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ほのぼの怪異

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現代に生きる怪異たちの、ちょっと笑えて、ちょっと心温まる、そんなお話です。
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#超短編小説

ショートショート70 「恋と個性」

 その日も、海坊主は沖合からとある海女の姿を眺めていた。妖怪と人間、種族を越える恋を成就…

ショートショート62 「S町役場のお仕事2」

---前作はこちら S町役場の行政相談窓口。 ショートカットの女性職員が真剣な面持ちで、窓口…

ショートショート32 「S町役場のお仕事」

S町役場の行政相談窓口。 透明パネルで仕切られた受付の奥に、4つだけ並ぶデスクの一番端の…

ショートショート36 「本日の釣果」

釣りをしている時間が大好きだ。 寄せては返す波の動きは、休みなく続いているのに、せわしな…

ショートショート25 「次世代サービス」

ここは、ある山奥の廃寺。 妖怪達が一堂に会し、長であるぬらりひょんを中心に会合を開いてい…

ショートショート05 「とあるカップル」

閑散とした数ヶ月が過ぎ、週を追うごとに、人通りが戻り始めた夜の繁華街を、一組の男女が身を…

ショートショート23 「残業、のち…」

オフィスで一人。もう慣れっこのつもりだったが、こう連日続くと嫌気が差してくる。 32歳で独身。中堅どころに位置する俺は、付きっきりで面倒を見る必要もないし、帰宅が遅くなろうと迷惑を被る家族もいない。 つまり、残業を押し付けるのにうってつけというわけだ。 さっさと帰宅してしまった先輩・上司の顔を思い出し、ほんの少しだがイライラがこみ上げてくる。それを飲み下すかのように3分の1ほど残っていた缶コーヒーを喉に流し込んだ。 プルルルルッ オフィスの静寂を切り裂いて、けたたま