『す〜べりだい』鈴木のりたけ【絵本】#16

毎週末、子どもと散歩へ出かける。
朝から図書館へ行き絵本を借り、その後、公園へ行って子を野に放つ。

さあゆけ、自由に行きたい場所へどこへでもゆけ。
走れ、走れ。

馬追いとか羊飼いとか、そんなイメージだ。
まだヨチヨチ歩きで、駆ける、と云っても速歩程度だから、馬というよりは羊のほうが合っている。
自由気儘に、遊ばせる。

何せ体力を削らないといけない。
昼寝に夜に、よく眠ってもらうためだ。
元気が余ってすぐに起きられると、僕らが休めない。
それに、うまく眠れないと子もイライラして機嫌が悪く、さいきんでこそ少なくなったが、以前は寝不足で体力が落ちると、すぐ風邪を引いた。
大人も子どもも、寝るのはやはり大事なのだ。
が、うまく眠るのは難しい。

僕は寝つきもいいし、決まった時刻に寝起きのできる、規則正しい睡眠をとれているが(これが一番難しい)、妻などはどうしても不規則になりがちで、不眠に悩まされることしばしばだ。
母も酒や薬に頼ったり、無呼吸の疑いがあったりして、問題がある。
詳しい統計は知らないが、睡眠に苦しんでいるのは女性のほうが多いのではないか。
ジェンダーロールや社会的な抑圧、身体的な差異など、考察はいくらでも進められそうだが、そもそもデータのない推論であるし(こういう空論が一番愉しい)いまは深掘りしないでおく。

話が逸れた。子どもと公園にいたのである。
危険がないように気を配りながら、ぼーっとそんなことを考えているうち、子はいろんなところへ構わず進んでいく。

遊具はどれも好きだが、一番は滑り台だろう。
滑り台そのもの、と云うよりは、階段を昇るのが好きだ。

家の近くに区営の立派な体育館があって、五輪のときには卓球の代表が練習場にしていたらしいが、いまはジムやスタジオなど区民に開かれた施設になっている。
屋上へ上がれるようになっていて、周囲に高い建物もなく見晴らしがいい。天気が良いと、東京スカイツリーや富士山まで見える。

その階段を、ひとりでふんふん昇っていく。
まだ歩けないうちから、匍匐前進みたいにして、飽きずに何度でも昇る。

家の階段をはじめて昇れたとき、すごいじゃん!と殊更褒めたのが深層にあるのかもしれない。褒められて伸びるタイプだ。以来、喜んでどこへでも昇っていく。

僕は高い所は苦手で、出来れば上がりたくないのだけれど、子は気にならないらしく、柵の側でも平気で立って笑っている。

高所恐怖症なのは、高い所の縁に立ち下を覗くと、自分が落ちる想像をしてしまうからだが、さいきんは子が落ちる想像もしてしまって、余計に恐ろしくなる。因みにだが後者のほうが断然怖い。

子は昇るのは好きなくせに、不思議なことに滑り台を滑るのはまだ怖いらしく、台の頂上でマゴマゴしている。
何度か試みるけれど、座って滑るのはダメで、うつ伏せになって滑り降りてくる。
ベルトコンベアを流れて出荷される荷物みたいに、下まで流れてきた子の顔を覗くと、ニヤリ笑っている。滑ること自体は愉しいらしい。謎だ。

ときには僕も上がっていって、脚にのせて正しい姿勢で、いっしょになって滑り降りる。

公園の滑り台すべるのなんて、何十年ぶりだろう。
けっこう愉しい。
子がいなかったら乗ることなかっただろうな。

真っ直ぐだったり、ねじれていたり、長かったり低かったり、トンネルみたいになっていたり、いろんな滑り台がある。

子どもの好きなEテレの番組『マチスコープ』で、階段を伸ばしたり縮めたり、縮尺を変えてどうなるか試していたが、この絵本ではそれを体験できる。

子どもといっしょにいろんな滑り台を滑りに行きたい、とおもう。

Amazonで見る👇

続篇もあるみたい👇

子はブランコも好きだ。まだひとりでは乗れないけれど、乗せて漕いでやると、悦ぶ。

砂場ももちろん大好きだ。重機の砂場セットで、掘ったり積んだりを一生やっている。

眠れないひとは騙されたとおもって読んでみるといいかも👇


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