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江戸川散歩 #1 バスケットのゴール
2020年4月から在宅勤務が基本になり、平日に外出する機会がほとんどない。部屋に閉じこもってひたすらパソコンに向き合っているので、運動量がめっきり減り太ってしまった。駅まで歩き、オフィスで階段を上り下りし、デスクとプリンターの間を往復する、これだけでもかなりのカロリーを消費していたことが今は分かる。
昼食後の30分。運動不足を解消するため、自転車で江戸川沿いを走ることにした。短い時間だから力を入れてペダルをこぐ。自転車を降りたら少し歩いて、自然や街の風景を観察する。それを写真に短詩(短歌または俳句)を添えて記録していきたい。
3月2日は、東京に風が吹き荒れた。どんよりとした曇り空。それでも自転車で走り出す。少しするとパラパラと雨が降ってきた。パーカーのフードをかぶり、風に逆らう立ちこぎで、江戸川の近くにある篠崎公園に向かう。
2月27日から3月7日まで都立公園の駐車場と運動施設を緊急閉鎖されることになった。テレビのニュース番組では、週末の都立公園に遊びに来た人が、がっかりして引き返す様子を報じていた。
同じく都立の篠崎公園はどうなっているのか確認しておきたかった。テニスをしたり、子供と遊んだり、桜の季節には花見をしたり、何かと利用する機会が多いからだ。
園内に人はまばらで、ひっそりとしている。自転車で奥に進むと、緑のシートで覆われたバスケットのゴールが目に入った。その横にあるテニスの壁打ちコートは、近づけないようにテープが張られている。規制線が張られた殺人事件の現場のようだ。普段自由に使っている空間が奪われると、心が拘束されたような気分になる。このストレスは精神をじわじわと蝕んでいきそうだ。
菅首相は、東京、神奈川、埼玉、千葉に発令した緊急事態宣言を2週間程度延長するという。やれやれ、今年はのんびりしと花見を楽しめるのだろうか。
バスケットゴールはシートに覆われて春の嵐の風に震える (ケンシロウ)
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