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なぜモバイルハウス?CountryWorksの設立経緯と目指す社会について

こんにちは。CountryWorks代表の岩本淳兵と申します。
はじめてのNoteなので、モバイルハウスというニッチなマーケットを選んだ理由を過去の活動も振り返りながら伝えられればと思います。

CountryWorksのロゴマークと社名

CountryWorksのロゴは、風車をモチーフに使い「地方の可能性」を表す一方で、大きな矢印もイメージしています。矢印と左右の色の変化で、「地方に対する価値観の移り変わり」と「革新」を表しています。
社名も同様に可能性を強く感じる日本の田舎において、未来に誇れる「田舎仕事=CountryWorks」を作りたい、という思いを込めています。

2016年、創業。事業内容は、モバイルハウスを用いた事業企画と販売

2016年12月に北海道で創業し、移動可能な建築=モバイルハウスの普及に焦点を絞り、事業を展開してきました。移動稼働な建築を志した理由は、後述します。

具体的には、モバイルハウスの運用事業(ホテル、グランピング、社員寮、飲食、店舗)と販売事業を実施しています。運用事業に関しては、販売事業の促進と共により世の中の人にモバイルハウスという選択肢を知ってもらうための手段とも言えます。

2012年に遡ります。活動を始めるきっかけになった、風車との出会い

私は中学生の頃から環境負荷の少ない仕組みの構築に興味を持っていました。そんな私が実際に地方で活動を起こすきっかけとなったのは「デンマークという国 自然エネルギー先進国」という一冊の本でした。

その本に書かれていたのは、地域住民が出資した市民電力会社で、地域内に再生可能エネルギー発電所(主に風車)を建設し、発電事業を行うことで、農業に並ぶかそれを上回る収益を生み出すことができるという話でした。

農業と観光(それも一部地域のみ)の2つの基幹産業しか持たない地域にエネルギーという第三の柱を作れる可能性があることが、当時大学2年生だった私には衝撃的だったのです。

当時は北海道大学に在籍しており、地方への興味は増すばかりだったので、風車の圧倒的ビジュアルや環境性能も相まって、土地の広い北海道で、風力発電事業に取り組みたいと思うようになりました。

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2013〜2015年、農業の人手不足問題に向き合う。学生団体「いなかっぺ」設立

風車に可能性を感じていた私でしたが、1基あたり2億円という風車の建設費用の想像がつかず、まずはどこかの地域に入り込んで、ニーズや懐事情を探ろうと、足掛かりとして農業に関わるようになりました。その中で出てきた1つの課題が「農業の人手不足」でした。まずは目の前の課題解決に取り組もうと、風車はさておいて、この課題のために奔走することになります。

私は、田舎暮らしに憧れを抱く学生たちがこの問題を解決できるのではと思い、夏に忙しい農家と夏休みで時間のある学生を繋ぐ仕組み作りをはじめます。学生を集め地方に泊まり込み、農業を手伝う一方で、地方の魅力を満喫する学生団体・地域土着型サークル「いなかっぺ」を2013年に設立しました。

この活動は非常に評価を受け、北海道大学以外の大学へも広がり、私が関わった3年間で延べ3000人の学生が地域で活動することとなりました。嬉しいことに、「いなかっぺ」は設立8年目となる現在も活動を継続しています。
またこの取り組みの中で、学生だけでツリーハウスやログハウス作りも行い、建築へ興味を持つきっかけともなりました。

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<地域土着型サークル「いなかっぺ」>

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<「いなかっぺ」の仕組み>

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<ツリーハウス制作>

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<ログハウス制作の風景>

2016年、季節産業に伴う「家不足」課題発見とモバイルハウスの可能性への気づき

そんな「いなかっぺ」の活動や、その後個人事業主として行った地方への外国人農業ワーカー派遣のなかで、私は別の課題にぶつかります。北海道の農業地域では、夏に人手が必要なのに、泊まる家が足りないという、季節限定の”家不足”問題です。

夏季しか利用されない家は、家賃収入も少なく冬季のメンテナンスコストもかかります。そのため整備が進まず、農業ワーカーは狭く設備の整わない環境で生活する必要がありました。ここで別のスキー観光地域に目を向けると、冬限定で人手と家が必要という地域もあることに気が付きました。

広く捉えると、都市は年中仕事が存在しますが、地方は季節に応じて繁忙期と閑散期が繰り返されます。そこで季節産業が中心の地方において、必要な人の流れに合わせて家を供給する仕組みができれば、無駄な家を作らず、さらに季節労働者の住環境を改善できるのではないかと、「モバイルハウス」の可能性に目を向けるに至りました。

2016年12月、創業。2年間のモバイルハウスの検証とテストマーケティング

創業から2年間は、自らモバイルハウスに居住し、性能検証とモバイルハウスを活用した季節事業のテストマーケティングを複数行いました。場所は、農業地域である北海道余市町と、スキー観光地域である北海道ニセコ町です。

具体的には、3台のモバイルハウスをそれぞれ異なるレイアウトで作成し、農業ワーカー向けの住宅・冬季のグランピング・季節に応じた移動販売・マルシェの企画などを行いました。この検証フェーズでは、試行錯誤を繰り返し、たくさんの成功や失敗体験を得ました。

これらの検証とテストを経て、最も可能性があると感じたのが、季節に応じて場所を変えられるリゾートホテル事業でした。その事業に本格的に乗り出すため、2019年、長らく活動拠点としていた北海道を離れ、地元である長野県に拠点を移しました。

2020年7月、アウトドアホテル事業「TENAR The Outdoor Hotel」をリリース。現在、長野県に3フィールドを展開

提携先ホテルを探す段階では、1軒1軒、地元のホテルに地道に営業活動。テストをしたとは言え、ゼロからのスタートだったので、「ごめんなさい」と言われた回数は数えたくありません(笑)。でも、今ではありがたいことにホテルさんのほうからお問い合わせをいただくことも増えました。

今後は、繁忙期に合わせて客室となるモバイルハウスを移動させることで、閑散期の余剰な客室設備を減らし、提携するホテルさんの機会損失を防ぐこと、そして、自社事業の収益性を向上させながら、より、持続可能な社会へ貢献できる事業を目指しています。他県への進出も着々と進めています。

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<モバイルハウスでの居住実験>
(2シーズンのニセコ町での冬を含む計1年半の生活を送る)

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<グランピング事業@ニセコ>
(奥二台のモバイルハウスをセンター棟として利用)

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<移動販売事業@余市・札幌>
(室内6席・トイレありの大型移動販売店舗)

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<農業ワーカー向け住宅事業@余市>
(一台に2名のワーキングホリデーの外国人が居住)


CountryWorksでは、現在TENARの事業マネージャーを募集しています。詳細は以下リンクをご確認ください。

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