普通の恋愛話が苦しい


『普通』の恋愛話が苦しい、という話。

「彼氏いるの?」
「好きなタイプは?」
「身長はいくつあればいい?」
「理想のシチュエーションはどんなの?」

こういうのを聞かれても、自分は少し困る。なぜなら、相手が異性というのを前提に話されているから。
もしかしたら、自分は同性も好きになるんだと告白すれば、そのように対応してくれるのかもしれない。自分の友人たちが差別しないことは知っている。

でも、さも当たり前かのように異性が恋愛対象だと言われてしまうと、言い出しにくいのは当然だと思うのだ。
同性愛者、両性愛者のほかにも、スキンシップが好きじゃない人や誰も好きにならない人だっている。そのような人を「理解できない存在」として扱われると、自分は次に迫害されたくなくて嘘をついてしまう。架空の異性のタイプを答えて、架空のシチュエーションを答えて、当たり障りのない会話を続ける。そしてその場を愛想笑いでやり過ごす。

分からないという方のために例え話を用意した。

異性愛者から見た同性愛者(もしくは両性愛者)の例え話で言うと、
同性を好きになって同性と結婚しなければいけない世界で、「好きなタイプって誰?」と聞かれる感じ。いや自分は異性が好きなんだけど……と言おうものなら、「え?異性が好きなの……?それなら話に入ってこれないよね、もう会話に入らなくて大丈夫だよ」と言われたり、そんな雰囲気を感じる。
恋愛話自体はしたいんだって!!!させて!?!?と思うのだ。自分だって好きな(異性の)タイプや好きな(異性の)シチュエーションだって言いたい。その可能性を考慮して恋愛話をしてくれ。

誰も恋愛的に好きにならない人の例え話で言うと、
自分たちは両生類で、両生類を好きになって両生類と結婚するような世界で、「貴方は誰が好き?私は暗褐色のシナコブイモリかな。やっぱ体長もそれなりにないと無理だよねー」と言われている感じ。いやそもそも両生類は恋愛対象じゃない……と言おうものなら「え!?てことは両生類嫌いなの?なんで?私たち両生類だよ?」と聞かれたり、そんな雰囲気を感じる。
両生類は嫌いじゃないけど、特定の両生類とキスしたり交尾したりしたいとは思わないかな……。類人猿にも特に興味は沸かないし。と思う。

※間違っていたらすみません。

ではどうしてほしいかというと、「同性も好きになる」「誰も恋愛的に好きにならない」前提で恋愛話を持ちかけてほしい。
同じ性指向を持った人だけで集まって話せばいいだろ、とか言わないでほしい。友達の恋愛話は聞きたいし、自分も楽しく話したいのだ。嘘をついて相槌を打つのはそれなりに苦しい。


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