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散文 丘の上の夜
ただ信号が青から赤へと変わる。
車が通っていくのが、ここからでも見てとれた。
夜とはこんなにも明るいのか。遠くの景色は赤の点の光。赤、赤、赤。きっとビルの屋上の光だ。
カタカタカタと草がなっていたはずなのに何故か今は聞こえない。風だってこうして吹いているのに、あの音はしない。先程まで人が来たのかとドキドキするぐらい気になっていたのに、いつ音がしなくなったのかわかっていない。
空は明るい。月の光があるからか。
遠くの空の下は赤く染っている気がする。あの色はどこから来たのか。
センチメンタルな気持ちになっているからだとわかっている。やめなきゃだと思っている。なのに、頭が勝手に動いて止まらない。
葉の間から見える月の光を綺麗だと思えた自分の心にホッとした。多忙な日々に怠けて、そういった気持ちを無視してきた気がする。
背後が怖いと感じた。なんでか。後ろをふりかえっても何もいない。なにも。そもそも私は何が後ろにいたら怖いのだろうか。霊?不審者?考えてみてもなぜだかピンと来ない。ただただ怖い。もう一度後ろを振り返る。白い壁が該当に照らされているだけである。
帰らなきゃ。
そう感じた。その時にはもう走り出していた。怖い怖い。怖いと感じたのは闇ではなく、光だった。
ただ、走り続けて家に着く。息が上がっている。何度も後ろを振り返った。そこでは、見慣れた景色が光に照らされていた。見慣れているはずなのに、ここにいるのもダメだと足が早くなる。
この怖いという感情は家に着けばおさまるものなのか。だってこの怖さは何物でもないのだから。
鍵を閉めて、座り込む。まだ息が荒い。
【数年前の文章描写】
昨日兄に「読みにくいから1行開けた方がいいんじゃない?」と言われたので、改行ごとにnoteの行間にしてみました。
むしろ読みにくいかな?小説じゃない感じしますね。どちらが良いのでしょう?
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