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「かずしらべ」絵グラフで パワポ同時編集 小学1年算数Windows1人1台

 1年生算数では、7月に「かずしらべ」という1時間の単元があります(啓林館)。ものの数の多少を分かりやすく整理し、絵グラフのよさに気付くことがねらいです。

 教師用指導書には、準備物に「絵カード」と書いてありますが・・・果物の絵カード約30枚✕人数分、準備しますか?
 こんな時こそICTと思い、今回は2人に1台の端末でPowerPoint同時編集機能を活用した授業をしました。

 教科書の5つの果物の画像をキャプチャし、教科書と同じように貼り付けます。そのシートを複製し、左上のテキストボックスの中にペアの番号を振っておきました。今回はNo.1~7と、先生用です。

 そのパワポファイルをTeamsの「ファイル」に入れ、そのリンクを取得し(右クリック)、タイムラインに「投稿」しておきます。これで準備完了。

 教科書の掛図を提示し、「どれが多そう?」と問うと、「みかん」「バナナ」との声。「少ないのはどれかな?」と問うと、「メロン」。「ぱっと見てすぐ分かる方法はないかな?」と問い、めあてを書きました。

 児童は「つなげる」「わける」と言いました。つなげてみてもパッとは分からないということで、「わける」ということに。

 どうやって分ける?紙を切る?大変だね。動かしたいね・・・よし、タブレットを使ってみよう!ということで、「Teamsに先生からリンクを送っておいたから、開きます。自分たちのペアの番号のシートを使います。」とだけ説明して、早速開始しました。「画像を動かす」「角をつまむとサイズが変わってしまう」ことは、以前OneNoteでの引き算カード並べで経験済みなので言いませんでした。

 大型モニターには、下のように「表示」の「スライド一覧」を使って、全ペアのシートの様子を表示しておきました。

 児童の端末からも、他のペアのシートの途中経過が左端に見える状態です。(下図参照。)


 中には、他のペアの作業の様子を参考にした児童もいたようで、並べずにただ分けるだけだったペアが、並べ始めました。しかし、思ったよりも、自分のシートだけを見て作業に没頭していたようです。
 「縦一列に並べる」、「横一列に並べる」、「5個のまとまりを使って並べる(既習事項を生かしている!)」の3パターンが出ました。

 手を止めさせ、大型モニターをみんなで見ます。「多い少ないが分かりやすいのは、どれかな?」と問うと、「2番!」「3番!」と声が挙がります。「みかんが9個で、バナナが8個で・・・」と言い始める子もいました。T:「それって、1、2、3、、、って数えたんだね。数えるのに時間がかかるね。」「数えなくても、もっと速く分かるには?」

 C:「握手する!」(繋ぐ) こちらも既習事項で、なるほどと思いました。が、繋ぐのに時間がかかります。

T:「背が高いから、バナナが1位で、みかんが2位で、メロンが3位でいいですね」
C:「違う!!」「メロンは大きい」

T:「メロンとりんごは、メロンの勝ちね。」 C:「違う!!」

T:「ではどうしたらいいのだろう。」
C:「同じ大きさにする」「そろえる」  そうだ!

 そして、1番好評だった2番のシートを選んで、ちまちまと1つ1つ果物のサイズを変えていきながら T:「こうすればいいんだね」 C:「え~ めんどくさい~」

T:「パソコン版だったら、Ctrl+Aを押して、一瞬で全部選べます!」
C:「おお!!!」
T:「そして、右クリック、図の書式設定の『サイズ』を揃えます!」
C:「全部同じ大きさになった!!!」

そしてこのシートを7つ複製して、左上のNo.を1~7に変え、
下のように、右クリック「背景の書式設定」から、予めExcelで作ってキャプチャしておいた背景のマス目の図を挿入。位置とサイズを整えます。(これには多少慣れが必要です。)「すべてに適用」ボタンを押すとこうなります。

そして、各ペアでの作業、第2段です。

上から並べるペア、マス目に関係なく横一列に並べるペアもいました。

授業の出始めが少し遅れたせいもあり、もう45分が経つところです。
最後は、下のように、経過をモニターでみんなで振り返りました。

①初め

②変えた

③さらに変えた

(・・・あれ?みかんが1つ少ないよ?! というハプニングもあり。)

振り返りで、3人の子が発表しました。C:「そろえることが分かりました。」 C:「大きさを同じにして並べることが分かりました。」
C:「タブレットで動かすのが難しかったです。」

!!!

確かに。マウスでないから角をつまんでしまいサイズが変わる。反転する。それを直すのに手間を取られました。そこにこだわってしまう子もいました。私も、机間指導の大半が、これへの対応でした。

T:「そうだったね。では、もっと簡単にできる方法ってないのかなあ。」
C:「・・・」
T:「教科書を見てみようよ!」

絵グラフを見た子どもたち数人が「ああ!」と言います。
T:「紙だね!こうやって紙に描いてあるのに印をつければいいんだ!」「明日はこれでやってみようか。」
こうして授業は終わりました。

よかった点:
「図が動かせる」
「サイズが変えられる、揃えられる」
「他者との比較がしやすい」
「授業の前半と後半の比較がしやすい」
「保存が容易」
というPowerPoint同時編集のメリットを生かすことができ、児童の算数的活動が保障できたこと。

改善点:図のサイズ変更が起こりにくいように、マウスや先細スタイラスペンを用意すること。または、図のサイズ変更ができないようにできる教育支援ソフトを導入すること。

とりあえず、パソコン室のパソコンとマウスが撤去される前に、マウスとマウスパッドを確保します!

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