それはカラスです…①
私の知り合いで不思議な体験ばかりするTさん。
これはそのTさんの彼女、Mさんが体験したお話です。
前回ちょっと変わった物件に住んでいるとこちらの記事でも紹介したTさんですが
その後も気にせず住み続け2年になるかというとき、その頃付き合って間もなかった彼女のMさんが家に転がり込む形でTさんと同棲を始めたそうです。
彼曰く付き合ってまだ日も浅かったこともあり、自分の家にあげること自体が今回の同棲で初めてだとか。なんでも彼女は極度の怖がりらしく、それは心霊系の映像・映画全て駄目なほど。
「うちおばけ出るんだよね」
なんて口が裂けても言えるわけなく彼女側の事情もあり、まぁいいかと快諾したとのこと。Mさんは極度の怖がりといっても霊が視えるといったオカルト体験はしたことが無いらしく、きっと気付かず楽しく暮らせるだろうとTさんは思ったそうです。
待ちに待った同棲初日、荷物を運び終えやはりMさんは違和感を感じている様子もなくこれにはTさんも安心しました。
さてこの頃のTさんは日勤・夜勤のある仕事をしており、彼女のMさんは午前から夕方までの仕事をしておりました。なのでお互いのシフトによってはMさんは昼間や夜間、家にひとりでいることもありました。
最初に話を切り出したのはMさんでした。
その日はTさんが日勤でMさんが休日だったので家の掃除や片付けを始めたそうなのですが、Mさんがキッチンで洗い物をしていると自分の背後、斜め左からなにやら視線を感じる。斜め左にあるのはTさんの寝室。リビングとは引き戸で仕切られておりその引き戸も普段から開け放たれている。
Mさんは一瞬寝室に顔を向けそうになりましたがギリギリで留まり目の端の視界だけで寝室を確認しようとしました。
するとその視界の端、本来寝室の壁にあたる場所に黒い人影がいたのです。ギョッとしたMさんはすぐさま視線をキッチンへと戻し急いで洗い物を済ますとすぐさま寝室の引き戸を閉め、怖さを紛らわすためにTVを大音量で流し彼の帰りを待っていたとのこと。
「黒い人影が…。ワンピースを着た女の人に見えなくもなかったけど、私霊感ないし疲れてるだけで気のせいかもしれない…。けどTくんの寝室って布団も変な位置に敷くし、昼間でもなんか暗いから用事がないときは戸を閉めておくね」
そう言っていたそうです。
(変な位置ってそれには理由があるんだけど…それを言ったらMは怖がって発狂するだろうな)
Tさんは一瞬この家の出来事を全て話した上で怖くないと安心させようかと考えたそうですがMさん自身がまだ気のせいだと思っているならと話すのはやめたそうです。
しかしそれから約一週間後に事件は起こりました。
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※本作品は実話を元にして構成されています。 本作品に登場する人物・地域等は一部フェイクを入れていますが詮索するような質問は受け応え出来ません。
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