![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55388365/rectangle_large_type_2_d6a7fb3295820703587b91ba3b163628.jpg?width=800)
「SWP配合紙への加熱型押し加工」
こんにちは、現場の前田です。
今回製作でお手伝いさせていただいたのは、2021年7月13日〜17日まで東京・青山で開催される三井化学株式会社のオープン・ラボラトリー活動 「 そざいの魅力ラボ ーMOLp®︎ー 」 の 「 MOLpCafé2021展 」 にて展示されるSWP配合紙のランプシェードです。
MOLp®(モル)とは?
さまざまな素材の中に眠っている機能的価値や感性的な魅力を、あらゆる感覚を駆使して再発見し、そのアイデアやヒントをこれからの社会のためにシェアしていく、三井化学グループのオープン・ラボラトリー活動。
合成樹脂パルプ SWP
SWP( Synthetic Wood Pulp ) とは、三井化学さまの技術によって生まれた、紙のような繊維状の合成樹脂パルプです。
SWPの配合された特殊紙は、ふかふかとした柔らかさと高い白色度、加熱型押しした部分が半透明化し硬化するという特徴があり、また、エンボス( 浮き上げ )加工にも適しております。
このSWP配合紙を使用して今回製作したランプシェード 「 POLYISM-Digital DIY Lamp Shade Kit 」 は、組み立て式のDIYキットになっております( 「 MOLpCafé2021展 」 で販売も予定 )
![写真 2021-06-25 1 14 09](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55389929/picture_pc_4d5e43b718f5bb671b7c0f5135fb9382.jpg?width=800)
シェード部分はSWP配合紙のパーツを折って組み立て、電球を固定する部分は3Dプリンタで出力するという作りになっています。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55999507/picture_pc_6d6da9d0b431dde31c883fd704aa15ae.jpg?width=800)
コスモテックでは、シェード部分のパーツに加熱型押しと、パーツの形状に型抜き加工を施すお手伝いをさせていただきました。
1回の加工で2つの効果をもたらす
用紙は、SWP配合紙 4/6判200kgを使用。
直線で組まれたデザインを加熱型押し加工によって半透明化させことで、組み立ての際の 「 折りやすくするための折りスジ 」 と 「 光が透けて見える効果 」 を1回の加工で同時に表現しております。
![ペンダント照明](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55389903/picture_pc_c21b2e1c9115274ba11ade432be5b564.jpg?width=800)
細かい調整が美しい半透明化をつくる
SWP配合紙に加熱型押し加工をする場合、通常の箔押し加工と同様に箔押し機の紙( 今回はSWP配合紙 )をセットする土台部分に薄い紙を足していき、均一に半透明化するよう熱と圧力のかかり具合を調整していきます( 具合出しと呼ばれる作業です )
SWP配合紙への加工は、具合出しで非常に薄い紙1枚を挟むだけでも半透明化具合が大きく左右されます。そのため、均一に半透明化するよう調整するのが非常に難しいのです。
また、今回、半透明化具合と共に組み立ての際に筋部分で折りやすくするために、圧を強めに掛けて加工しています。
![写真 2021-06-25 1 14 01](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55389728/picture_pc_551c4d2ee0f5dc69cff92c315cd4fb23.jpg?width=800)
- Credit -
Product name : POLYISM-Digital DIY Lamp Shade Kit
Client : Mitsui Chemicals, Inc.( 三井化学株式会社 )
Design : MOLp®
Print : Cosmotech Inc.
SWP配合紙を染色
ランプシェードキットの一部には、「 きっと染まらないだろう 」 と言われていたSWP配合紙に天然染料を用いて染色実験をし、「 柿渋・赤ワイン・ログウッド 」 で染め上げたパーツもあります。
コスモテックでは今回初めて、染色されたSWP配合紙にも加工させていただきました。
柿渋染めのランプシェードは上記サイト内でご覧いただけます。
染色されたSWP配合紙に加熱型押し加工を施すと、加工した部分の色が濃くなり、一見すると半透明化していないように見えます。しかし、用紙を光にかざすと、しっかり光が透けてみえます!
染色されているものと、染色されていないSWP配合紙とでは見え方が異なるということを、今回の加工を通して知ることができました。
![写真 2021-01-14 20 21 51](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56002029/picture_pc_999c6c5493b8d8121696317d7a3bf7c3.jpg?width=800)
SWP配合紙特有の柔らかな用紙の表情と、特性を活かした加工から生まれたランプシェードは、ひと味違った紙のランプシェードとなっております。
三井化学株式会社さま、この度はお手伝いさせていただきまして、ありがとうございました!
「 MOLpCafé2021 」 のご案内
2018年3月以来、待望の約3年半ぶりの開催!
※ 新型コロナウイルス感染対策のため、各回事前予約制・人数制限あり(各回10名)
日時 : 2021年7月13日(火)13:00 ~ 7月17日(土)14:00まで
[ 注 ] 初日・最終日以外は、10:00~17:00のオープンです。
場所 : ライトボックススタジオ青山( 東京都港区南青山5丁目16-7 )
[ 注 ] 表参道駅B1出口から徒歩約6分です。
気になる方はこちらより!( 事前予約制 )
申込フォーム : https://peatix.com/group/10684070/events
※ 約1時間半くらいのガイドツアーになります。
【 箔押し加工 】
有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362
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