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MasterClass Lesson Note

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"A master class is a class given to students of a particular discipline by an expert of t… もっと読む
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MasterClass Lesson: Day 28 "Herbie Hancock's Closing"

今日でハービー・ハンコック先生の講義は一通り見終わりました。 MasterClassはハリウッドのような画づくりなので、大作映画を観たあとのような心地よい疲れがあります。 ハイライトになるハンコック先生の"Watermelon Man"の独演も、まるで集大成のような演奏で、かつ資料のなかにスコアも用意されていて充実した内容でした。MasterClassだけに留めておくには惜しいくらいです。 講義の最後、ハンコック先生は、"I am a student."と語り、常に学ぶ姿

MasterClass Lesson: Day 27"Herbie Hancock's music life"

伝説のミュージシャンは、伝説のミュージシャンを語ることでその輝きがより一層深みを増します。 ハンコック先生とマイルス・デイビスの関係は、切磋琢磨するなかで、お互いが認め合い、新しい音を導いてきたからこそ伝説になりました。 音楽にもセオリーはあり、ドミナントモーションからトニックに落ち着けば、不思議と安心する心地が響きからもたらされます。 ですが、延々とドミナントモーションを紡ぎながら、えっ?みたいなところで終わる音楽もあります。なぜそれで帰結したのか。そこにリスナーが感じ入

MasterClass Lesson: Day 26 "Herbie Hancock's Harmony"

今日のレッスンでは、ハンコック先生の発想力豊かなハーモニーについて解説してくれました。 ハンコック先生の楽曲は、自由闊達なコード進行の連続だと思いきや、不可思議ななかにも芯があり、逆に一筋縄ではいかない深い音色が聴こえたりします。 ご本人のアプローチ法を見ていると、シンプルなメジャーコードやセブンスコードから"Rethinking"していきます。 単調にコードを和声で鳴らせば気持ち悪く聴こえる音も、アルペジオで弾いたり、進行によって妙味のある音になることを実演してくれました。

MasterClass Lesson: Day 25 "Herbie Hancock's Composing"

今日は、ハンコック先生の名曲"Actual Proof"、"Watermelon Man"の作曲秘話を受けて、新しいものごとへチャレンジするための発想法を学びました。 正直申し上げて、初出の作品の方が分かりやすく馴染みやすいので好きです。 多くの大物ミュージシャンは同じ楽曲を延々と演奏し続けるためか、最初に作られたアレンジからどんどん逸脱していって、原型を留めない楽曲になることがあります。 私自身もそうですし、多くのリスナーは原典に忠実に再現してくれた方がコントローラブルな

MasterClass Lesson: Day 24 "Herbie Hancock's Improvisation"

ジャズの真骨頂はジャムセッションですが、ハンコック先生が経てきたキャリアからしてみれば、自由とはなにかを考えさせられるところにまで想像が膨らみます。 ハンコック先生はエリック・ドルフィーとの共演について述懐していますが、ジャズの即興を学ぶにおいて「伝説のイリノイ・コンサート」は必聴といえるのでしょう。 1曲目の"Softly, As In a Morning Sunrise(朝日のごとく(ように)さわやかに)"は、20分を超える熱演で、はっきりいってテーマがどこかへ飛んでい

MasterClass Lesson: Day 23 "Herbie Hancock's Practice"

ハンコック先生は、7歳のときにピアノを学び始め、記憶している限りでは、3時間の練習を毎日していたそうです。 練習なしに自信をもって本番に臨むことはできない。 ここまでMasterClassを学んできて、すべての講師陣が語る本質的な部分と言えるでしょう。 ハンコック先生の時代だからというわけではなく、タフアサインメントした練習あっての音楽だということ。 きちんと姿勢を正して励むべきことだと改めて身が引き締まる思いです。 このレッスンのなかで気づきは、 “Relax and

MasterClass Lesson: Day 22 "Herbie Hancock's Learning by Listening"

MasterClassで、ハービー・ハンコック先生は、ジャズを学ぶに際しこう説きます。 “I started off copying a lot of people.” 「私は多くの人をコピーすることから始めた。」 これを翻しますと、 「マイルスを聴け。話しはそれからだ。」ということです。 "He explored in Birth of the Cool, which shows the influence of his time playing bebop with

MasterClass Lesson: Day 21 "Herbie Hancock Introduction"

ついにこのひとの教えを受けるときがきました。 ハービー・ハンコック。 1960年代以降から現在において、ジャズ・シーンをリードするジャズの第一人者であり、音楽界全体においてもレジェンドと言うべき人物でしょう。 私は、リアルタイムで体験していないため、ほんとうの凄みを筆舌で表すのは難しいですが、ジャズの最先端を切り開くフロンティアであったことは、伝聞と音楽で思い馳せることはできます。 名盤といわれるスタジオ・アルバムを聴けば、展開の大胆さ、スリリングなインプロビゼーション、ジ