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2023年春 ウズベキスタン・タジキスタン⑥ フジャンド→タシケント

タジキスタン北部・フェルガナ盆地の入り口にある「風の街」フジャンドで過ごし、当時の情勢のひしひしと感じた日から一夜。この日はついにこの度のゴール・タシケントに戻ります。ついにこの旅行記の完結編。以前の旅行記は下記から。

マイクロバスで国境越え(Day 7 AM)

翌朝。宿の人に呼んでもらったタクシーで、タシケント行きのバスが出る「タクソパルク」へ向かいます。この場所は町はずれにあるらしく、メインのバスターミナルではないようです。タクシーで10分ぐらい走ると到着。雰囲気としては、「市バスの車庫・営業所」みたいな感じ。実際にも街中を走るマルシュルートカ(ミニバス)の車庫になってるらしく、早朝の時間帯なこともあってか、どんどん出庫していきます。「ライトよし!ブレーキよし!!今日も一日ご安全に!!!」と安全点検。フジャンド市の交通安全はこうやって守られているようです。

検査員が台帳もって待ち構えてる小屋

バス発車の30分前、7:30過ぎになるとバス会社Asian expressの人が到着、窓口を開けてくれました。窓口といっても普通のオフィス。「はい、パスポートお願いね」みたいな感じで手続き。必要事項をExcelファイルに打ち込むと乗客名簿とチケットが出力されるようになってました。懐かしのOffice 2007。確かに当日売りのみの運用ならこれで良いよなー、と思いつつ、「事前にネット予約は不可」の理由がよくわかりました。

バス会社のオフィス

多少の空席を残しつつ、定刻の8:00にお客さん11名で出発。バスはマイクロバスで、温泉旅館の送迎みたいな感じでした。その後、助手らしき人を別の場所で乗せて出発。国境はフジャンドから1時間先ほどと結構近く。順調に進んで、9:30ごろ、タジキスタン・ウズベキスタン国境のフォテホボドФотеҳобод(ウズベキスタン側の名称はベコボッドBekobod、あるいはオイベックOybek)に到着しました。

国境でまちぼうけ(Day 7 AM)

国境での旅情報は別記事に譲りますが、タジキスタン出国時もウズベキスタン入国もきわめてスムーズ。両国の緩衝地帯に走ってたゴルフ場のカートみたいなのに「乗れ乗れ」と誘われて乗ったら、下車時にしっかり3000UZSを請求されましたが。

そしてここからが長い。よくある国境と同じく、人と車両はレーンが異なり、車両のほうがチェックが厳しいものです。まぁ、1時間ちょいは掛かるかなーと、寄ってくる両替屋やSIM屋を一通りかわしつつ、彼らとカタコトウズベク語で会話しつつ。あまりに長くいるものだから、両替屋の兄ちゃんから「そういや、お前、携帯の充電器持ってない? あったら貸して。」的な話にもなってきます。

バス来ないなぁ。。。

ぼけーっと待ちぼうけ。同乗のおじさん+ご家族もあきれ顔。彼らがバスの権利を放棄してタクシーと交渉まで始める雰囲気になった12時ごろ、ついにバスが現れました。「あいつはクビだ!」とジェスチャーするおじさん。長ーい待ちぼうけでした。
その後は快調に飛ばし、14時前にはタシケントのバスターミナル着。お昼ご飯を食べ損ねていたので、ターミナルのカフェテリアでオシュを頂いてから市内へ移動。

大都会タシケントの「今、来てる」街に泊まる(Day 7 PM)

バスターミナルは地下鉄「赤色」チランザル線のオルマゾール駅直結、そして宿はその終点のブユグ・イパク・ユリ駅。ということで地下鉄で向かいます。地下鉄は1回1400UZS均一。ということで、以前のウズベキスタン訪問時に持っていた500スム札を出してみると、窓口のおばちゃんびっくり顔。「あんた、なんでそんなもん持ってんの!」的なリアクションののち、「もうその札は使えないよ」と教えてもらいました。もう1000スム以下の札はコインに置き換わった模様。さしずめ、日本に来た外国人旅行者が500円札を出してきたような状況でしょうか。

地下鉄で快適に移動して終点のブユグ・イパク・ユリ。宿に向かいました。もう旅の最後、そしてオンライン経由の仕事をこなす必要もあったので中高級の宿Well hotel and spaにしました。微妙にチェックイン時間より早くても入れてもらい、きれいな部屋に感動しつつ荷ほどきをしていると「もっと広い部屋空いてるから、ルームチェンジします?」とオファーをいただいたので、乗っかる。ありがたし。ソロ旅なのに広くてきれいな部屋に泊めてもらえて休まります。この日は折角の機会にとダラけて終わり。

ビビるほど良い部屋

布さがしと古本市(Day 8)

翌朝、素晴らしい朝食バイキングを頂いてタシケント市内へ。この日にやるのは布製品(スザニ・アトラス)を買い足す、古本市に行く、飲み屋に行くの3件。きわめて文化的。布探しには『歩き方』をたよりに工芸博物館ヒューマンハウスを回りました。結構いいものをゲット。

ゲットした空色のスザニ
セントブ村あたりのヌラタ地方産とのこと。


そして午後は古本市。公園の一角にウズベク語kitablarではなくロシア語книги —いずれもbooks— と看板が出てました。並んでる本は学校向けの本が多くほぼロシア語。ウズベク語の本は各店小さなコーナーのみか置いてない。その中にも化学химияは結構ある。思わず買う。化学は反応式や構造式で説明されてる部分は完全に分かるのでおもろい。残りはGoogleさんに頼めば読めるし。さらに歩いてると表紙に惹かれて立ち止まる。回路図とオームの法則。しげしげみてると店の方と立ち話。

古本市

「どっから来たの?」
 ー「日本です」
から始まり、
店の人「私は昔、車のエンジニアだったけどいまはこうして古本屋。そうそう、日本?こんな本もあるよ、会話集。あと…あ、これこれ、ロシア語のゾルゲの本」(ゾルゲ: 第二次大戦前夜に日本で活動したソ連スパイ)

あ、これ、この感じ、エンジニアのノリ!話し出すと止まらんやつ!(身に覚えしかない) この後、オームの法則で盛り上がってました。所変われど、本好き技術好きのノリはあんま変わらんみたいです。

お話が盛り上がった古本屋さん

夕方、市内中心部近くのBrasserie Pastrie&Cafeへ。テラス席で風に吹かれつつビールを楽しみました。日本でもそろそろビアガーデンに行ける季節。この旅を締めくくりつつ、おいしい料理とドリンクを楽しんでました。

ん、なんか忘れてるような。。。…あ!ランダウ・リフシッツ(物理の名著・原著はロシア語版)を古本市で探すの忘れてた〜!! 次回、タシケント再訪時のタスクが早速一つ生まれました。
(おわり)


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