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絵本を読む

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記事一覧

『いちごです』川端誠【絵本】#17

絵本『いちごです』を、子ども(2歳1ヶ月)といっしょに読む。

お菓子や食べ方など、さまざまないちごの形態を描きながら、いちごです、の文言がひたすら繰り返される。
おなじボケを繰り返すことで、笑いが生まれる。天丼、と云われるお笑いテクニックのひとつだ。一種のギャグ絵本と云っていい。

以前、おなじ作者の『りんごです』を読み、子どもが気に入っていたのもあって、こんどは『いちごです』だ。
ほかに『バナ

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『す〜べりだい』鈴木のりたけ【絵本】#16

毎週末、子どもと散歩へ出かける。
朝から図書館へ行き絵本を借り、その後、公園へ行って子を野に放つ。

さあゆけ、自由に行きたい場所へどこへでもゆけ。
走れ、走れ。

馬追いとか羊飼いとか、そんなイメージだ。
まだヨチヨチ歩きで、駆ける、と云っても速歩程度だから、馬というよりは羊のほうが合っている。
自由気儘に、遊ばせる。

何せ体力を削らないといけない。
昼寝に夜に、よく眠ってもらうためだ。
元気

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『くつくつあるけ』林明子【絵本】#14

もうすぐ2歳になる子どもが(ようやっと)靴を履いて歩けるようになった。

ちょこちょこと狭い歩幅で、ゆっくりとだがしっかりと、一歩いっぽ(文字どおりに)足を運んで行きたいほうへどこへでも行く。
いまは歩くことそのものが愉しいみたいだ。

車が好きで、駐車場を見つけるとふらふらと勝手に入っていってしまい、連れ戻すと泣いて怒る。

独り歩きはまだ不安なのか、伸ばしてくる手を、僕はそっと握ってあげる。

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『ほわほわさくら』東直子/木内達朗【絵本】#12

きのうは季節外れに雪の話を書いたが、いまはすっかり桜の季節で、それももう散って終わりかけている。

ことしはなかなか咲かなかったのが、咲きはじめると一気に満開で、散るのもあっという間だ。
温暖化で春が年々短くなっているが、桜の咲く期間もどんどん短くなって、そのうち朝顔みたいに朝咲いたら夜はもう散っている、なんてことになるのかもしれない。



週末の晴れた日、家族そろって花見へ出かける。
全員そ

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『ゆきのひ』加古里子【絵本】#11

東京に雪が降った。
降雪の少ない土地だが、何年かに一度、どさっと降って積もる(因みにだが、その「何年か」は年々長くなっているようにかんじる)。
子どもの生まれてからはじめて降る雪で、つまりは彼のはじめて見る雪、と云うことでもある。

鋪道にも雪の薄らと積もりはじめた夕方、子どもを保育所へ迎えにいき、いっしょに外へ出ると、
「ゆき、ゆき」
と彼は云って、空を指さして、はしゃぐ。

「Tちゃん雪見たこ

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