見出し画像

サステナブルな社会保障は健康寿命がポイント?「厚生労働白書」第1部を読み解く

こんにちは、地域の農のブランディングデザイナーの江藤です。
今回は厚生労働省発行の、令和4年版「厚生労働白書」第1部”社会保障を支える人材の確保”を読み解きます。

今回参考にしたのはこちら。
令和4年版厚生労働白書-―社会保障を支える人材の確保-概要版
https://www.mhlw.go.jp/content/000988388.pdf

この資料をざっくり強引にまとめると、

社会保障を支える人材が少ない。だから…
・社会保障を支える人材を、育てて増やす
・社会保障を支える業界を改善して、離職率を下げる
・積極的にデジタル活用する
・社会保障を支える人材を増やして、地域格差をなくす
・社会保障を支え合う連携を増やす

というような感じです。

なぜこれらが必要かというと、日本には超重要なこんな課題があるからなんです。


日本は「現役世代」激減で、超大変

2040年、現役世代は沖縄人口以上に減る

日本の「現役世代(=20歳から65歳)」はこれから激減します。
8年前の2015年から比べると、2040年には1580万人も減ります。
これはまるまる沖縄人口以上の人数がごっそりいなくなるイメージです。

2040年、医療と福祉人口が和歌山県の人口くらい減る

社会保障を支えるメイン人材である医療や福祉で、”確保が見込まれる就業者数”は約96万人も足りないそうです。これは和歌山県の人口とざっくり同じです。
え、日本大丈夫?
実はすでに日本には、歯科医がいなかったり薬局がない地区が存在しているそうです。

そもそも社会保障を支える「人材」って誰のこと?

国家資格だけをチェックするとこんな感じです。

▼医療関連
医師/歯科医師/薬剤師/保健師/助産師/看護師/診療放射線技師/臨床検査技師/理学療法士/作業療法士/言語聴覚士/視能訓練士/臨床工学技士/義肢装具士/歯科衛生士/歯科技工士/救急救命士/あん摩マッサージ 指圧師/はり師/きゅう師
▼健康関連
管理栄養士
▼福祉・介護関連
保育士/社会福祉士/介護福祉士/精神保健福祉士/公認心理師

このほか、地方自治体、NPO・NGO、ボランティアなど多様な主体が社会保障を支えてくれているそうです。

すでに日本はあらゆる施策を打ってきた結果により全体的に医療と福祉人材は増加傾向にありますが、課題はまだまだ山積みです。

サステナブルな社会保障制度でイノベーション!

この資料には
・持続可能
・イノベーション
・ベストミックス

のように、イマドキのワードが掲載されています。

とにかく日本は今、サステナブルな社会保障制度を支える人材確保を目指したい。

なぜなら今以上に人口が減少しても、社会保障はきちんと継続できるようにする必要があるからです。

そこで「人材確保イノベーション」という指針を打ち出しました。
「人材確保イノベーション」とは、「人材確保」と「サービス改革」をミックスさせた改革です。これが日本の社会保障の人材確保にベストな施策だ!と打ち出しています。

サステナブルな社会保障制度を実現するため掲げられたのは、この5つの方向性です。

1.健康寿命を伸ばす
2.医療・福祉サービスを改革
3.地域の実情に応じて取り組む
4.処遇改善
5.多様な人材の参入促進

ひとつ目が「健康寿命を伸ばす」です。

な、なるほど…

ちょっと驚きましたが、人材確保とサービス改革をするためには、まずは大前提として健康状態にある人を増やす必要があるのですね。当たり前と言えば当たり前ですが、これが最上段に来てるのを見ると、日本の社会保障のひっ迫さをあらためてひしひしと感じてしまいます。

これらを実現するため、以下の4つの柱が設定されています。

1.地域の実情に応じた取り組みを行なう
・農福連携
・包括的な支援の整備
・医学部入学者の増枠、看護職員の養成
2.社会保障を支える人材の処遇を改善する
3.サービスを改革する
・AI・ICT・ロボットの活用
・チーム医療、働き方改革
4.労働環境を改善する
・組織マネジメント改革
・外国人職場環境の整備
・社会保障を支える業界の魅力発信 などなど

農業界でも注目されている「農福連携」や「外国人」労働者についても、ここに明記されていました。あらゆる人材の「連携」は必須ですね。

どんなアクションを起こす?

これらを考えると、私たち生活者にできることは限られていそうです。
多くの人が取り組めるのは、「健康寿命を伸ばす」でしょうか。

健康寿命とは?

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のこと」です(厚労省e-ヘルスネット平均寿命と健康寿命より引用)。

下のデータで見ると、平均で男性が約8.7年女性が約12年、”日常生活に何かしら制限のある生活”を過ごしています。

▼平均寿命(2019年版)
・男性81.41歳
・女性87.45歳
▼健康寿命(2023年版)
・男性が72.68年
・女性が75.38年

平均寿命:厚労省e-ヘルスネット「平均寿命と健康寿命」
健康寿命:令和4年版高齢社会白書(全体版)

厚労省は「健康寿命をのばそう」をスローガンに、「スマート・ライフ・プロジェクト」という事業で具体的なアクションも呼びかけています。

私はこうしてる!

私自身が取り組んでいるのは、健康に対する学びと実践を繰り返すことです。自分の身体で実験して調整してベストを更新できたらと思って、色々と試しています。

・食事改善:栄養バランスを学んで実践(アプリ「あすけん」が神!)
・運動:自分に合った運動やストレッチを厳選して実践
・規則正しい生活:仕事と休暇のバランスを崩さない工夫を研磨
・不調な時:状況を記録、病院で相談
・記録:apple watchとiphone「ヘルスケア」で常に記録
・心:変化に気づく、無理をしない、ちゃんと潤す

周りの方々の健康寿命についても向き合う機会が多くなりました。大切な人のお手伝いをするため、共に過ごす時間を楽しむため、まずは自分が一番いい状態を保っていれるようにいたいと思います。


最後までお読みくださりありがとうございました。
お相手は、地域と農のブランディングデザイナー
コトリコ江藤でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?