「商売は夫婦で協力しあって」 〜五反田・島津山書店の閉店 〜店主・鈴木さんご夫妻インタビュー〜
今年2月末に、五反田で74年間営業を続けてきた島津山書店が閉店した。
島津山書店は、現在の店主・鈴木英昭さんの祖母である村島富子さんと英昭さんの家族とではじめたそうだ。74年前は終戦直後の大変な時代。当時5歳だった英昭さんは、そんな祖母たちの働く姿を見て、家族が一致団結して商売をやらねばと高校時代から書店の手伝いをはじめた。以降、妻の美子さんとともに、かつては五反田で3店舗の書店を切り盛りしてきた。
島津山書店の鈴木さんご夫妻に、お話を聞きました。
(閉店した令和4年2月末、お店の扉は閉めたが、教科書販売の繁忙期に入り、この取材ができたのは4月末のことです)
仕事がひと段落して
ーー今は教科書の販売が終わって落ち着いたんですか?
英昭さん:最後にお金の回収、それが一番大事です(笑)。
ーー開店する時と閉店する時ってどっちが大変なんでしょうか。
英昭さん:開店というのは五反田東急に33坪の支店を出したときぐらいですけれど、どっちも大変でしたね。
ちゃんとした出店っていうのは初めてだったんで。どういう商品を揃えたらいいかとか、どういう客層なのかとか、最初は不安でしたよね。
ーー五反田東急の前は白木屋さんでしたかね。
英昭さん:私どもが出店した昭和55年はもう東急ストアでしたね。平成19年まで27年間営業していました。
ーー私も高校時代よく東急ストアのこちらのお店で本を買っていました。当時創刊したカルチャー誌『Cape X』という雑誌もこちらで買ったことはよく覚えています。
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