計１６版！「 kukka（クッカ） 」ラベル
コスモテックの青木です。
今回、コスモテックにて製作・加工のお手伝いをさせて頂いたのは、眠れるアロマ専門店 「 kukka（クッカ） 」 のパッケージ（箱）に貼り付けるラベルです。デザインは、株式会社ライツデザインさまによるものです。
ライツデザインさまから初めてお問い合わせを頂いたのが去年（2020年）の12月までさかのぼります。とうとうお披露目することができることになりました。製作に携わらせていただき、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
パッケージに貼ることで完成するデザイン
コスモテックで製作したラベルは、アロマスプレーの香りにあわせて、デザインの異なるラベルが5種類。
そして、パッケージは1種類。グレーの紙の地色に瓶のグラフィックが白色で表現され、黒色の kukka の文字としゅっと斜めに伸びた1本線という潔く、シンプルなものです。
今回のパッケージは、この1本の斜め線の先端にコスモテックで製作したラベルを貼り付けることで、完成するデザインなのです。
5種類のラベルでそれぞれのアロマスプレーの香りを表現するため、『 今回はラベルが特に重要な要素である 』 ということを、ライツデザインさまが打ち合わせ当初よりおっしゃっていたことが今でも印象深く残っています。
素材・印刷加工選び
ライツデザインさまからお問い合わせ頂いた際、 「 ラベルの印刷加工の仕様からご相談させて頂けないか？ 」 というもので、仕様を決める一番最初の段階から頼って頂けたことを本当に嬉しく思いました。
デザインイメージはあるものの、ラベルの材質や具体的な印刷加工の方法などは未確定。イメージどおりのモノを実現するために何ができるのかを考え、いちから製品を生み出すプロセスをお客様とご一緒することができるのは、印刷加工を生業とする僕らにとって喜ばしいことです。
さて、ライツデザインさまからのご相談内容は大きく分けて4つ。
・ 5種類のラベルの特徴を表現したい
・ 立体感を感じさせたい
・ ラベル素材は、光沢があるものは使いたくない
・ 色々な印刷加工方法を提案してほしい
というものでした。
頂いたご相談内容とデザインイメージをもとに素材・印刷加工方法をライツデザインさまへご提案し、検証して頂きました。様々なラベルの仕様から取捨選択して、今回の製作の方向性が導き出されております。
ラベルの厚みを持たせる
ラベルの材質は紙系・フィルム系、ざらざらしたもの、つるつるしたもの等、多岐に渡ります。
今回、『 ラベルを貼り付ける 』 ことでパッケージが完成するという意味合いや、 頂いたキーワードの 『 立体感 』 から、ラベルに厚みを持たせるということを初期の段階からご提案させて頂き、ご採用頂きました。
通常のラベル素材は比較的うすいものが多いため、そのままのラベル素材をパッケージに貼り付けると平滑で馴染み過ぎてしまい、わざわざラベルを作り・貼り付けることの意味合いが損なわれてしまうと考えました。極端に言うと、パッケージにラベルの図案を印刷するのと大差ない仕上がり、ということになってしまいます。
そのため、今回はラベル素材を2層に貼り合わせて、厚みを持たせました。ラベルをパッケージに貼り付けた際、ラベルが手前・パッケージが奥に感じられるような 『 立体感 』 を意識した仕様になっています。ほんのわずかな厚みの差で、モノとしての存在感がグッと変わるのを感じます。
計１６版でみせる印刷加工
5種類のラベルは合計１６版の金属製の版をつくり、活版印刷・箔押し加工によって製作しました。ラベルの素材を2層仕立てにし、活版印刷・箔押し加工で 『 圧 』 をかけることで生まれる立体感も意識した素材選びをしました。
グッと印圧をかけることでラベル素材が凹みます。
ラベルに、凹まない部分と凹む部分をつくり出すことで 『 立体感 』 を生み出すことができます。
通常のラベル素材では厚みがうすいため、なかなかこの 『 圧 』 の痕跡を感じ難いのですが、こうしてラベルの素材を2層にすることでしっかりとした凸凹感を生み出し、陰影をつくり出すことで、平面的なラベルに物質感を表現しようと試みました。
また、ラベル素材には和紙を用いており、「 自然 」 「 ナチュラル 」 「 あたたかみ 」 などの印象を大事にし、活版印刷特有の色ムラ感も手作りっぽいあたたかみとしてデザインの一部と感じられる仕様となっております。
３日間の校正立ち会い
ラベルの校正時も全て本番の機械を用いて、テストしました。
5種のラベル製作に１６版を用いて印刷加工するので、時間もかかります。
校正は5月（2021年）に３日間かけておこなったのですが、全日 ライツデザインさまが立ち会って下さいました。お時間つくって下さり、本当にありがとうございました。
インキは全てが特色仕様。和紙に印刷した時の見え方、 『 圧 』 加減、色ムラの程度などもチェックして頂きました。また、立ち会いで会話をしながら 「 こういう風にするともっと良くなるかも！？ 」 というアイデアがわいてきて、急遽、予定になかった箔押し加工もすることに！
ご紹介している写真内のラベルで、色が印刷されている部分は活版印刷によるもの。ラベル内の白色の部分は、当初は白色で活版印刷する予定だったのですが、校正の加工立ち会い時、白刷りで使うための金属版で、お試しで透明箔押しをしてみたところ、その方が仕上がりイメージにぴったりだったため、即決で透明箔押しへと変更となりました。
校正では、加工立ち会いならではのライブ感も活かされて仕様が決定し、本番の加工を経て、とうとう kukka ラベルが完成しました。
ご注文は WEB ページにて
アロマスプレー「 kukka（クッカ） 」 は、眠れるアロマ専門店 「 kukka 」 のホームページ内からご注文いただけます。
先日（2021年10月6日～10月26日）まで代官山蔦谷書店にて期間限定の POPUP を展開。大変うれしいことに大好評だった模様です！
瓶もパッケージも、そしてラベルも！
細部にわたって、こだわり満載の製品なので、アロマスプレーを使用後も、瓶・パッケージなど含めて、部屋のインテリアとしても楽しめます。
- Credit -
Client ： HINATABI [ https://kukka-zzz.com/ ]
Design ： LIGHTS DESIGN [ https://lightsdesign.jp/ ]
Print ： Cosmotech Inc.
【 連絡先 】
ようこそ！行列のできる『箔押し印刷工房』へ
➡ http://blog.livedoor.jp/cosmotech_no1/
有限会社コスモテック 青木政憲
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL：03-5916-8360 / FAX：03-5916-8362
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