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地域の”めぐる”を創る

岡山県の山奥で、新規事業を創出し続け、”ローカルベンチャー”のパイオニアとなっている会社があります。

「エーゼロ株式会社」という会社です。

エーゼロ株式会社は、岡山県英田郡にある、西粟倉村という人口1500人ほどの小さな村に位置しています。西粟倉村は、山奥の活気に溢れる村です。

”エーゼロ”という名前は、森林生態学の”A0層”という用語に由来します。”A0層”は、森の土の腐植土層を意味します。カブトムシの幼虫がいるところ。


A0層があるからこそ、森の物質循環が維持されます。朽ちた動植物がまた、次の命をはぐくむ層です。そこには、自然界では当たり前の”めぐる”システムが構築されています。

しかし、日本の地域社会では”めぐる”システムが機能不全に陥っています。

地域生活に必要不可欠なエネルギー・資源を外部に依存し、産業が縮小し続ける地域には、若者が働く場所はなく、人の流れも停滞しています。

次の世代へと暮らしがつながっていきません。さらに、人がいなくなることで森林への手入れが行き渡らず、荒廃していきます。

大量生産・大量廃棄という大きな流れのそばで、自然と同じようにぐるぐるめぐる場所を作るためにエーゼロ株式会社は事業を展開しています。

エーゼロ株式会社の事業は大きく分けて3つあります。

➀「ローカルベンチャー支援事業」
地域資源にチャンスを見出したローカルビジネスの創出を後押しする事業です。スモールビジネスから地域は変わります。ここを拠点に村外の方が集い、新たな”めぐる”を創ります。

実際、この取組みを通じて、林業、サービス業、家具販売といった様々な事業が立ち上がり、1つの群れのように、西粟倉村の中のビジネスのエコシステムを構築しています。


➁「建築・不動産関連事業」
地元の林産資源を活用した、”めぐる”暮らしを提案するような建物作り、そして、宅地などの開発企画や用地取得、造成、管理など、不動産に関連する事業を展開する事業です。地域の住まい、場づくりは、移住と関係人口増加の重要な拠点になります。

「自然資本事業」
森で厄介者として近年駆除が進められている鹿や猪の肉を自然の恵みとしていただく、豊かなジビエ食文化を提案する”森のジビエ”事業、そして地域内の木の端材を熱源として活用した水槽で育つ、うなぎの養殖・加工・販売を行う”森のうなぎ”事業から構成されます。山間でうなぎを育てる新しい試み。うなぎの糞は近くの農地に投入され、有効に活用されます。

森のムダ、養殖業のムダも、別の見方をすれば、立派な資源だということを体現している事業ですね。

自然資本を、農林水産業にとらわれず活用していこうとする試みが非常におもしろく、魅力的ですよね。

以上の3つの事業を通じて、エーゼロ株式会社は地域の”めぐる”を創るA0層としての役割を果たしています。。

エーゼロ株式会社代表の牧さんは”ローカルベンチャー”という本を書かれているのですが、本を読むことで、西粟倉村全体のめぐるシステムについて学ぶことができます。興味のある方はぜひ読んでみてください('ω')

エーゼロ株式会社のように

・事業創出
・後発の事業創出サポート
・対外発信

を行う、ローカルベンチャー群の旗振り役のような存在は、地方創生という文脈においていずれの地域でも欠かせないと思っています!

魅力的なこの会社が、今後どのような展開をしていくのかがとても楽しみです。これだからフィールドワークはやめられない、、

陰ながら応援しております。

いつもありがとうございます!! ただいま日本の100名山めぐり中なので、そちらの活動費に充てさせていただきます! 登山で学んだことを、note発信やサービス開発に活用させていただきます!!