「『 編集者 柿内芳文さん 』と一枚の名も無きポスター」
「 さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 」「 嫌われる勇気 」「 ゼロ 」「 漫画 君たちはどう生きるか 」など有名書籍を数多く手掛けていらっしゃる編集者 柿内芳文さん。
2019年7月25日、場所はコスモテック。
箔押しの匠 佐藤勇が押した一枚のポスターを、柿内さんに直接手渡しで差し上げました。これは僕の念願でもありました。
廃材であるボール紙に青・赤・黄・黒箔をCMYKに見立て、匠が感覚のままに、無作為に箔を押しまくった、名も無き一枚のポスター。
かれこれ5年程前に、ブックデザイナーであるセプテンバーカウボーイの吉岡秀典さんとの加工実験で、この名も無きポスターは二枚作成されました。
なかなか味のあるかっこいいポスターになったので、一枚は吉岡さん、もう一枚はコスモテックが所蔵することに。
吉岡さんはご自身の事務所にこれを飾って下さいました。
ある時、吉岡さんが、吉岡さんの事務所を訪れた編集者 柿内さんが 「 この加工実験のポスター、カッコいい!欲しい! 」 とおっしゃっていた、ということを僕に教えて下さいました。
僕は、もともと柿内さんのことや柿内さんが編集された書籍のことは、ネットやメディアを通して一方的に知っておりました。
その方がまさか、印刷加工実験で偶然に生み出された、この名も無きポスターに偶然目を留め、魅力を感じてくださったなんて! 僕はその瞬間、驚き以上に湧き上がるような大きな喜びを感じたことを、今でもはっきり覚えております。
僕はその頃、コスモテックの WEB STORE 『 工場直販のコスモテックサンプル直売所 』を開設するために四苦八苦して、それなりにプレッシャーを感じたりしているところでした。
編集者 柿内芳文さんがおっしゃった 「 ポスター、カッコいい!欲しい! 」 という言葉は、コスモテックが自社プロダクトを販売していくための WEB STORE 開設に悩みや不安を抱えていた僕の肩を 「 トン 」 と叩き、自信を与え前向きにさせてくれた一言だったのです。
そして今でも、『 コスモテックサンプル直売所 』 を運営し続けていく上で、大きな励みとなっている一言であるのです。
書籍「 胞子文学名作選 」の加工立ち合いを行う
吉岡さん( セプテンバーカウボーイ )と匠。
いつかコスモテックが所蔵するこのポスターを、大切な一言をくださった柿内さんご本人に差し上げたい。もらうべき人、大切にして下さる方に直接受け渡したいという気持ちを抱くこと、約5年。
2019年7月25日。
僕とコスモテックの5年越しの念願がとうとう叶い、柿内さんにポスターを手渡すことが出来ました。名も無きポスターを加工実験の熱狂と勢いのまま製作していた箔押しの匠は、現在は現場の第一線を離れましたが、柿内さんがこのポスターを受け取ってくださったことを、きっと喜んでくれただろうな、と思っています。
いつの日か柿内さんに差し上げたい一心で、コスモテックで大切に保管していた一枚の名も無きポスターが、これからは柿内さんのもとでお仕事に彩を添えられれば幸いです。
柿内さんの事務所に飾られた、箔押しの匠の名も無き一枚のポスター
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