える、爪が二枚爪になって割れるといった細かい不定愁訴がすべて消えました。

私が飲んでいるのは、Dear Naturaのものです。ドラックストアでもよく売っているサプリで、コスパがもっともいいからです。

私は、上記の婦人科での血液検査が元で鉄不足が原因なのでは?と気づけましたが、最近では、「鉄不足(鉄欠乏症貧血)による症状」がうつなどの精神疾患に診断されてしまう経緯や、そういった患者に鉄を補給すると、治らなかったうつ病が改善するプロセスが、以下の本にまとめられています。

鉄不足がなぜ、精神疾患の原因になるかというと、血中の鉄不足は、脳内の神経伝達物質を作る酵素の働きを悪くし、うつ病のような状態を作り上げるそうです。本の内容は以下の記事にまとめてありますので、こちらも併せてご一読ください。

PMS克服STEP5:精神科にかかる

精神疾患がベースにあって、生理前にその症状が憎悪することもあるようです。STEP4までを全部やった上で、治らないのであれば婦人科の先生に相談して精神科を紹介してもらうのもいいでしょう。

私の場合、STEP4の鉄サプリで克服するまでには、心療内科にお世話になったこともあります。抗不安薬などを処方されましたが、ほとんど効きませんでした。

番外編:試していないもの・効かなかったものなど

アロマ:全く効きませんでした(笑)

命の母ホワイト:1ヶ月飲んで効きませんでした。漢方薬がベースになっています。婦人科でPMSと診断されると、同様の成分の漢方薬が処方されることがあります。ロングセラーだけあって、効く人には効くらしいです。

週一回のヨガ:多少スッキリしたので毎日やっていれば、何らかの効果はあったのかもしれません。しかし、私の場合は鉄不足による倦怠感もベースにあったので運動自体が苦痛でした。ヨガに限らず有酸素運動はPMSを和らげるので、現在は生活によく歩くことを取り入れています。

心療内科で処方された抗不安剤:上に書いた通り、いくつか2、3ヶ月飲んで試しましたが、微妙でした。PMSに限らず、うつ病などの精神疾患は、正しい診断と処方が難しく、10年以上漫然と薬を飲んでも治らない患者さんも多いようです。

チェストベリー・エキス(プレフェミン):2014年頃、日本ではプレフェミンとして発売された、西洋のハーブ・エキスです。臨床試験では9割の人に効果があるそうです。私は鉄サプリでほぼ解決してしまったので、試していません。もし試した方がいらっしゃいましたら、コメントやTwitterで教えてくださると幸いです。


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