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おすすめの一冊『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣 「人はどうしたら幸せになるか」を科学的に研究してわかったこと』

こんにちは。紀藤です。毎週日曜日は、おすすめの一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナー。

本日おすすめの一冊は、「『幸福』に関する23カ国で翻訳された世界的なベストセラー」です。ポジティブ心理学の教授であり、その道の第一者が研究を背景に描いた本で、大変説得力がある一冊です。このテーマの中では、個人的にNo.1の本です。それでは、まいりましょう。


本書の特徴

本書の著者である、ソニア・リュボミアスキー博士は、「幸せになるための心理学」(ポジティブ心理学)における世界的な研究者です。現在はカリフォルニア大学で心理学教授として、ポジティブ心理学を教え、また数々の研究における賞を受賞している方。知る人ぞ知る、有名人です(と思っています)。

私も、「強み」に関する論文を調べる中で、リュボミアスキー氏の論文を目にする機会がたくさんありました。

本書は、そんな著者がポジティブ心理学の研究からわかった「どうしたら人は幸せになれるのか」を検証し、効果があるとわかったことを「幸せがずっと続く12の行動」としてまとめた内容です。

約400ページありますが、そのうちの後半100ページは、引用論文がずらーっとならび、説得力を高めています。

変えられる40%に働きかけよう

ある一卵性双生児と二卵性双生児の研究から、幸福度についてわかったことがありました。それが「幸福度」に影響を与える割合です。

50%:遺伝的な決定値(元々幸福度を感じやすい)
40%:意図的な行動(考え方・行動パターン)
10%:環境(裕福か/貧乏か、健康か/病気がちか、既婚者か/離婚経験者かなど)

この説によれば、幸福度に関わる大部分は変えられないとなります。
逆をいえば、40%は意図的な行動が影響しているので、ここは変えることができる、となります。そして本書は、この「40%」に働きかける本、となります。

P39

幸福度を測る方法

本書では、研究者が一般向けに書いた本です。
よって「幸福度を測る方法」や「どんなアクションがよいか」もいくつかの尺度で測定するような質問項目が含まれています。

まず幸福度スケールとして、以下の4つの問いを設定しています。

<幸福度スケール>
次の質問それぞれについて、自分に最もあっていると思う物を選んで下さい。(1:まったく当てはまらない~7:大いに当てはまる)

Q1,全体として、私は幸せな人間だと思う
Q2,たいていの同僚と比べて、私は幸せだと思う
Q3,全体としてとても幸せだという人々がいます。そういう人たちは何が起きていても人生を楽しみ、どんなことも最大限に活用しています。このような性格はあなたにどの程度当てはまりますか?
Q4,全体としてあまり幸せではないという人々がいます。そういう日置たちは落ち込んでいるわけではないのですが、願っているほど幸せに慣れたことはありません。このような性格はあなたにどの程度当てはまりますか?(逆転項目)

P60-61を参考に著者により一部編集

その次に、<幸福行動診断テスト>として、自分にあった「幸せになる行動」を特定するための質問も設けています。たとえば、

<幸福行動診断テスト>(例)
(1)感謝の気持ちを表す(
自分が恵まれていることを数える、これまできちんと御礼を言ったことのない相手に感謝やありがとうという思いを伝えること)
1行目:_自然である、_楽しい、_価値がある
2行目:_罪悪感を覚える、_状況上やむをえない

※他に12の質問があります。
※1:まったく当てはまらない~7:大いに当てはまるで計算し、
 一行目の平均点から2行目の平均点を引いてスコアを出します。

P110

そして、このテストを行って、4~5つの自分の中で得点が高いものを選びます。
そうすると、「自分が自然で、楽しく、価値がある」と思える「幸せになるためのアクションプラン」がわかるようになっています。つまり、「自分の強みにあった幸せを高め方がわかる」と言えます。

幸福度が高まる12の行動習慣

では、タイトルにある「幸せがずっと続く12の行動習慣」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。以下、引用させていただきます。

1,感謝の気持を表す
2,楽観的になる
3,考えすぎない、人と比較しない
4,親切にする
5,人間関係を育む
6,ストレスや悩みに対処する
7,人を許す
8,熱中できる活動を増やす
9,人生の喜びを深く味わう
10、目標達成に全力を尽くす
11、内面的なものを大切にする
12、身体を大切にするー瞑想と運動

P17-18 目次より引用

そして、本書においては、全体の7割ほどのページを割いて、この12のアクションの有効性を、エビデンスを元に伝えつつ、具体的にどのように行うのかが詳しく説明されています。なんとも実用的な本です。

まとめ

ちなみに、私自身、2年前こちらのテストをやってみました。
すると、上位4つは、以下のようなスコアになりました。

<結果> ※2022年、わたしの診断結果TOP4
1位:感謝の気持を表す(適応スコア:4.66)
自然である6,楽しい4、価値がある7(5.66)、罪悪感を覚える1、状況上やむを得ない1
2位:身体を大切にする(運動や瞑想を行う)
(適応スコア:4.6)
自然である6、楽しい7,価値がある7(6.6)、罪悪感を覚える1,状況上やむを得ない3
3位:目標の達成に全力を尽くす(適応スコア4.3)
自然である6,楽しい6、価値がある7、罪悪感を覚える1、状況上やむを得ない3
4位:楽観的な気持ちを高める(適応スコア:4.16)
自然である5、楽しい5、価値がある7、罪悪感を覚える1,状況上やむを得ない2

そして、上記は確かに自分にとって、自然なもので、自分らしいものと感じるものでした。
私は「ランニングなど運動は日々の幸せのために必須」ですし、「何か目標に向けて頑張っていないと幸せを感じられない」のです。そのことを自覚できるテストでした。

それ以来2年ほどこのことを意識して行動していますが、実際に「幸福度が上がった」と感じています。

ちなみに、人によって行動の優先順位は変わります。皆様もやっていただくと、納得感があり、自分がやりやすい「幸福度を高めるアクション」が見えるはずです。繰り返しますが、良書ですので、よろしければぜひ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!


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