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バカでも賢くなる

最近、橘玲さんの「バカと無知」の本を読んだ。この本は心理学、脳科学の観点からみた人間の本性をベースに社会現象を考察していて、心理学に興味がある私としては、興味深い本だった。
人間は、様々なバイアスにより正しく物事をみれない。
でも、それが人間の本性。
そして、外の世界をありのままに見るために、自分の世界の見方についても、注意深く気づいていくことが大切だと改めて感じた。

バカは風邪を引かない

バカは風邪を引かないということわざがある。これは、一説では、バカは風邪を引いても自分が風邪を引いていることに気が付かない鈍感さを表現している。
さすがに高熱を出したら気づくのだろうが、微熱であれば気づかない。なぜなら、自分の体調について無関心で、日々体のコンディションを把握するという作業をしていないから、些細な変化に気づかない。やはり、鈍感=バカといった見方は昔からあったのだろうか。
ただし、この鈍感さが認知能力の問題かどうかは不明。自分としては、頭の中にめぐる情報量の問題もあると思う。情報が多ければ多いほど、他のことに気づく余裕がないのではないか。一度、発達障害向けの薬を服用したことがあるが、その時の頭の冴え具合はすごかった(笑)

話を戻すと、問題は風邪を引くことではなく、風邪を引いている自分に気づけないことが問題ということになる。だから、問題なっているバカは、単純にその人間の能力というよりかは、その能力に対する認知能力ということになる。
それであれば、愚か者は風邪を引かないと言った方がいい気もする。なぜなら、この場合、風邪を引くこと(=バカ)が問題ではなく、それに気づいていない愚かな自分が問題だから。

だから、認知レベルをあげれば賢い者になれる。仮に、風邪の例を広げてみると、これから戦場に行かなければならないのに、体調が悪いことに気づいていなければ、本気を出せずに命を落とすかもしれない。しかし、それに気づいていれば、戦いに行かない、又は戦の中でもサポートに回るなどの選択ができるようになる。

ダニング・クルーガー効果

この本では、ダニング・クルーガー効果という実験結果が紹介されていた。
これは、集団で受けたテストの点数で、自分がどれほど得点できたかを調査したところ、下位のスコアの人達は、自分の得点を大きく過大評価していたという実験結果だそうだ。
つまり、点数の低い者は、自分の実力が分からないから、問題が解けてるのか解けていないのか分からない。なんなら、頑張って解いてみた分、意外に正解してるのでは?と楽観主義に落ちってしまって、自分の得点を大きく過大評価してしまう。しかし、できる人は、自分はどの問題ができて出来なかったが理解できる。
そう考えると、知らないことについては、直観が機能しない限りは、勘違いに陥った状況で判断してしまう。勘違いに気づけていない以上、そこから抜け出すのは難しい。

日々賢くなる

結局、自分の体調であれ、知力であれ客観的・俯瞰的に何かを見れる訓練はしたほうがより賢くなれる。
そういう意味では、見たくない自分を振り返ることや、客観的な他人との比較も重要だと思います。
そうはいっても、能力と自分の社会的評価がくっついてしまい、努力できない自分とか、他人より優れていない自分=ダメだという思考も同時に発生してしまう。これは、人間が集団の中で生活している以上、生き残るため仕方のないこと。
ただ、そんな時こそ、自分はありのままで良いと認めてあげて、その自分を活かすというマインドに立ち返えれば、日々自分を見つめていけるんだと思います。

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