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"Blueside" - Rooney; 人知れず抱える憂鬱【和訳】

今日はRooneyというバンドについて。夏が近づくとなぜだか聴きたくなる。カリフォルニア出身ということで、なんとなく夏っぽいイメージだからなのか。


Rooney(ルーニー)はアメリカのバンド。ルーニーっていうと、サッカー選手の方が有名っぽくて、YouTubeで検索するとサッカー動画がたくさん上がってきたりする。多分マイナーなバンドだと思う。

ヴォーカルのロバートが映画「The Princess’ Diary」(邦題:プリティ・プリンセス)でアン・ハサウェイ演じる主人公のボーイフレンド役で出演していて、そこからこのバンドの存在を知った。

「The Princess' Diary」には、ロバート・シュワルツマンという本名で出演していたが、バンドはロバート・カーマイン(カーミン)名義でやっている。

実はロバートは、有名なセレブ一家の出身。

父:ジャック・シュワルツマン(映画プロデューサー)
母:タリア・シャイア(俳優)
兄:ジェイソン・シュワルツマン(俳優)
叔父:フランシス・フォード・コッポラ(映画監督)
いとこ:ロマン・コッポラ(映画監督)、ソフィア・コッポラ(映画監督)、ニコラス・ケイジ(俳優)

業界人一家生まれのサラブレッドなのである。

そんなロバートが、「シュワルツマン」の名に頼らずに音楽をやりたいということで、祖父の名前からもらった「カーマイン」を名乗ってバンド活動を始めた。(と、どこかで読んだ)

そうは言いつつMVにお母さんが特別出演していたりもするのだけど。吹っ切れたのかしら。

ちなみにお兄さんのジェイソンは、かつてPhantom Planet(ファントム・プラネット)というバンドでドラムを叩いていた。俳優に専念するために脱退している。


Rooneyのアルバムは2枚持っている。とくに1枚目のセルフタイトルアルバムはかなり聴き込んだ。聴いていてとても心地良いのだ。キャッチーさはあるけどポップすぎない。ロックだけどうるさすぎない。
耳に心地よいロバートの声に、なんだかちょっとメランコリックなギターの音がとても合っている。

アルバムのジャケットは、彼らの出身地カリフォルニア州の州旗がデザインされている。そういう地元愛というか望郷が音楽から滲み出ているのかもしれない。だから故郷を離れて暮らしていた学生時代の自分と共鳴したのかも。

で、何年か前に「最近聴いてないな、どうしてるんだろ」と思ってYouTube検索してみたら、メンバーがロバート1人に減っていたという衝撃の事実。なんか多いよな、こういうの。


そんなRooneyの最初のアルバムのリードトラックが「Blueside」という曲だ。

ブルーサイドって何だろう。
ググってみたけどやたらとK-POPグループの情報しか出てこなかった。同じタイトルの曲を歌っているグループがあるらしい。

昔買ったアルバムにあった歌詞の対訳を読んだが、そのまま「青い面」と書かれていたので結局何のことなのかよく分からなかった。

しかし、歌詞を参照したサイトに書いてあった考察・解説コメントにヒントが。

This song is mainly about depression which is commonly referred to with the color blue.

「Genius」より

この歌は主に「鬱」について書かれているということ。憂鬱な気分のことを「ブルーな気分」なんて形容する。それと一緒だろう。

やっぱりそうなのね。

そこそこアップテンポなロックではあるんだけど、そこはかとなく哀愁漂うメロディ。明るい曲ではないことは聴いていてわかる。

件の歌詞サイトの解説や考察には、うつとそれに伴う自傷や自殺未遂を表現しているのでは?と言っているものもあったけど、そこまで生々しい歌ではないとわたしは思っている。単なる希望なのかもしれないけれど。

落ち込んだ時、憂鬱な気分の時、身を任せたい曲だと個人的には思う。
無理に明るく元気づけようなんて感じもなく、だからと言って暗すぎるわけでもない。この曲はちょうど良い塩梅。だからこそ惹かれたのだろうし、こうしてなんとなく疲れた時に聴きたくなるのだと思う。

色々書きすぎたけど、まぁとにかく聴いてみてほしい。
メロからサビに移る時のメジャーコードの響きがなんとも言えない。

ヴィジュアルが70年代風だけど、2003年の映像です。
でもこの雰囲気も好きなんだよな。ノスタルジーが増している。




Blueside

The colors have built up in my mind
They're bleeding through my heart
But nobody knows that they exist
Look at my bursting veins
Now do you see the red in me
It's a sign for the end

心の中に積み重なった色で
僕の心は血を流している
だけどそのことは誰も知らない
僕の破裂している血管を見てよ
今なら僕の中の赤いものが見えるかい
それは終わりの合図だ

Only the ends of the red
Will show you my blueside
Only the ends of the red
Will show you my blueside

赤い結末に終わるだけ
僕の憂鬱な心を見せようか
赤い結末に終わるだけ
僕の憂鬱な心を見せよう

I've been given my brush and plate
Where will I paint my life
And will the buyer in the sky
Believe in what I dream
And it's so hard for me to explain
What I will miss to myself

僕は筆と板を与えられた
どこで僕の人生を描こうか
空のバイヤーは
僕の夢見ているものを信じてくれるだろうか
僕は何を恋しく思うだろうか
説明するのがとても難しい

Only the ends of the red
Will show you my blueside
Only the ends of the red

赤い結末に終わるだけ
僕の憂鬱な心を見せよう
赤い結末に終わるだけ

Only the ends of the red
Will show you my blueside
Only the ends of the red
Will show you my blueside

Only the ends of the red
Will show you my blueside
Only the ends of the red
Will show you my blueside

赤い結末に終わるだけ
僕の憂鬱な心を見せよう

©️ Rooney, 2003

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