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2023年春 ウズベキスタン・タジキスタン④ サマルカンド→ペンジケント

ウズベキスタンのド定番観光地サマルカンドを完全スルーしてタジキスタンへ。国境を越え、ザラフシャン川をさかのぼるルートをとります。前回の旅行記は下記からどうぞ。

国境に向かう朝(Day 5 AM)

昼間は暑いサマルカンドも朝は涼しくさわやか。朝食前にお散歩でも、とか思っていたのを完全に寝過ごして普通に朝食会場へ。てんこ盛りの朝食がフルセットされた部屋。ロシア語100%、お客さんもほぼロシアからの方と思われる勢い。ゴールデンウイークながら日本からのお客さんはそこまで多くないみたい。

朝ご飯をいただいたら早々に出発。国境が控えているので早めの行動をこころがけます。公共交通を使うなら、宿のあるレギスタン広場近辺からタクシーで「カサコナバスターミナル」に向かい、そこからシェアタクシーとなるのですが、前日にテラスで会った日本人からは「バスターミナル工事中でよくわからなくなっていて、結構高い車に乗る羽目になった」という情報をもらっていました。ですので、もう最初っからYandex(Uber的なもの)で国境まで乗り付けることにします。86kUZS、まぁ悪くない値段。

しばらく待つと推定5~60代の運転手の方が来られました。車内では微妙にでもウズベク語を話す私にいろいろ世間話をしてくれました。「ほら、あのビル。最近できた新しい街やで!」「最近、道路工事多くて通行止めばっかりで面倒やわ、ほんま。」(関西弁訳)とか。詳しくは別記事に。

国境 Jartepa 🇺🇿/Саразм 🇹🇯(Day 5 AM)

畑が広がり遠くに残雪の山が見える、のどかな田舎道を小一時間進みました。このあたりは世界で一番海から遠い地域。なのに青々した畑が広がっているのは雪解け水のおかげ。この先しばらくはタジキスタンに水源があるザラフシャン川に沿って遡上するルートを取ります。

国境ゲートは畑の真ん中にあり、周りは菜の花が真っ盛りでした。なんでここに境界を設けたのか謎立地ですが、一応まわりに山が迫りはじめる場所で、そのあたりが唯一「境」の感じがある場所です。

Yandexの運転手さんにはゲートの真ん前までつけてもらい、快適に出国手続きの建屋に入ります。ちょうど同じタイミングでデンマークからの3人組と一緒になり、同じタイミングでの国境越え。その他はとくに人は見当たらず極めてスムーズでした。ウズベキスタン出国は手荷物X線検査と係員からの質問でするっと通過、タジキスタン入国もほぼ無質問で通過できました

タジキスタン側の建屋を出た先ものんびりしていて、数台のタクシーが待っていました。ちょうど件の3人組もペンジケント行きということで相乗りさせてもらってペンジケントまで。市内の彼らのホテル前で下ろしてもらってお別れ。時刻はまだ11時前。想像をはるかに上回るスムーズな国境越えでした。

ペンジケントでのんびり(Day 5 PM)

ペンジケントは標高1000m程度、なので完全に高原の風。日陰に入れば本当にさわやかな場所でした。予約していたのは『歩き方』にも掲載のあるSalom hostel。町の中心にある川を渡った東側、風が涼しく吹き抜けます。

宿は住宅街の中。maps.meの地図をたよりに薬局の角を曲がって路地を歩くと、番地的にはここ。ん?これ宿??よくみると呼び鈴があるので、「押してみて、もし違ってたら「グジェー・ホステル?(宿どこ?)」で押し切るか」と思ってピンポン。

ここで正解でした。荷物を置かせてもらって町にお昼を食べに出ます。

とはいえタジキスタン・ソモニ(TJS)を全然持っていないので、まずは両替かATMを探します。宿まで歩く途中に銀行を見つけていたので、そこに戻ってトライすると何の問題もなくTJSゲット。これで安心です。

お昼には学校帰りの学生でにぎわっているシャウルマの店を利用。さっくり済ませるには重宝します。そのあとは一応、町の博物館に行ってみたり観光らしいことをしましたが、如何せん風が素晴らしいこの町。歩き回るのをやめ、宿の中庭に戻り、キッチンでお茶をいれつつしばらく書き物モードに切り替えました。


昼3時過ぎ、ようやくペンジケント遺跡とバザールへ出ることに。バザールは宿から東へ徒歩10分。ソ連+中央アジア風のゲートをくぐると、「この町人少ないと思ってたけど、みんなここに居たんか!」と思うほどの混雑。やはりバザールです。

その後、この町の一番の観光地の遺跡へ向かいます。遺跡とはいえ、特に遺跡公園みたいに整備されているわけではない場所。丘の上に発掘跡とおぼしき竪穴が散在している場所。むしろ、小高い丘になっていることで、ザラフシャン川がよく見え、町のカタチがよくわかる場所でした。よく分かったことは、この町は川が平原に出ていく「キワ」にあること。ブラタモリなら「扇状地」というワードが出るような感じ。いずれにせよ水路も畑もつくりやすそうな良い場所であることが感じられました。

その後はまた宿の中庭。ほんとうに居心地の良い庭です。春の花真っ盛りのお庭。宿のご家族、奥さん娘さん(小学生)息子さん(2歳半)とおしゃべり。庭のベリーっぽい木の実をつまんでたべたり、サッカーのパス回しをしたり(結局、2歳半にインサイドキックはむずかしいらしい)、日本の話、冬の話(私の住む仙台と同じく、冬には何回か20cmぐらい積雪があるらしい)など。おだやかな時間でした。

旅程を組みなおす夜(Day 5 PM)

日が暮れ、夕食を食べて宿へ戻る。涼しい夕風の中、今後の旅程を練り直します。というのも、ウクライナ方面で不穏な動きが少なくなかったこの時期。このタイミングでモスクワ・クレムリンへのドローン攻撃に関する情報を得ました。次に向かうフジャンドとその周辺は(余裕があれば行こうと考えていたカイラクム湖は特に)タジキスタン・キルギス国境に近く、直近でもいざこざ起きている場所。あとは天気予報(下り坂)も見つつ当初計画を変更して「フジャンド1泊、タシケント2泊」へと計画を練り直す夜でした。

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