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散文 猫の恋とは関係ない

楽しいのは会うまでの時間。
会えることにドキドキしながら眠りにつくまでがいちばん私は君のことを思っている。
もしかしたら、君も同じことを思っているかもしれない。
でも、それを私が知ることはない。
そして、君も私の思いを知らずに生きる。
それでいい。
明日はただ大学に行くだけ。隣の席になるわけじゃない。前から五列目の席に座って、君の後頭部を眺めている。
グレーに近い黒のジャケットは、もうすぐ仕舞われるのだろう。ずっとみていたいけれど、別の服装も見てみたいと思う私はわがままだ。
外はもうセミが活動を始めそうで、私の春は終わってしまう。
別に叶わなくていい。
楽になりたい訳では無い。
ただ、あの人が幸せであればいい。
私は既に幸せなんだ。!

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