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不登校対応①いじめによる場合

こんにちは。
臨床心理士・公認心理師の塩むすびです。

今日・明日は2回に分けて不登校についてお話します。

・・・気を抜くと文量が多くなってしまうのです。
1回で読むのは大変なものができてしまいました。

取捨選択ってむずかしいですね。。

不登校は病気か


まず答えから。

不登校は病気ではありません。

「学校へ行っていない」という行動を指すだけですね。


不登校の定義は文部科学省が定めているので、
もし気になった方は調べてみてください。
すぐに出てくるかと思います。


場合によっては、不登校の背景に病気が隠れている可能性もありはします。

・統合失調症の前ぶれで無気力になっている
・発達障害があり、学校でうまく適応できずにいる

こうしたケースですね。

ただし多くの場合、不登校は病気ではありません。



不登校の原因

病気でない場合、理由はいくつも考えられます。

少し前の時代であれば、
一番に考えられる理由はいじめでした。

ただ、今の時代はいじめが理由でない不登校のケースが山ほどあります。

そこで今日はいじめについて取り上げ、
次回、他の理由について取り上げますね。


いじめが疑われる場合の対応


もしいじめが疑われる場合は、学校の先生に相談をしてください。

担任の先生が対応してくれたら一番ですが、
難しい場合は学年主任、教頭先生、校長先生等、相談しやすい方を頼りましょう。

学校にカウンセラーがいたら、
まずカウンセラーに相談をして、どのような順序で学校に伝えるのがよいか尋ねてみてもいいかもしれません。


悲しいことですが、学校がスムーズな対応をしてくれない場合もあるようです。
その時は地域の教育委員会に連絡をしてください。


保護者の方の苦悩


被害者であっても
いじめをいじめとして認めてもらえるまでに
手間と時間がかかり、何度も悲しい思いをさせられる

こうした理不尽さについて伺うことがあります。

教育委員会とのやりとりまでいくと、
保護者の方には手続きを続ける根気が求められます。

ただ、孤独に戦い続けるのには限界があります。

周囲の方はぜひ、こうした保護者の方を支えてあげてください。

保護者の方も、できるだけ周囲の方や使えるサポートを頼ってください。


お子さんの気持ち


お子さんがいじめられていることを知ったら、
怒りや悲しみでいっぱいになるのが
親御さんとして自然なことと思います。

またいじめを指摘された先生方も、
焦って状況把握に努めようとされるかもしれません。

そこでひとつ、
大切にしていただきたいことがあります。

それは、お子さんの気持ちです。

怒りや焦りだけで動き、事を大きくしてしまうと、
お子さんをかえって傷つけてしまうおそれがあります。


少し想像をしてみますね。

会社で嫌な上司から、

・君って本当にとろいよね。まだその仕事やってんの?

・まだ結婚もしてないの?まあモテるわけもないか。

こんな悪口を毎日言われていたとします。

周りの人も見てみぬ振り。
多少の同情はしてくれますが、上司の方を持つ人の方が多いです。

ある日、そのいじめが会社で問題になりました。

自分のことを心配してくれた同僚が善意で管理職に報告したらしいのです。

すると、社内の人間がひとりずつ呼び出され、
上司が自分にどんな言葉を言っていたか
聴取されるようになりました。

噂は社内でどんどん広まり、知らない人まで自分のことを見てきたり、「大丈夫?可愛そうだったね。」声をかけてくることもあります。


・・・いかがでしょうか。

善意で始まった事情聴取。
でも、これは嬉しいでしょうか?


自分に言われた悪口が、また再生されてしまうのです。

「自分がいじめられていた」ということが広まってしまうのです。



・・・話を戻します。

小学3,4年生頃になると、
もう子どもはこうしたプライドを持ち始めています。

プライドがあるゆえに、いじめられていることを親御さんに話せない子もいます。


その健気なプライドを、
できるだけ守ってあげてほしいのです。

「かわいそうに」を、

「よく耐えたね。頑張ったね。もう大丈夫だよ」

に変えるだけで良いのです。


そして、学校での対応についても、
当事者であるお子さんの意向を確認しながら
進めてあげてください。


親御さんと学校の対立が深まり
お子さんが蚊帳の外になってしまうと、
その後の学校生活にも支障が出てしまう可能性があります。

親御さんも傷心のなか、
先生方もご不安ななか、
厳しい状況ではあると思いますが、


できるだけ冷静に問題の解決をはかり、
再発防止の計画を学校に立ててもらい、
お子さんの心のケアをしていくこと


こちらをお願いできたらと思います。


不登校について、明日に続きます。


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